投稿日:2022.12.5
裏側矯正は痛い?
「裏側矯正をしたいけど、痛かったらどうしよう」とお悩みではありませんか?
1本1本の歯に装置がつくワイヤー矯正は、見た目で「すごく痛そう」というイメージを持たれることがあります。
痛みに弱い方にとってはとくに気になる部分かもしれません。
こちらのページでは、裏側矯正の痛みの強さや痛みが出たときの正しい対処法についてまとめました。
現在治療中の方はもちろん、治療をご検討中の方もぜひご参考ください。
目次
矯正治療で痛みがゼロの治療法は存在しない
結論から申し上げると、歯が動く以上どの治療法でも多少の痛みは発生します。
しかし、そのタイミングを理解して正しく対処することで、痛みを最小限に抑えることは可能です。
痛みを和らげる工夫をしながら痛みと上手に付き合っていくことが、高いモチベーションを維持しながら矯正治療をすすめるポイントといえるでしょう。
これから治療を始められる方は、裏側矯正の特徴や痛みの和らげ方について事前に把握しておくことをおすすめします。
裏側矯正で痛みが発生するタイミング
裏面に装置を貼り付けてワイヤーをとおす治療法を裏側矯正といいます。
ワイヤー矯正の一種であり、表側矯正と同じように固定式です。
裏側矯正で痛みが発生するタイミングを以下でくわしくみていきましょう。
裏側矯正の開始直後
矯正治療を開始して歯が動き出すタイミングは、慣れていないということもあり、痛みを強く感じる傾向にあります。
今まで感じたことがない痛みに戸惑う方も少なくありません。食事のときは食べ物の硬さに注意しましょう。
調整日から1週間
調整日は歯に強い圧がかかるため、痛みを感じやすい傾向にあります。
1週間ほどかけて徐々に落ち着いてきますが、その間は食事が億劫になりやすいので注意が必要です。
「栄養が取れて食べやすいもの」を意識して選びましょう。
粘膜に傷や口内炎ができたとき
唇や舌に傷や口内炎ができていると、食事や会話のときに痛みを感じます。
とくに矯正治療を始めたばかりのころは装置の感覚に慣れていないため、触れる粘膜に傷ができやすい傾向にあります。
醬油や酢、熱すぎたり辛すぎたりするものは傷や口内炎にしみやすいので、あまり口にしないようにしましょう。
ワイヤーが飛び出しているとき
ワイヤーが一番奥の装置から余分に飛び出ていたり、ブラケットとワイヤーを結ぶ細めのワイヤーが飛び出ていると、粘膜にあたって痛みを感じます。
専用の道具でカットまたは調整する必要があるため、早めに歯科医院へご連絡ください。
裏側矯正で痛みが発生したときの対処法は?
裏側矯正で痛みを感じたときは、慌てずに以下の方法をお試しください。
お口のなかを温める
温かい飲み物や白湯を口に含むと、血行が良くなり痛みが和らぎます。
ワイヤー矯正の場合は、お口のなかに温度の高いものを含んでも装置に支障はありません。
マウスピース矯正の場合は、装置に温度の高いものが触れると変形する恐れがあるため、かならず装置を外して行う必要があります。
鎮痛剤を服用する
歯が動く痛みは鎮痛剤を飲むと和らぎます。
しかし、飲みすぎると胃が荒れてしまうため注意が必要です。
2回目を服用する場合は最低4時間はあけて、服用回数は1日3回までに留めましょう。
商品によって守るべき服用期間に少し差があります。安全に使用するためにも、かならず事前にご確認ください。
また、リスクを抑えるために、お口のなかを温めてみて効果が得られない場合に服用することをおすすめします。
装置を専用のワックスで覆う
専用のワックスで装置を覆うことで、装置が粘膜に直接当たらなくなり痛みが和らぎます。
傷や口内炎がすでにできている場合はもちろん、できる前に使用しても問題はありません。
当院でもワックスを利用いただけるよう、初回の処置の際にご説明をしております。
気になる方は是非お気軽にご相談ください。
歯科医院へ相談する
お口のなかは見えにくいため、痛みの原因が何なのかすぐに分からない場合もあります。
自己判断で済ませるのは悪化するリスクがあるため、痛みが強い場合や、
上記の方法を試しても解決しない場合は我慢せずに歯科医院へご相談ください。
ワイヤーが飛び出しているケースでは、ハサミなどを使用して自分で切ってはいけません。
治療に支障をきたす可能性が高いほか、怪我をする恐れもあります。絶対にやめましょう。
多少の痛みを感じても裏側矯正は受けるべき?
治療法にかぎらず多少の痛みはともなうため、裏側矯正にするかどうかはメリットとデメリットを理解したうえで決めるのがベストといえるでしょう。
裏側矯正のメリット
裏側矯正のメリットは以下のとおりです。
審美性が高い
装置が正面から見えないため、矯正治療中であることを周囲に知られにくく、笑ったときの印象がほとんど変わりません。
食べ物がつまっても目立たない
ワイヤー矯正は、装置のすき間に食べ物がつまりやすい傾向にあります。
装置が裏面につく裏側矯正は、食べ物がつまっても正面からは見えません。
その分安心して食事を楽しめるでしょう。
唇の違和感がない
唇の裏側に装置があたらないため違和感が少なく、口内炎もできにくい傾向にあります。
とくにトランペットやトロンボーンなど口に当てて音をだす楽器を扱う方には、裏側矯正がおすすめです。
ワイヤー矯正の強みを活かせる
歯を1本1本固定するワイヤー矯正は「倒れた歯をきれいに起こす」「歯の高さを維持したまま真横に動かす」「高さを調整する」といった動きが得意です。
歯を思い通りに動かせるため、ルールを守って治療を続けていれば期間が延びることはほとんどありません。
また、理想の仕上がりになりやすいのもワイヤー矯正の強みといえるでしょう。
マウスピース矯正よりもワイヤー矯正のほうが多くの症例に対応している理由でもあります。
裏側矯正のデメリット
裏側矯正のデメリットは以下のとおりです。
滑舌が悪くなりやすい
装置が舌にあたるため、慣れるまでは滑舌が悪くなる傾向にあります。
人前で話す機会の多い方や接客業をしている方は注意が必要です。
舌に傷や口内炎ができやすい
装置が舌にあたることで傷や口内炎ができることがあります。
痛みがあると無意識にその部位を避けて噛むようになるため、かみ合わせのバランスが崩れるケースも少なくありません。
表側矯正よりも費用がかかる
審美性が高く、かつワイヤー矯正の強みを活かせる裏側矯正は、表側矯正よりも設定金額が高い傾向にあります。
笑ったときに目立ちやすい上顎を裏側矯正で、目立ちにくい下顎を表側矯正で行う「ハーフリンガル矯正」であれば費用を安く抑えられますので、気になる方はご相談ください。
すべての歯科医院で受けられる治療法ではない
裏側矯正は表側矯正よりも難しい治療であり、高い知識と技術が必要です。
すべての歯科医院で受けられる治療法ではないため、これから治療を始めようとしている方や転院を考えている方には、
希望の歯科医院で裏側矯正ができるかを事前に確認しておくことをおすすめします。
裏側矯正の痛みが気になったら当院までご相談を
裏側矯正は、審美性が高く、かつワイヤー矯正の強みが活かせるため、スムーズな治療が可能な治療法です。
しかし、ほかの治療法と同じように対象の痛みは発生するため、工夫をしながら続ける必要があります。
痛みの感じ方には個人差がありますので、無理な我慢は禁物です。
おかしいなと感じたらお気軽に当院までご相談ください。