投稿日:2023.10.2
受け口に影響する「歯の向き」とは
こんにちは^^札幌キュア矯正歯科です!
受け口は、下顎が上顎よりも前に出ている状態を指します。この状態が続くと、食事の際に不快感を覚えたり、発音に支障が出たりすることがあります。さらに、外見に影響を与えることもあり、コンプレックスに感じている方も少なくありません。一般的には『下顎前突』や『反対咬合』と呼ばれ、特に横顔から見ると顎が前方に突き出ているのが特徴です。この特徴により、顔のバランスが崩れることもあります。しかし、受け口は骨格の問題だけでなく歯並びが原因で起こっているケースも多く見られます。適切な治療法を選択するためには、こうした原因の理解が重要です。今回は、受け口になってしまう原因や歯の向きとの関係性について詳しくお伝えします。
目次
歯の生え方が関係している受け口とは
顎が正常な状態でも、前歯が生える向きや位置関係によって、噛み合わせが逆になることがあります。具体的には、下の前歯が外向きに生えている場合や、上の前歯が内向きに傾斜していることで、受け口の状態になることがあります。もちろん、顎の骨格が起因している受け口もあるため、矯正専門の歯科医師の診断で特定してもらうことがおすすめです。
受け口の2つの要因
受け口には大きく分けて『先天性』と『後天性』の2つの要因があり、場合によっては両方が影響し合って症状を引き起こすこともあります。以下、それぞれの要因について詳しく解説します。
先天的要因
まず、先天性の要因についてです。これは、生まれ持った骨格や遺伝によるもので、特に顎の成長と深く関連しています。以下に詳しくご説明します。
親からの遺伝
親から子へ受け継がれる骨格の特徴が、受け口に影響を与えることがあります。両親の顎の形状や噛み合わせが似ることで、子供も受け口になりやすい傾向があります。遺伝による影響は、骨格と歯の状態や生え方の両方に影響することがあります。
下顎の過成長・上顎の発達不足
顎の成長に異常がある場合、上顎と下顎のバランスが崩れることがあります。この場合、単に歯の向きを調整するだけでは改善が難しく、骨格に対する外科処置が必要になる場合もあります。顎の過成長や発達不足は、遺伝や発育環境の影響を受けやすいため、早めの治療がおすすめです。また、成人すると顎の発達が完了しているため、抜歯矯正や外科手術が必要になることがあります。
後天的要因
元々の歯並びや骨格に問題がなくても、幼少期の生活習慣や特定の癖などが影響することで受け口が後天的に発生することがあります。原因となっている生活習慣や特定の癖を早い段階で改善することで、悪化を防ぐことができる場合もありますが、歯並びの乱れが顕著な場合には矯正治療が必要になることもあります。また、口呼吸の習慣は、口の中が乾燥しやすいことから、虫歯や歯周病、口臭やいびきの悪化などのリスクが高くなります。
◎ 受け口になりやすい癖や習慣
- 指しゃぶり
- 口呼吸唇を噛む癖
- 舌の位置が低い
- 舌を押し出す癖
受け口には「舌の位置」も関係している
受け口の発生には「舌の位置」も深く関係しています。舌が正しい位置にない場合、噛み合わせや歯列に影響を与えることがあります。特に、舌が前方や下方に位置する癖があると、長期間の圧力によって受け口になるリスクが高まります。ここでは、理想的な位置や不適切な位置について、詳しく見ていきましょう。
理想的な舌の位置
舌の適切な位置は、上顎に舌全体が沿っており、「スポット」と呼ばれる上の前歯の少し後ろの歯茎に舌先があることが理想とされています。自然に舌が上顎に上がっている状態は、口が閉じやすくなるため、鼻呼吸もしやすくなります。
不適切な舌の位置
日ごろから無意識に「不適切な舌の位置」が続いていると、小さな力であっても、長い期間この力が積み重なることで、歯が傾いたり、歯並びが乱れたりする影響が出てきてしまいます。具体的には以下の二つの問題があります。
低位舌
本来、舌は歯に触れずに上顎にくっついている状態が理想とされます。舌がこの位置にあると、上顎の成長が促され、歯や顎への悪影響が生じにくくなります。しかし、舌が低い位置にある状態が習慣化すると、舌先が前方に出やすくなり、特に下の前歯を押しがちです。さらに、舌が下顎に落ちていると下顎の成長が刺激をされやすくなり、上下の顎の成長のバランスが崩れやすくなります。結果として、受け口を引き起こしやすくなります。また、低位舌の方では、舌の側面に歯型が残ることも多く見られます。
舌突出癖
舌先が下の前歯の裏に触れていると、舌が力をかける方向が前方になり、結果として下の前歯が前に突き出しやすくなります。この癖は、受け口に加えて、出っ歯や開咬などの歯列不正も引き起こしやすくなります。
受け口の治療について
歯列矯正
歯の傾きや歯並びが原因になっている受け口は、歯列矯正が効果的です。矯正治療には、ワイヤー矯正とマウスピース型矯正の2種類があります。ワイヤー矯正には、一般的に使われる表側矯正と、目立ちにくい裏側矯正(舌側矯正)の方法があります。特に、見た目を気にされる大人の方には、表からは見えない裏側矯正(舌側矯正)が好まれています。一方、マウスピース型矯正は装置の取り外しが可能で、食事や歯磨きがしやすい点が魅力です。ただし、適応症例が限られるため、自分に合う治療法かどうかは歯科医師に相談しながら決めることが重要です。
口腔筋機能療法
口腔筋機能療法(MFT)は、口腔内の筋肉のバランスを整えることで、受け口の改善を目指す治療法です。この治療方法は、舌や唇、頬の筋肉を鍛えることで、口腔内の機能を向上させることが特徴です。お口の筋肉のトレーニングを通じて、舌を適切な位置に保つことができるようになります。結果として、症状が改善されるだけでなく、噛み合わせや発音の向上にも役立ちます。この治療方法は、特に成長期のお子様に効果的であり、早期に取り組むことで、より良い口腔環境を作る手助けとなります。
外科矯正(サージェリーファースト)
サージェリーファーストは、まず外科手術を行い、次に矯正治療を進める点が特徴です。この手法により、顔立ちや顎のバランスが大幅に改善されるため、見た目の変化をすぐに得ることができるメリットがあります。また、従来の矯正治療よりも全体の治療期間を短縮することができます。サージェリーファーストを実施しているクリニックは少なく、患者様の顎の状態に応じた詳細な計画と必要な設備が整っている必要があるため、経験豊富な医療機関での相談が大切です。当院の外科矯正(サージェリーファースト)について、詳しくはこちらも併せてご覧ください。
→当院の外科矯正
最後に
受け口の原因は骨格の異常や歯列不正、またはその二つの要因が重なって発生している可能性があります。歯並びが原因の場合、矯正治療で改善できるケースが多く、骨格が影響している場合には、歯列矯正と外科手術の両方が必要となることもあります。受け口は、顎の成長に伴って下顎の突出が一層目立ってくるため、早期に診断を受けることでより効果的な治療が期待できます。当院では、初診のカウンセリングで患者様のお悩みやご要望を伺い、矯正治療の方法や種類について詳しくご説明いたします。その後、精密検査を行い、患者様に最適な治療方法をご提供いたします。見た目の美しさや機能の改善を目指して、受け口が気になる方はぜひお気軽にご相談ください。ご予約はこちらから承ります→初回カウンセリングのご予約
ご一読いただき、ありがとうございました♬