投稿日:2023.9.4
歯並びによって耳鳴りが起きる?
札幌キュア矯正歯科です。
当院のブログを見つけてくださりありがとうございます。
歯並びは見た目やお口周りの問題だけではなく、全身にも影響を及ぼすということをご存じでしょうか。
その中の1つに『耳鳴り』があります。
歯並びと耳が関係しているなんて、意外だと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、歯並びと耳鳴りの関係や矯正治療などについてお話していきたいと思います。
目次
耳鳴りとは
加齢やストレス、病気などが原因で起こる症状です。
何も音がしていないのに、本人には耳の中で様々な音が聞こえている、という状態のことをいいます。
歯並びと耳鳴りはどう関係している?
歯並びが乱れていると、上下左右の歯を正常な位置で噛み合わせることができません。
そのため、物を噛もうとして片方の歯で噛んでしまうなどの癖がつきやすくなります。
1度や2度噛んだくらいで影響が生じることはありませんが、毎日継続していると顎のバランスが崩れてしまうのです。
その結果、ズレを補おうとして顎に負担をかけてしまい『顎関節症(がくかんせつしょう)』を発症してしまうことがあります。
顎関節と耳は近い位置にあるため、顎関節症になると耳にも症状が現れることがあります。
耳に何らかの原因があるケースが多いですが、歯並びが悪いために顎関節症となり耳鳴りが生じているケースもあるのです。
※歯並びと全身の健康について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
『歯並びが健康に影響を及ぼすって本当?』
https://sapporo-cure.jp/blog/%e6%ad%af%e4%b8%a6%e3%81%b3%e3%81%8c%e5%81%a5%e5%ba%b7%e3%81%ab%e5%bd%b1%e9%9f%bf%e3%82%92%e5%8f%8a%e3%81%bc%e3%81%99%e3%81%a3%e3%81%a6%e6%9c%ac%e5%bd%93%ef%bc%9f/
顎関節症が耳鳴りを引き起こす
顎関節症になると、主に以下のような症状が表れます。
・痛み
お口を開ける時に、顎関節辺りに痛みを感じます。これは、顎を動かす筋肉に痛みが生じるためです。
・お口が開かない
お口を開けようとしても、開けることができなかったり少ししか開けられない状態です。
このような症状を『開口障害(かいこうしょうがい)』といいます。
・クリック音
顎を開けたり閉じたりする時に、顎関節から「カクカク」とした音が鳴ります。
上記のような症状は、顎の関節を構成している骨や筋肉、関節円板(かんせつえんばん)や靭帯(じんたい)などに異常が生じることによって生じます。
その結果、耳に通じる神経や耳管自体を圧迫し、耳鳴りや耳の圧迫感などを引き起こすことがあるのです。
試しに下顎を少し後ろにずらしてみてください。
耳に圧迫感や「キーン」とするような感じがありませんか?これは顎に歪みが生じたために起こる現象です。
このように下顎が後にズレているような歪みがあると、耳に影響が出やすいとされています。
こんな方は注意!耳鳴りを起こしやすい歯並び
歯の並び方は人によって様々ですが、耳にまで症状が出る可能性のある歯並びとはどのようなものなのでしょうか。
ここでは、4つのタイプについてご紹介いたします。
・出っ歯
専門的には『上顎前突(じょうがくぜんとつ)』と呼ばれ、上の前歯や顎が前方に出ている状態です。
歯の位置に異常がある場合と顎に原因がある場合があります。
後者のように下顎が小さい・ズレているなど骨格的な問題があるケースでは、特に発症しやすい傾向があります。
・過蓋咬合(かがいこうごう)
噛み合わせが深く、上下の歯を噛み合わせると下の歯がほとんど見えません。
上の歯が被さることによって、下顎の動きが制限されてしまうため、顎関節に負担がかかりやすくなります。
・開咬(かいこう)
上下の歯を噛み合わせても前歯が噛み合わず、隙間が開いてしまう状態です。
『オープンバイト』とも呼ばれています。
前歯が当たらないため、噛んだ時の負担が奥歯や顎関節にかかりやすくなります。
・交叉咬合(こうさこうごう)
通常は上の歯が下の歯に被さる状態になりますが、下の歯が前に被さる形になることがあります。
これを交叉咬合といいます。
同時に前歯の中心(正中:せいちゅう)にズレが見られることも多いです。
歯並びが左右方向にズレているため、顎にアンバランスな力がかかりやすく、顎関節の位置もズレやすいでしょう。
他に歯ぎしりがあったり、アデノイド顔貌のある場合も耳鳴りに繋がることがあります。
耳鳴りの治療方法
原因が耳にあるのであれば『薬物療法・音響療法・認知行動療法』などを行うのが一般的です。
しかし歯並びや噛み合わせに原因があるのであれば、矯正治療をすることで改善されるかもしれません。
治療方法には、次のような種類があります。
矯正治療の種類
現在、広く行われている方法は次の3つです。
①ワイヤー矯正(表側矯正)
歯の表側にブラケットと呼ばれる装置をつけ、そこにワイヤーを通して歯を動かしていく方法です。
歴史のある治療法で、様々な歯並びに適応できます。
アンバランスな噛み合わせにより耳鳴りが生じている場合でも、改善を図ることが可能です。
最初の頃を除き、月に1回通院して装置の交換や調整をする必要がありますが、固定式装置のため着脱の手間がかかりません。
ただし骨格的な問題があるケースでは、歯列矯正だけでは改善が難しく、外科手術も必要となることもあります。
②裏側矯正(舌側矯正)
ワイヤー矯正と同じような装置を、歯の裏側つまり舌側に装着して行います。
「矯正中に装置が見えるのが気になる」「装置を目立たせずに歯列矯正をしたい」など、審美性を重視する方に向いているでしょう。
治療期間や通院間隔などは、表側に装置をつけた場合と基本的には同じくらいです。
ただし、表側矯正よりも歯科医師の経験や技術が求められる難しい方法のため、治療を提供している歯科医院は限られます。
歯列矯正は行っていても「裏側矯正はしていません」という医院も少なくありませんので、裏側矯正をお考えの際には事前に歯科医院のリサーチをしっかりしましょう。
③マウスピース矯正
透明なマウスピース型の装置を使う方法です。
少しずつ歯を動かした状態を想定して作製されたマウスピースを、順番に装着することで歯を動かしていきます。
装置が目立たず、審美的に優れていることから興味を持たれる方も多くいらっしゃいます。
ご自分で取り外しも可能なため、食事制限や歯磨きがしにくいなどの問題もありません。
しかし、ワイヤー矯正と比べると適応できるケースが限られます。
また、ご自分で歯科医師の指示通りに装置をつけたり交換したりできないと、歯が動かず治療の失敗に繋がります。
きちんと自己管理できるかどうかが重要です。
上記のように、歯列矯正には様々な方法があります。
どの方法が良いのか迷ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、最後まで継続できるかどうかという点も非常に大切です。
ご自分のライフスタイルや歯並びの状態に合うような方法を選ぶようにしましょう。
歯並びと耳鳴りにお困りの方は一度ご相談ください
今回は、歯並びと耳鳴りの関係や歯列矯正などについてお話しました。
「歯と耳が関係しているなんて、思いもしなかった」という方も少なくないと思います。
もし耳鳴りがある場合は、耳の病気からきているかもしれないため、まずは耳鼻咽喉科に相談してみてください。
それでも改善が見込めず、歯の並び方も乱れているという場合は、原因が歯にある可能性も考えられます。
お困りの際は、ぜひ一度札幌キュア矯正歯科のカウンセリングにいらしてくださいね。
また、日頃から左右均等に噛むようにするなど、噛み合わせにズレを生じさせないように気をつけることも大切です。
健康なお口や身体を保てるよう、生活習慣から見直していきましょう。
ご一読いただき、ありがとうございました。