投稿日:2023.10.6
歯科矯正で行われるレベリングってなに?
こんにちは。札幌キュア矯正歯科です。
当院のブログを見つけてくださりありがとうございます。
「レベリング」は、歯列矯正の初期に行われる重要なプロセスです。
歯並びを整える治療の中で、まずはレベリングを通じてデコボコしている歯を平らにし、安定した土台をつくることから始まります。
この段階で、歯が徐々に並び始めることで、その後の矯正がスムーズに進むようになります。
今回は、なぜレベリングが必要なのか、また、その効果について詳しく解説します。
目次
レベリングとは
歯列矯正の4つのステップ
レベリングで改善されること・改善されないこと
①改善できること
②改善されないこと
レベリングの時に痛みはある?
矯正治療中の痛みの対処法
レベリング後の治療
まとめ
目次
レベリングとは
矯正治療の初期に、歯並びを水平に整えることを「レベリング」と呼びます。
症状によって終了までの期間には個人差がありますが、一般的には約半年から1年程度です。
ワイヤー矯正では、まず歯にブラケットを装着し、その後、細いワイヤーを通していきます。
1ヶ月ごとに来院していただき、徐々に太いワイヤーに変更することで歯が整っていきます。
時間をかけて歯並びの凸凹を平に整えていくため、2ヶ月程度で少しずつ見た目の改善が期待できます。
ただし、この工程だけでは抜歯後の歯の隙間や噛み合わせはまだ改善されていないため、犬歯や前歯の後方移動に進むための矯正治療の最初のステップとなります。
歯列矯正の4つのステップ
歯列矯正は大きく分けて4つのステージに分かれています。この中で、レベリングは矯正治療の最初のステップです。
①レベリング(歯の凸凹の水平化)
この段階では、歯列を水平に揃えるために、歯の位置を調整し、全体的な歯列の形を整えていきます。
レベリングは矯正治療を円滑に進めるために重要な役割を果たします。
②犬歯の遠心移動
犬歯遠心移動の段階では、犬歯(糸切り歯)を後方へ移動させる過程です。
この治療では、犬歯を隣接する歯に対して適切な位置に調整し、全体のバランスを取ることで、咬み合わせや歯並びを改善します。
③前歯の後方移動
犬歯が後方に移動することで、重なったり突出している前歯を後退させ、歯並びと咬み合わせバランスを整えます。
④ディテーリング(最終微調整)
ディテーリングは、治療の最終段階で行われる微調整です。
歯の位置を細かく調整し、最適な歯並びを達成するための仕上げの作業です。
この段階では、歯の見た目や咬み合わせを細かく確認し、必要に応じて調整を加えて、理想的な仕上がりに整えます。
レベリングで改善されること・改善されないこと
①改善できること
1. 歯の位置を整える
歯の高さを調整することで、咬合平面の水平化や、歯列のアーチのゆがみを取り除きます。全体的な歯並びを整えます。
2. 歯の傾斜・捻転(ねじれ)の改善
歯の高さを均一にすることで、笑顔や口元の印象が大きく変わります。
患者が求める美しさを実現するために、非常に重要なステップです。
3. 歯列のアーチのゆがみを取り除く
高さが不均一な歯は、咬合(噛み合わせ)に影響を及ぼすため、レベリングにより咬合の安定性を高めることができます。
これにより、長期的に健康な口腔環境を維持することが可能になります。
②改善されないこと
1. 抜歯してできたスペースを閉じる
レベリングによって前歯などの見える部分が整い、歯並びがきれいになったと感じるかもしれませんが、この工程では主に歯の高さを均一にし、歯列を揃える段階です。
抜歯を伴う矯正治療の場合、抜歯後のスペースが残っている状態であるため、引き続きそのスペースを活用しながら歯並びを整えていく必要があります。
2. 細かい噛み合わせの調整
レベリングでは歯並びが水平に整えられますが、上下の歯の噛み合わせや咬合の調整は不十分です。
患者様の症状に応じて噛み合わせの調整にはさらに段階的な治療が必要です。
レベリングの時に痛みはある?
痛みの感じ方には個人差があり、矯正治療中に食事が取れないほどの痛みを感じる方もいれば、ほとんど感じない方もいます。
特にレベリングの段階は、痛みを感じやすいとされています。
以下にレベリングの際に起こりやすい2種類の痛みについてご説明します。
①装置が擦れる・口内炎などの痛み
レベリングの際に装置が歯や口内の柔らかい部分に擦れて痛みを引き起こすことがあります。
これは、ブラケットやワイヤーが歯の表面や頬、舌に接触し、摩擦が生じるためです。この摩擦により口内炎や小さな傷ができることもあります。
②歯が動くことによる痛み
初めて矯正装置を装着した直後や、矯正装置の定期的な調整の際には、歯が動くことによる圧力が頻繁にかかり、持続的な痛みを感じることがあります。
治療が進むにつれて、歯が新しい位置に慣れていくため、痛みも徐々に軽減されます。
この痛みは、歯やその周囲の組織が新しい位置に適応する過程で生じる自然な反応です。
矯正治療中の痛みの対処法
①柔らかい食事
歯が動く痛みが出ている時は、硬い食べ物を避け、柔らかい食事を選ぶようにすることが重要です。
具体的には、お粥、スープ、ヨーグルト、煮込み料理、柔らかい果物や野菜(バナナや蒸した人参)などがおすすめです。
また、食事の際には、食べ物を小さく切ったり、ゆっくりと噛むことで、痛みを和らげることができます。
食事を楽しむことが難しい時期かもしれませんが、工夫をすることで栄養をしっかりと摂ることができます。
②痛み止めの使用
痛み止めを使用することも、矯正治療中の痛みを和らげる方法の一つです。
鎮痛剤を服用することで、一時的に痛みを軽減し、より快適に過ごすことができます。
歯科医院でも処方できますが、一般的に市販されている鎮痛剤を使用する場合には歯科医師に相談するようにしましょう。
③歯科用ワックス
歯科用ワックスは、矯正装置のブラケットやワイヤーが口内の柔らかい部分に接触することで生じる摩擦を軽減するために非常に効果的です。
使用方法は簡単で、清潔な手で少量のワックスを取り出し、ブラケットの周囲に貼り付けます。
これにより摩擦が軽減され、痛みが和らぎます。ワックスは食事や飲み物によって取れたり、劣化するため、こまめに交換する必要があります。
④外用薬の活用
口内炎による痛みを和らげるためには、口内炎用の軟膏を使用することで、痛みを緩和し、炎症を抑える効果があります。
これらは清潔な手で少量を患部に塗布し、痛みを軽減します。
レベリング後の治療
レベリングにより歯の高さが均一になった後、噛み合わせや歯の位置をさらに調整するために残っているスペースを閉じたり、噛み合わせを整える治療に移っていきます。
最初に犬歯(糸切り歯)を後ろに移動させた後、後方に前歯を下げていきます。前歯が下がりきると口元の印象は大きく変わります。
最終的に全体的な微調整(ディテーリング)を行い、矯正治療が完了します。歯を動かす治療が終わった後には歯並びを安定させるための保定期間に入ります。
まとめ
歯列矯正の最初に行われ、凸凹を水平に整える工程であるレベリングは、後の治療をスムーズに進めるためのベース作りとなります。
また、その後の前歯の移動や噛み合わせの調整をスムーズに進めることができます。
レベリングで水平かした後もスペースを閉じたり、噛み合わせの微調整を進めて整った歯並びに仕上げることができます。
多少の痛みを伴うこともありますが、歯並びを美しく整えるためには不可欠です。
矯正治療をスムーズに進めていくためにも、歯科医師の指示に従い、しっかりコミュニケーションを取りながら矯正を進めていくようにしましょう。
矯正治療をご検討の方は、ぜひ当院のカウンセリングへお気軽にご相談ください。
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ご一読いただき、ありがとうございました。