投稿日:2025.11.25
歯並びと第一印象の関係|見た目だけではない心の変化とは
歯並びは、見た目の問題だけではありません。実際には「心理状態」「他者に与える印象」までも左右する要素です。
本記事では、歯並びが笑顔や第一印象にどのような影響を及ぼすのか、
また矯正によってどのような心理変化が起こりうるかを、専門的な観点から解説します。
目次
歯並びが人に与える印象
歯並びは、第一印象を大きく左右するポイントのひとつです。
特に欧米ではその傾向が強く見られますが、最近は日本でも口元への意識が高まりつつあります。
印象に影響を与える理由としてよく挙げられるのが、
人と会ったときに視線が集まりやすいのが「目元」と「口元」であるということ。

このことから、歯並びが整っているかどうかが、清潔感や信頼感といった印象にもつながりやすいのです。
こうした背景を反映するように、成人矯正を受けた方を対象とした研究 では、
「歯並び」や「顔の印象」が気になることが治療を始める主な理由となっており、
こうした見た目の悩みを抱えている人ほど、
見た目が原因で感じるストレスや人間関係への影響が大きい傾向があることが示されています。
つまり、歯並びは他者に与える印象だけでなく、自分自身の心理面にも関連していることも多いということです。
もちろん、歯並びだけですべてが決まるわけではありませんが、
綺麗な歯並びは相手に安心感や信頼感を与えるひとつの要素になり得ます。
SNS がもたらした意識の変化
近年、成人の間で矯正治療への関心が高まっている背景には、 SNS の影響も大きく関わっています。
スマートフォンの普及により、写真や動画を撮影・共有する機会が増え、自分自身の顔や口元を客観的に見ること、
さらに不特定多数の人の顔や口元を見ることも以前より日常的になりました。
こうした環境の中で、「歯並びが整っている人は印象がいい」「口元がきれい=美意識が高い」と感じる人が増え、
歯並びへの関心がこれまで以上に高まっているのです。

笑顔を支える筋肉と、口角バランスの関係
自然な笑顔には、表情筋のバランスの取れた動きが欠かせません。
特に、口角が左右対称に引き上がるかどうかは、笑顔の印象に大きく影響します。
笑顔に関わる主な筋肉は次の 3 つです。
・ 大頬骨筋・小頬骨筋:口角を斜め上方向に引き上げる筋肉。笑ったときに頬を引き上げる動きをします。
・ 口角挙筋:口角を横方向に引っ張る筋肉で、にっこりとした笑顔を作るのに欠かせません。
・ 口輪筋:口の周囲を囲む筋肉で、唇の開閉や表情の調整に関わります。

これらの筋肉がスムーズに働くことで、自然で魅力的な笑顔が生まれます。
しかし、「片側だけで笑う」「唇を強く閉じる」「歯を見せないように意識する」といった表情の癖があると、
筋肉の使い方に偏りが出て、笑顔が引きつったり不自然に見えたりすることがあります。
さらに、歯並びに乱れがあると表情筋がうまく使えず、筋肉の緊張や左右差を引き起こす原因になることも。
つまり、歯並びの状態が笑顔のバランスに影響する可能性があるのです。
矯正後に「表情が明るくなった」と感じる理由
矯正治療を終えた方からは、「笑顔が自然になった」「表情が柔らかくなった」といった変化を実感する声が多く聞かれます。
こうした変化の背景には、口元の物理的な動きやすさと、心理的な開放感の両方が関係しています。
口元が自由に動くようになる変化
歯並びが整うと、歯の凸凹や傾きがなくなることで、笑ったときに唇が歯に引っかかる感覚も減り、
唇や頬の筋肉がスムーズに動いて自然と口角を引き上げやすくなります。
また、噛み合わせが改善され、顎の関節や周囲の筋肉への余計な負担が軽減した結果、
無理のないリラックスした表情が生まれやすくなるのです。
コンプレックス解消による気持ちの変化
もうひとつの大きな変化は、心理的なブレーキが外れることです。
長年、「歯を見せて笑いたくない」「写真に写る口元が気になる」といった思いを抱えていると、
人前で笑うことそのものにためらいが生まれます。
たとえば、
・ 会話中に口元を手で隠す
・ 写真では絶対に歯を見せない
・ 相手の視線が口元に向くだけで不安になる
といった行動が、いつの間にか習慣化しているケースも。

しかし、矯正によって歯並びが整うと、そうした「見られたくない」という感覚が和らぎます。
このような安心感が自信のある笑顔に繋がり、自然と表情が明るくなっていくのです。
カウンセリングの重要性と心境の変化
成人矯正を検討される方の多くは、初回カウンセリングの時点で「口元に自信が持てない」「人前で自然に笑えない」といった、
長年のコンプレックスを抱えて来院されます。
たとえば、
「昔から歯並びが気になって、笑うときはいつも手で口を隠していた」
「就活の面接や結婚式など、大事な場面でも思い切り笑えなかった」
といった声は、実際のカウンセリングでもよく聞かれるお悩みです。
しかし、お話を伺い、今の状態や治療の選択肢を丁寧にお伝えする中で、「矯正=大がかりで不安なもの」というイメージが和らぎ、
「これなら自分にもできるかも」 と前向きな気持ちになる方も少なくありません。

札幌キュア矯正⻭科では治療はもちろんですが、まず不安や迷いを安心へと変えるカウンセリングを大切にしています。
「どのようになりたいか」「何を改善したいか」「治療にあたってどんな不安があるか」といったお気持ちを伺いながら、
治療のゴールを一緒に考えていきます。
矯正治療は、ただ歯を動かすだけのものではありません。
患者様の気持ちに寄り添いながら、その人本来の笑顔と自信を引き出していくプロセスだと、私たちは考えています。
笑顔づくりのトレーニング
矯正治療で歯並びという土台は整っても、すぐに理想の笑顔に変貌するわけではありません。
特に、長期間マスクを装着していた方などは、表情筋(笑顔筋)が使われにくくなっている可能性があります。
写真撮影の際にも自信を持って笑えるようになるためにも、ぜひ「笑顔の筋肉トレーニング」を取り入れて実践してみましょう。

自宅でできる 3 つの笑顔筋トレ
1. 「ウ・イ」体操
「ウー」で唇を前に突き出し、「イー」で口角を左右にしっかり引きます。 10 回繰り返しましょう。
2. 口角リフト
鏡を見ながら、口角を左右均等に引き上げて 10 秒キープ。ゆっくり戻す。これを 5 回ほど。
3. 割り箸トレーニング
割り箸を唇だけでくわえた状態で「イー」と発音するように口角を上げ、 30 秒キープ。数セット行いましょう。
歯並びが整ったあとは、表情筋を動かすことで笑顔に自然な柔らかさが出てきます。
毎日コツコツ続けることで、自信をもって笑えるようになっていくはずです。

“自身 ”が続く歯並び維持のための習慣
矯正治療は、装置を外して終わりではありません。
治療後、歯は元の位置に戻ろうとする力が働くため、何もしなければ少しずつ後戻りが起こります。
そうならないために必要なのが、「リテーナー(保定装置)」の使用です。
リテーナーには、透明で取り外しができるタイプや、歯の裏側にワイヤーを固定するタイプなどがあり、
使用方法はお一人おひとりの治療内容やライフスタイルによって異なります。
歯科医師の指示のもと、特に治療終了から 1~2 年ほどの間は決められた時間しっかり装着し、歯を安定させることが大切です。
治療後はリテーナーだけでなく、下記のような日常のちょっとした癖や生活習慣にも注意して 、綺麗な歯並びを維持しましょう。

・リテーナーを正しく装着する
・舌の位置を正しく保つ(上顎に軽く触れる)
・口呼吸を避け、鼻呼吸を習慣にする
・頬杖やうつ伏せ寝をやめる
・毎日の歯磨きを丁寧に行う
・歯科医院で定期的にチェックを受ける
まとめ【見た目と心を整える矯正治療】
歯並びが第一印象や笑顔に与える影響は、単なる見た目の問題にとどまりません。
整った歯並びは、清潔感や健康的な印象を与えるだけでなく、自信に繋がることで心理的な面にも良い影響が期待できます。
口元にコンプレックスを感じている、歯並びが原因でご自身の笑顔に自信がないといった方は 、
ぜひ一度当院のカウンセリングをご利用ください。
現在の歯並びや骨格の状態を丁寧に確認し 、ライフスタイルに合った治療方法をご提案させていただきます。
もちろん、無理に治療を勧めることはありませんので、まずはご自身の状態を知るきっかけとして、お気軽にご相談くださいね。




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