投稿日:2023.6.23
スポーツにおける歯並びの影響
札幌キュア矯正歯科です。
当院のブログを見つけてくださりありがとうございます。
スポーツと歯並びは一見関係がないかのように思われるかもしれませんが、じつはスポーツのパフォーマンスを上げることと、歯並びの良し悪しには密接な関係があります。
今回は「歯並びはスポーツにどう影響する?」というテーマで詳しくご説明します。
目次
スポーツに歯並びは影響する?
スポーツ選手は歯の健康を気遣い、歯並びの良い状態を意識されている方が多くいらっしゃいます。
全力でパフォーマンスを発揮するために歯の健康が重要であることが示されています。
歯並びが悪いと、しっかりと左右均等に噛むことができません。
これはスポーツをする際の運動能力を低下させる要因となることがあります。以下に詳しくご説明します。
①体のバランス感覚
噛み合わせは体のバランスに深く関係しています。
ズレている噛み合わせは噛んでいる部分の筋肉が過剰に発達し、噛んでいない部分の筋肉は衰えてしまいます。
これによって顔のゆがみを引き起こします。
さらに、顔と首の筋肉は連動しているため、筋肉のバランスが崩れると頭部が傾き、首や肩に負担がかかります。
これにより頭の重心がずれ、この全身のバランス感覚は、スポーツをする際の運動能力に悪影響を及ぼします。
全身のバランスが崩れた状態では、歯列矯正だけでは改善が難しい場合もあります。
②噛みしめる力
スポーツをする際に、ぐっと噛みしめることで力が発揮されることがあります。
しかし、噛み合わせが悪いと、歯にかかる力が一部に偏っているため、左右均等にしっかり噛むことができません。
また、一部の歯や顎に負担がかかることで、歯の損傷や顎関節症を引き起こすこともあります。
③食べ物の消化
しっかり噛めることは咀嚼機能が向上し、食事の消化を助けます。
噛み合わせが悪いと、十分に食べ物を噛み砕くことができず、消化器官に負担がかかる可能性があります。
これによって、栄養の吸収効率も悪くなるため、体の不調を感じやすくなり、運動のパフォーマンスに影響します。
③外傷のリスク
歯並びが悪いと、歯の凸凹や突出があることで、激しいスポーツをしていると、口の中に外傷が起こるリスクが高くなります。
④姿勢が悪くなる
噛み合わせが悪いと、体のバランスが崩れ、正しい姿勢を保つことが難しくなります。
スポーツにおいて、正しい姿勢やフォームを保つことが困難になり、運動能力が十分に発揮できません。
また、姿勢が悪いと筋肉の負担に偏りが生じ、一部に過度な力がかかるため、凝りや疲労が溜まりやすくなります。
歯並びや、噛み合わせが体の健康に及ぼす影響について、詳しい内容についてはこちらの記事も合わせて参考にご覧ください。
→歯並びが健康に影響を及ぼすって本当?
噛み合わせが良いことのメリット
①咀嚼機能の向上
噛み合わせが整っていると、左右均等に噛むことができ、しっかりと咀嚼することができます。
これによって消化を助け、栄養素の吸収も良くなります。
②発音が明瞭になる
良い噛み合わせは、舌の動きをスムーズにし、明瞭な発音を助けます。
特に「さ行」や「た行」の発音がクリアになり、人とのコミュニケーションが円滑になります。
③見た目のコンプレックスの解消
歯並びの見た目をコンプレックスに感じて表情が暗くなりがちです。
また、顔の輪郭にゆがみが生じ、表情が不自然になりやすいです。
整った歯並びは顔立ちを美しくさせます。
また、人とのコミュニケーションの自信を向上させ、口元のコンプレックスを感じなくなります。
④口腔内の健康維持
噛み合わせが良いと、しっかり噛むことができ、唾液の循環が良くなります。
これによって口の中の衛生環境が保たれ、虫歯や歯周病のリスクが低くなります。
⑤顎関節症の予防
噛み合わせの悪さは、顎に大きな負担をかける可能性があります。
一方で、噛み合わせが良い状態であると顎への負担が減少し、顎関節症の予防にもつながります。
⑦鼻呼吸がしやすい
本来鼻呼吸が理想的な呼吸ですが、噛み合わせが悪いことで口呼吸をしやすくなります。
整った噛み合わせは、唇を閉じやすく、鼻での呼吸がしやすくなります。
自分でできる噛み合わせのチェック方法
歯の噛み合わせには、目に見える明確な不正咬合だけでなく、目で見て分からない軽度なズレもあります。
小さなズレであっても、そのまま放置しておくと悪化する可能性があるため、定期的に自分で噛み合わせをチェックしてみましょう。
①鏡で見る
お口を「いー」の発音をする状態にして鏡を見てみましょう。
以下の状態は鏡を見ながら簡単に自分でチェックすることができます。
- 上と下の歯の真ん中の正中線がズレていないか
- 前歯にすきまが開いていないか
- 噛み合わせた時に上の歯が下の歯を3㎜以上(2/3以上)被っていないか
- 上の歯が下の歯を2〜3ミリ程度覆っているか
②奥歯でカチカチと噛んでみる
奥歯をカチカチと数回噛んでみましょう。
噛んだ時に奥歯が左右均等に当たっていることが理想ですが、一部にだけ強く当たっていたり、噛む度に当たる場所がズレたり、左右差がある場合には噛み合わせにズレがある可能性があります。
③割りばしを使う
噛み合わせをチェックするためには、割り箸を用意し、口に平行にくわえます。
割り箸が水平を保てずに斜めになっているか、奥の歯でしっかり噛めない場合、噛み合わせがずれている可能性があります。
気になる方はぜひ試してみてください。
噛み合わせの改善方法
◎ワイヤー矯正
噛み合わせは矯正治療で治すことが出来ます。
ワイヤー矯正は歴史も長く、幅広い症状に適用できる歯列矯正です。
しかし、球技や柔道などは、スポーツをしているときに口周りに衝撃が加わることで、唇や頬が装置に当たってけがをしてしまうリスクがあります。
表側ワイヤー矯正だと歯の表側に矯正装置が付いており、頬の粘膜と装置が直に接しているため、転倒や、ぶつかった時に顔に衝撃が加わることで口の中が切れてしまうリスクがあります。
ワイヤー矯正の中でも裏側矯正(舌側矯正)は歯の裏側(舌側)に装置が付き、頬や唇が装置と直接触れないためスポーツをする際にも怪我のリスクが下がります。
スポーツをする方で口の中の怪我が気になる場合には、裏側矯正(舌側矯正)がおすすめです。
◎マウスピース型矯正
マウスピース型矯正は、透明なプラスチック材質のマウスピースを使用して、歯並びを改善させます。
マウスピースは取り外しができるため、スポーツをする時に気になる時には外しておくことも可能です。
口の中にフィットする形状で、凹凸がないため、激しいスポーツでなければ装着していても怪我の心配がありません。
ただし、装着時間が不足すると治療が遅れてしまうことや、歯が後戻りを起こし、マウスピースが合わなくなってしまうこともあるため、使用方法や装着時間を守ることが重要です。
また、マウスピースを装着している間は、虫歯のリスクを避けるために、水分補給は水のみを飲んでいただく必要があります。
運動後に飲むスポーツ飲料は糖分を含んでいるため、装置を外して飲み、装着する前に歯磨きを忘れずに行うようにしましょう。
最後に
噛み合わせが悪いと、バランスよく均等に噛むことが難しくなり、片方ばかりで噛む習慣が癖になってしまうことがあります。
噛み合わせが悪化すると、顔のゆがみが生じ、頭部が傾き、体の重心がのバランスが崩れてしまう可能性があります。
体のバランスを維持するためには、噛み合わせの良さも重要な要素です。
スポーツで充分な力を発揮するためにも、噛み合わせがずれていないか一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
歯並びや噛み合わせの矯正治療をご検討の方は、お気軽にご相談ください。ご一読いただき、ありがとうございました。