投稿日:2023.4.14
MFTトレーニング(口腔筋機能療法)って?
札幌キュア矯正歯科です。
当院のブログを見つけてくださりありがとうございます!
本日は「お口の周りの筋トレで歯並びが変わる!?口腔筋機能療法(MFT)」についてお話していきます。
目次
お口の周りの筋トレで歯並びが変わる!?口腔筋機能療法(MFT)
歯並びとお口の周りの筋肉には、関係があることをご存知ですか?
きれいな歯並びの場合、実は歯並びだけではなくお口周りの筋肉も整っている可能性が高いのです。
反対に歯並びに乱れがあり歯列矯正をして整えた場合は、お口の周りの筋肉のバランスがとれておらず、
同時に口腔筋機能療法(MFT)が必要とされることも少なくありません。
何となくこの2つが関係していることをお分かりいただけたのではないかと思います。
今回は、お口の周りの筋肉とその鍛え方(口腔筋機能療法)についてお話していきます。
口腔筋機能療法(MFT)って何?
先ほどから「口腔筋機能療法(MFT)」という言葉が繰り返しでてきていますが、これは一体何のことなのでしょうか。
口腔筋機能療法とは、口腔周囲筋つまり歯の周りにある筋肉(唇・舌・頬の筋肉)の機能を改善するための訓練法です。
これらをトレーニングすることで、機能の改善を図ります。
一般的には小児矯正の分野で、歯並びが悪くなることを防ぐ予防の意味で多く用いられていますが、大人や高齢者の方にも効果があります。
歯の位置を決めるのは○○○
歯は生まれた時から生えているわけではありません。
生後5ヶ月前後から乳歯が生え始め、やがて永久歯に変わります。
この時、歯の位置はどうやって決まっていくのでしょうか。
実は歯の位置は、歯の周りにある唇・舌・頬の筋肉、
そして噛み合う歯などのバランスによって決まっています。
このバランスが崩れていると、歯並びも乱れてしまう可能性が非常に高いのです。
例えば「いつも口が開いている」「舌で押す癖がある」というような場合、
筋肉の圧力によって歯が移動してしまい、歯並びが悪くなってしまいます。
できれば普段の食習慣や生活習慣などの中で、口腔周囲筋が正しく機能するようにしておきたいところですが、
食文化の変化や便利なグッズが活用されるようになったことにより現代では難しくなってきています。
そのため口腔筋機能療法により、お口周りの筋肉のトレーニングが必要とされる子どもも比例して多くなっているのです。
こんなに良いことがたくさん!口腔周囲筋を鍛えよう!
実際に口腔周囲筋を鍛えることで、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
主なメリットとしては、次のようなものがあります。
・歯並びが悪くなるのを防げる可能性がある
・歯列矯正がスムーズに進められる
・矯正治療後もきれいな歯並びを維持しやすくなる
・口呼吸の改善
・発音が改善される
・きれいな食べ方ができるようになる
・正しい口腔機能を身に付けることができる
子どもの場合は、これから歯が生え変わったり
永久歯が生えてくる段階で行うことで、歯並びが悪くなるのを防ぐ効果が期待できます。
大人の場合はお口周りの成長が完了してしまっているため、残念ながら歯並びを良くする効果はありません。
しかし、口元の筋肉が衰えることで発生する誤嚥やむせの予防や、お顔周りのたるみ・ほうれい線の緩和に繋がります。
また子どもにも大人にも共通していえることですが、歯列矯正をしても、
舌で歯を押す癖などがあると歯並びが元に戻ってきてしまう「後戻り」が生じやすいです。
矯正治療と同時にMFTを行うことで、この後戻りもしにくくすることができます。
MFTで得られる効果
MFTを行うことにより、様々な効果が得られます。1つずつ解説していきます。
①正しい咀嚼・嚥下・発音・呼吸ができるようになる
食べ物を噛んで飲み込む、発音する、鼻で呼吸をするという動作を、私たちは無意識のうちにしています。
しかし、正しい食べ方や呼吸の仕方を身につけるMFTにより、これらを正しく行えるようにし、お口の機能の適正化を図ります。
②お口の周りの筋肉の機能改善
唇や舌、頬の筋肉の力を鍛えたり、力が入り過ぎているところを弛めたりします。
その結果、お口周りの筋肉のバランスが取れるようになります。
③唇や舌が正しい位置におさまるようになる
唇や舌にも、本来あるべき理想の位置というものがあります。
MFTを行うことで、リラックスしている時にこの位置に唇や舌がおさまるようになります。
④矯正治療の効果促進
子どもの軽度の歯並びの乱れであれば、MFTトレーニングだけで改善することもあります。
大人でも、舌の癖が原因となって歯並びが悪くなっている場合には、
矯正治療と併用することで矯正治療期間や費用を抑えられる可能性があります。
同時に後戻りの予防にも効果的です。
⑤歯並びの悪化を防ぐ
例えば歯並びの悪くなる原因が舌の癖などによる場合、癖を取り除くことで悪化を防ぐことができます。
MFTではどんな訓練をする?
次に、口腔周囲筋を鍛える訓練法にはどんなものがあるのかご紹介していきます。
①唇と舌の正しい位置を習得する訓練
リラックスした時、常に「唇と舌が正しい位置にある」ことを目指して訓練します。
ここでいう正しい位置とは、筋肉が歯並びに影響を与えない位置のことです。
②お口周りの筋肉の訓練
唇や舌、咀嚼筋などの筋肉それぞれの機能改善を図ります。
筋肉の力を強めることと、力が入り緊張して強ばった筋肉をリラックスさせることの両方を行っていきます。
双方にアプローチをすることにより、バランスの取れた状態を目指します。
③咀嚼・嚥下・発音・呼吸の訓練
咀嚼・嚥下・発音・呼吸といった動作をする際には、お口の周りにある口腔周囲筋を使います。
この口腔周囲筋のバランスを適切にしてバランスをとり、正しく動作できるようにしていきます。
同時に、歯並びの悪化を防ぐことも可能です。
知ってる?舌の正しい位置
舌の正しい位置と言われても、なかなか教わる機会はないのではないでしょうか。
ここで、みなさんの舌が普段どの位置にあるのか確認してみましょう。
上の歯に当たっている方、下の歯に当たっている方、下に下がっている方など色々だと思います。
現状を確認したいただいた上で、正しい位置をお伝えしていきますね。
舌の正しい位置
上の前歯の少し後ろの歯ぐきに舌の先が触れ、
舌全体が上の顎にリラックスした状態でくっついているのが正しい舌の位置です。
この位置をスポットと呼んでいます。
上下の歯は何もしていない時には接触せず、わずかに離れています。
食べ物を飲み込む時だけ(嚥下)接触します。
もし今まで違う位置に合った方がいらしたら、今日からぜひ意識してみてください。
積み重ねることで、発音や滑舌が良くなったり、いびきの改善に繋がることもあります。
お家でもできる!トレーニング方法
ここではご自宅でもできるトレーニング方法を2つご紹介します。
《コットンロールを使って》
下唇の裏側に、水を含ませたコットンロールを入れます。
コットンロールがなければ、ロール状に巻いたコットンでも構いません。
その状態で舌先をスポットにつけて、30分間唇を閉じます。
《ブクブクうがい》
唇をしっかり閉じ、周りに音が聞こえるくらい強くブクブクうがいをします。
これらのトレーニングをすることで、唇や舌の筋力を強化することができます。
うがいはお子さまでも毎日の生活の中でできるトレーニングですので、一緒にやってみてくださいね。
毎日の習慣に取り入れてみよう
今回は、お口の周りの筋肉やその鍛え方についてお話しました。
MFTというと何か大変なことをしなければいけないようなイメージがあるかもしれませんが、
うがいなど日常生活の中で簡単にお口周りのトレーニングをすることができます。
新型コロナ感染症の流行を経て、特に手洗い・うがいは以前よりも定着した習慣になっていると思います。
帰宅後や歯磨き後のうがいの時に、ぜひ今回お伝えしたトレーニングを取り入れてみてくださいね。
口腔筋機能療法(MFT)では、他にも様々なトレーニングを行っていきます。
ご興味のある方は、どうぞお気軽にお問合せください。
ご一読いただき、ありがとうございました。