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投稿日:2023.4.3

親知らずがあると矯正できない?

 

親知らずがあると矯正できない?

こんにちは。裏側矯正専門の札幌キュア矯正歯科でございます。
「歯列矯正をしたいけれど、親知らずって抜いた方がいいの?」そんなふうに迷ったことはありませんか?
歯列矯正では、歯をきれいに並べるために必要なスペースをあらかじめ確保することが求められるため、
「親知らずがあると邪魔になるのでは?」と思われがちです。一部の方は、「抜歯しないと歯列矯正はできないのでは?」と心配されることもあるかもしれません。
しかし実際には、親知らずがあっても矯正治療を行えるケースは多くあり、必ずしも抜歯が必要とは限りません。
この記事では、親知らずが矯正に与える影響についてや症例ごとの対応方法もわかりやすくお伝えします。

親知らずはどんな歯?矯正と関係する理由

札幌 歯列矯正

「親知らず」とは、永久歯の中で最も遅く生えてくる第三大臼歯のことを指します。
一般的には10代後半から20代前半にかけて、上下左右の奥歯に1本ずつ、最大で4本生えてくる可能性があります。
しかし、すべての人に必ず4本生えるわけではありません。
1〜2本しかない人や、そもそも1本も存在しない人もいるなど、個人差が非常に大きいのが特徴です。

親知らずは、必ずしも真っ直ぐ生えてくるわけではなく、位置や向きに問題が生じることがあります。
骨の中に埋まったままの「埋伏歯(まいふくし)」だったり、斜めや横向きに生えてしまうことも珍しくありません。
特に現代人は顎の骨が小さくなってきている傾向があるため、多くの場合、親知らずは十分な萌出スペースが確保されておらず、
その結果として周囲の歯や歯肉に悪影響を与えることもあります。

親知らずが歯列矯正に関係する理由とは?

このような親知らずの状態は、矯正治療における治療方針の決定に密接に関わっています。
矯正中に、親知らずが歯列の後方から力を加えることで、歯の位置がずれてしまうことがあり、
せっかく整えた前歯がまたガタついてくる「後戻り」を引き起こすリスクがあります。
また、歯列をきれいに並べるためのスペース確保が難しくなることや、親知らずが炎症や虫歯を引き起こして治療の妨げになることも。

このように、親知らずは「ただの奥歯」と思われがちですが、矯正治療の方針や結果に大きな影響を与える要素のひとつです。
そのため、矯正治療を検討している方にとっては、親知らずの状態をしっかり把握することがとても重要となります。

さらに矯正では、歯を移動させるためのスペースを確保することがとても大切です。
そのとき、親知らずがスペースを圧迫していると、歯列の移動に支障をきたす可能性があります。
加えて、親知らずが正しい位置から外れて斜めや横向きに生えてくることもあり、
横向きや斜めに萌出した場合には手前の歯を押して歯並びの乱れや後戻りを引き起こすこともあります。

親知らずがあっても矯正できる?

結論から言えば、親知らずがあっても矯正は可能です。

・全体の歯並びやかみ合わせのバランス
・親知らずがどの方向に、どのように生えているか
・矯正に必要なスペースが足りているか
・周囲の歯や骨に影響を与えていないかどうか

といった複数の要因を考慮して判断されます。
そのため、「親知らずがあるから矯正はできない」といった一律のルールは存在しません。
というのも、親知らずが与える影響は個人差があり、一概には判断できないからです。

たとえば、親知らずがまっすぐ正常に生えていて、周囲の歯や骨に悪影響を及ぼしていない場合には、
抜かずに矯正治療を進められるケースも多く見られます。
一方で、斜めや横向きに生えていたり、親知らずが手前の歯を押すような位置にある場合には、
抜歯を優先する方が将来的なリスクを回避できると判断されることもあります。

親知らずを温存したままの矯正治療は可能?

矯正治療を考えるとき、できれば親知らずを抜かずに済ませたいと希望する方も多いのではないでしょうか。
以下のような条件を満たす場合、抜歯せずに矯正が可能なことがあります。
・親知らずがまっすぐ正常に生えている
・周囲の歯や歯列に悪影響を及ぼしていない
・矯正に必要なスペースが十分にある
・骨や歯ぐきの中に埋まっており、将来的にも表に出てくる可能性が低い状態

このような状態であれば、親知らずを残したまま歯列矯正を行う選択も十分に考えられます。

精密検査で慎重に判断する

ただし、見た目だけで判断することはできません。親知らずの有無だけでなく、
「どこに」「どのような角度で」「どの程度のスペースを占めているか」など、
立体的な位置関係や骨の状態、周囲の歯列の状況を精密に評価することが重要です。
これには、レントゲンやCT、セファログラムといった画像診断を用いて、
専門的な分析を行ったうえで治療方針を決定する必要があります。
つまり、親知らずを抜くかどうか、矯正できるかどうかは、年齢やあごの大きさ、歯並び、
親知らずの生え方など、さまざまな要素を総合的に見て判断されます。
また、親知らずは歯ぐきや骨の中に隠れていることも多く、見た目だけでは状態がわかりません。
そのため、レントゲンやCTなどによる詳しい検査が必要です。

親知らずの影響がある場合は抜歯が必要

親知らずが矯正治療に影響を及ぼしていると判断された場合は、抜歯が必要とされるでしょう。
とくに以下のような状態に該当する場合には、早めの抜歯を検討することが推奨されます。
横向きや斜めに生えており、手前の歯を押している親知らずが横向き・斜め・真横に寝たような状態で生えている場合、
その手前にある第二大臼歯(奥から2番目の歯)を後方から圧迫してしまうリスクがあります。
これにより、健康な歯が傾いたり、歯列全体のバランスが崩れたりする原因になります。
矯正治療中は歯の位置を正確に整える必要があるため、親知らずが押し込む力は大きな妨げとなるのです。

痛みや腫れなどの炎症を繰り返している

親知らずの周囲にある歯ぐきが何度も腫れる、膿が出る、違和感が続くといった症状は、
「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」と呼ばれる状態です。
特に親知らずが一部しか顔を出していない半埋伏の状態では、汚れがたまりやすく細菌感染を起こしやすくなります。
矯正中に炎症を繰り返すと、矯正装置をつけている部位の衛生管理にも支障が出るため、
抜歯によってリスクを取り除くことが望ましいとされます。

周囲の骨や歯に悪影響を及ぼすリスクがある

埋まった親知らずが歯根の周囲の骨を溶かしたり、隣の歯の根に接触してダメージを与えたりすることがあります。
また、親知らずの周辺に嚢胞(のうほう)と呼ばれる袋状の病変ができることもあります。
こうした骨や周囲組織への悪影響が想定される場合、将来的なトラブルの予防として抜歯が選択されることがあります。

矯正のためのスペースを確保する必要がある

歯列矯正では、歯を美しく整列させるために、一定のスペースを確保する必要があります。
に歯が並びきらずガタガタしている「叢生(そうせい)」や、出っ歯(上顎前突)の矯正には、後方への移動スペースを確保することが重要です。
親知らずが後方スペースをふさいでいる場合、歯の移動が妨げられ、理想的な治療結果が得られない可能性があります。

なぜ矯正前に抜歯しておくべきなの?

すきっ歯 矯正

親知らずを抜くことで、以下のような矯正治療におけるメリットがあります。

・歯列を後方へ移動させるスペースを確保できる
・矯正後の「後戻り」を防ぎやすくなる
・周囲の歯への圧迫や損傷を未然に防げる
・衛生管理がしやすく、治療期間中のトラブルを減らせる

矯正治療を計画する際には、まず親知らずの生え方や位置を確認し、
抜歯の必要性や経過観察の可否を歯科医師が的確に判断することが欠かせません。

症例別|親知らずと矯正の関係

①親知らずが埋まっているが、症状がない

まだ生えていない親知らず(埋伏歯)がある場は、今後のリスクを予測したうえで経過観察を選ぶこともあります。
しかし、矯正治療中に親知らずが生えてきたり動いてきそうな場合は、途中で抜歯する計画を立てることもあります。

②すでに生えていて痛みがある

痛みや炎症がある場合は、治療の妨げになる可能性が高いため、基本的に抜歯となります。
特に、周囲の歯に悪影響が出ているようなら、早めの対応が必要です。
歯ぐきの一部が親知らずを覆ったままになっている「半埋伏」の状態では、食べかすや細菌がたまりやすく、
智歯周囲炎(ちししゅういえん)と呼ばれる炎症を起こすことがよくあります。
この状態になると、腫れや痛みを繰り返し、抗生剤などの処置が必要になることも。
炎症が治っても、再発を繰り返すリスクが高いため、抜歯によって根本から原因を取り除くほうが安心です。

③親知らずを活かして矯正する

実は、親知らずを「抜かずに活用する」パターンもあります。
たとえば、奥歯を抜いたスペースに親知らずを引っ張ってくるような治療法も存在します。
ただし、こうしたケースは限られており、症例を慎重に選定する必要があります。

④矯正後に親知らずを抜くケースもある

矯正治療を終えたあとに、後戻りを防ぐ目的で親知らずを抜くこともあります。
たとえば、矯正で整えた歯並びが、親知らずの圧力によって再びズレてしまうのを防ぐためです。
ただし、矯正後すぐに抜く必要があるわけではなく、経過観察のうえで必要に応じて対応するケースが多いです。

まとめ

矯正模型

親知らずがあると矯正できないのでは?と不安に感じる方もいらっしゃいますが、
実際には親知らずの状態や歯列の状況によって判断は大きく異なります。
まっすぐ生えており、周囲に悪影響を与えていなければ、親知らずを抜かずに矯正できる場合も少なくありません。
一方で、親知らずが歯並びや矯正治療の妨げになると判断された場合には、抜歯が必要になることもあります。
大切なのは、レントゲンやCTなどによる精密検査を通じて、専門の歯科医師と相談しながら治療方針を決めていくことです。
親知らずと矯正治療は密接な関係があるため、「抜くべきかどうか」を自己判断せず、まずは一度、矯正相談を受けてみることをおすすめします。

 

今回は親知らずがある場合の矯正治療への影響や、抜歯の必要性などについてお話しました。
札幌キュア矯正歯科では、患者様のご要望を良くお伺いした上で歯並び・噛み合わせの状態を考慮し、
一人ひとりに合った最適な治療方法をご案内させていただいております。
親知らずと歯列矯正に関連する記事は他にもありますので、併せてご覧ください。
【親知らずが歯並びを悪くする?】

「歯列矯正に興味があるけど、親知らずがある」「私の今の歯並びでは、親知らずを抜かないといけないの?」など
親知らずに関してお悩みのある方も歓迎です。下記リンクよりどうぞ気軽にご相談ください。
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ご一読いただき、ありがとうございました☆

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