投稿日:2023.5.17
矯正治療で使うブラケットの役割と種類
こんにちは♬ 札幌キュア矯正歯科です。
当院のブログを見つけてくださりありがとうございます!
矯正治療において、ブラケットは歯を移動させるための重要な装置です。ブラケットは歯面に取り付けられ、
そこにワイヤーが通されることで、歯を徐々に理想的な位置に誘導します。
今回は、ワイヤー矯正で使われるブラケットの種類やその役割について詳しく説明します。
目次
ブラケット装置とは
ワイヤー矯正治療で使用される装置は「ブラケット」または「マルチブラケット」と呼ばれます。
通常、金属製のブラケットが使用されますが、最近では外見に配慮したプラスチックやセラミック製のものや、
歯の裏側に取り付けるリンガルブラケットも利用されています。ブラケットの中心部には、ワイヤーを通すための小さな溝である
「スロット」があります。このスロットにワイヤーを挿入し、引っ張ることで歯を徐々に移動させることができます。
ワイヤー矯正で歯が動くメカニズム
ワイヤー矯正では、歯に装着したブラケット装置にワイヤーを固定し、動かしたい方向に圧をかけることで、圧がかかった
歯の周りの歯槽骨が変化します。この圧力により、圧迫された側の歯槽骨が吸収され、その反対側には骨の再生が促されます。
この吸収と再生を利用して、歯を動かし、歯並びを整えます。この方法により、歯列の乱れを3次元的に動かし矯正することができます。ブラケット装置は、このプロセスを効果的に実現するために不可欠な矯正装置です。
ブラケット装置の役割
矯正治療のブラケット装置は、歯並びを改善し、咬み合わせを正しくするための重要な役割を果たします。
ブラケット装置は、歯の表面、または裏側に取り付けられ、力が加わることで歯を適切な位置に移動させます。
以下に、ブラケット装置の主な役割について詳しく説明します。
①歯の移動をコントロールする
ブラケットに通しているワイヤーが、歯に持続的な圧力をかけることで、歯並びの乱れを改善します。
ブラケット装置とワイヤーにより、歯の動きを細かく制御し、適切な位置に導くことができます。
②正しい噛み合わせを作る
歯列矯正の目的は、見た目だけでなく、機能的な咬み合わせの改善も含まれます。
ブラケット装置は、上下の歯が正しく咬み合うように歯を動かします。
これにより、噛み合わせが均等になり、しっかり噛めるようになります。
③審美的な改善
歯並びの改善は、口元の見た目にも大きな影響を与えます。ブラケット装置は、歯並びを整えることで、顔立ちや表情を美しくし、横顔のバランスも整えます。審美的な改善は、コンプレックスの解消になり、心理的な面でも自信が持てるようになります。
④健康な口腔環境を作る
歯が適切に並んでいないと、歯磨きが難しくなり、歯垢や歯石が付きやすくなります。
これにより、虫歯や歯周病のリスクが高まります。ブラケット装置を使って歯を正しい位置に移動させることで、歯列が整い、
お口の健康を維持することができます。
ブラケット装置の種類
ブラケット装置には素材や構造の違いなど、いくつか種類があります。以下にブラケット装置の種類についてご説明します。
①メタルブラケット
メタルブラケットは、一般的な金属製のブラケット装置です。比較的低コストで治療を受けることができ、耐久性に優れているため、
破損が少なく、治療効率が高いというメリットがあります。一方で、金属色が目立つというデメリットがあります。
②ホワイトブラケット(クリアブラケット・セラミックブラケット)
ブラケット装置は歯の表面に装着されるため、目立ちやすいという欠点があります。
ホワイトブラケットは、透明なプラスチックや白いセラミックなど、歯に近い色の素材を使用して、装着時の見た目をより
自然にすることができます。さらに、ホワイトワイヤーと併用することで、歯との統一感が生まれ、清潔感のある印象を
与えることができます。ただし、プラスチック素材のブラケットや固定に使われるゴム(モジュール)は、カレーやミートソース、
赤ワインなど色の濃い食べ物を食べると変色する可能性があります。セラミック素材のブラケットはプラスチックよりも強度があり、
変色や着色が起こりにくい特徴があります。ただし、強い力が加わると破損する可能性があり、耐久性に関しては
金属製のブラケットが最も優れています。
③リンガルブラケット
リンガルブラケットは歯の裏側に装着するブラケット装置です。
歯の裏側は形状に個人差があるため、オーダーメイドのブラケット装置を作成します。リンガルブラケットを装着するためには、
高い技術が必要であるため、費用が高くなります。口を開けても目立ちにくく、唇側にも装置の凹凸が響かないため、周囲に気づかれ
ずに歯列矯正を行うことができます。リンガルブラケットについて、詳しくはこちらもご覧ください。→裏側矯正
④セルフライゲーションブラケット(デーモンブラケット)
従来のブラケット装置はスロット(ブラケットの中央の溝)に通したアーチワイヤーを結紮線や、モジュールで固定しますが、
セルフライゲーションブラケットは、結紮線やモジュールで固定をする必要がありません。
ブラケットの構造が従来のものとは異なり、ワイヤーを固定するクリップやドアが付いています。
この構造により、ブラケットとワイヤーの摩擦が抑えられます。また、弱い力で効率良く歯を動かすことができるため、従来の矯正装置と比べて痛みが少なく、治療期間が短縮されることがあります。ただし、一般的なブラケットよりも費用が高い場合があります。
ブラケット装置を用いたワイヤー矯正のメリット
ブラケット装置を用いたワイヤー矯正のメリットは以下の3つが挙げられます。
①歴史が長い治療方法
ブラケット矯正は長い歴史を持つ治療法です。
これまでの豊富な症例数や成功事例、継続的な研究により、治療技術が進歩し、信頼性の高い治療法として確立されています。
②目立ちにくい装置も選択できる
ワイヤー矯正は、多くの人が歯の表側に金属製のブラケット装置が取り付けられているイメージを持つかもしれません。
しかし、セラミックブラケットやホワイトワイヤーなどの見た目に配慮された装置や、歯の裏側にブラケットを装着する
リンガルブラケットなども選択肢にあります。そのため、見た目を気にせずにワイヤー矯正を受けることができます。
③幅広い症例に対応できる
ブラケット装置を使用したワイヤー矯正は、軽度から重度の幅広い症例や、全体的な噛み合わせの改善にも適しています。
骨格的な問題がある場合には、ワイヤー矯正だけでは改善が難しいこともありますが、ほとんどの症例に対応できます。
ブラケット装置を用いたワイヤー矯正のデメリット
様々な症例に対応可能なワイヤー矯正ですが、デメリットもあります。
①装置の違和感
固定式の装置を装着して歯を動かすため、慣れるまで痛みや違和感を感じやすく、人によっては食事がしにくいと感じることもあります。痛みや違和感が強い場合には、矯正用ワックスを用いて装置の凸凹をカバーする方法や、装置の調整を行うなどの対処法があります。時間が経つにつれて、装置に慣れてくるでしょう。矯正治療には痛みや違和感が伴うため、歯科医師と相談しながら乗り越えることが重要です。
②目立ちにくい装置は治療費が高い
プラスチック製やセラミック製のブラケット装置は、見た目のストレスが少ないですが、金属製の装置と比べると費用が高くなります。一方、金属製のブラケットは耐久性に優れ、コストも抑えられるというメリットがありますが、歯の色と異なるため、目立ちやすいというデメリットがあります。
それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、装置の種類を選ぶことが重要です。
最後に
矯正治療において、ブラケット装置は歯の移動を効果的にコントロールするための重要な役割を果たします。
メタルブラケット、ホワイトブラケット、リンガルブラケット、セルフライゲーションブラケットなど、多様な種類があり、それぞれの特徴を理解することで、患者様のニーズや治療目的に最適な選択が可能です。症状や生活スタイル、予算に応じて最適な方法を選択することが重要です。当院では、皆様にとって最適な矯正治療を見つけるお手伝いをいたします。矯正相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
ご一読いただき、ありがとうございました^^