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ブログ

投稿日:2023.10.25

市販のマウスピースで歯列矯正できる?その危険性と歯科治療との違い

こんにちは^^札幌キュア矯正歯科です♪
当院のブログを見つけてくださりありがとうございます。

「歯並びをキレイにしたいけど、歯科医院での矯正は高そう 」
「ドラッグストアで見かけた市販のマウスピースなら、安く手軽に治せるかも?」
歯列矯正に関心をお持ちの方が、通販サイトや薬局で市販のマウスピースを見つけて、
このように考えるお気持ちは非常によく分かります。費用を抑えたい、手軽に始めたい、
という
思いは当然のことです。

しかし、まず結論からお伝えすると、市販のマウスピースを使ってご自身で歯列矯正を行うことはできません。
効果が期待できないだけでなく、歯並びや口内の健康を損なう大変危険
な行為です。
この記事では、なぜ市販のマウスピースで歯列矯正ができないのか、自己流の矯正がもたら
す深刻なリスク、
歯科医院で行う「マウスピース型矯正」との決定的な違いについて解説し
ます。

市販のマウスピースとは?

結論からお伝えすると、残念ながら市販のマウスピースで歯列矯正をすることは極めて困難であり、効果はほとんどありません。
市販されているマウスピースと歯列矯正に用いるマウスピースは、見た目は似ていても目的も構造も全くの別物。
市販のマウスピースは、以下のように歯を「保護する」ことを目的と
しており、「動かす」ための設計にはなっていません。

1.歯ぎしり・食いしばり用

マウスピース矯正 インビザライン矯正

歯ぎしりや食いしばりなどのことを「ブラキシズム」といいます。
ブラキシズムは、自分の体重以上の非常に強い力で歯をすり減らしたり、欠けさせたりする原因になります。
こうした力から歯を守るのが、「ナイトガード」と呼ばれるマウスピースです。
歯と歯の間にクッションとして挟まることで、歯へのダメージを和らげます。

2.スポーツ用

スポーツをするにあたって、怪我は避けられません。対戦相手やボールとぶつかった衝撃で、歯が欠けてしまうこともあります。
スポーツ用のマウスピースは、厚みのある素材でできており、こうした強い衝撃から歯や顎、口内を保護します。
他のものと区別するために「マウスガード」「スポーツマウスピース」などと呼ばれていることが多いです。

3.いびき防止用

一部のマウスピースは、睡眠中に装着することで下顎を少し前に出した状態に固定し、
気道を広げていびきを緩和する目的で作られています。
上記のように、市販のものは歯列矯正を目的としておらず、歯を守ったりいびきを緩和したりするために用いられます。

市販のマウスピースで矯正はできない理由

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市販品は歯を「保護」するものであり、矯正を目的としていないことはご理解いただけたかと思います。
では、なぜ矯正が「できない」と言い切れるのでしょうか。それには明確な理由があります。

マウスピースの適合性が低い

市販品は、既製品であるか、ご自身でお湯を使って歯型を採る簡易的なタイプがほとんどでしょう。
一見フィットしているように感じられても、歯とマウスピースの間には、目に見えないほどの隙間ができてしまいます。
この状態で使用を続けると、唾液や食べかすが隙間に溜まり、虫歯や歯周病菌の温床になってしまうリスクがあるのです。
歯科医院で作製する矯正用マウスピースは、3Dスキャンデータをもとに、歯に0.1mm以下の単位で適合するように作られます。
この精度がなければ、歯を計画通りに動かすことはできません。

治療計画の立案・調整ができない

歯列矯正は、スタートからゴールまでを見据えた治療計画がなければ絶対に成功しません。
歯科医院では、レントゲンや3Dスキャンで骨格レベルから歯の状態を分析し、どの歯をどの順番で動かすか計画を立てます。
また、歯の動き方には個人差があるため、治療の途中で歯科医師が進行状況を確認し、計画を微調整することも欠かせません。
市販品では、こうした治療の根幹をなす計画立案や経過観察が一切行われないのです。

かえって悪化する

不適切な力が歯にかかり続けると、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。

  • 歯が予期せぬ方向に傾き、歯並びや噛み合わせが悪化する
  • 歯の根が溶けて短くなる歯根吸収が起こり、歯の寿命が縮む
  • 歯ぐきが下がる歯肉退縮を引き起こす
  • 最悪の場合、歯がグラグラになり抜け落ちてしまう

歯並びを良くしようとした結果、歯そのものを失っては本末転倒です。
矯正用マウスピースは、歯を計画的に「動かす」ために、オーダーメイドされる医療機器です。
歯の移動を緻密にコントロールできるよう、部位によって厚みや硬さが計算されており、市販のマウスピースと根本的に異なります。

歯科医院と市販のマウスピースは何が違う?

マウスピース矯正 MP マウスピース

歯科医院のマウスピース矯正と市販の違いは、安全で確実な治療結果を出すための
「設計図」と「専門家の管理」があるかどうかの違いに他なりません。

オーダーメイドの装置を作製できる

歯科医院での矯正治療は、まずレントゲン撮影や口腔内3Dスキャンを行い、歯だけでなく、顎の骨の形や大きさ、
歯の根の状態までを詳細に分析することから始まります。
また、治療開始から完了までの歯の動きを立体的なシミュレーション映像で確認することも可能です。
その計画に沿って、歯根や歯ぐきに過度な負担をかけないよう計算されたオーダーメイドのマウスピースが作製されます。
これにより、計画通りに安全かつ正確な力を歯に加えることができるのです。

治療中の管理・調整を行ってくれる

矯正治療は、装置をつけたら終わりではありません。
治療期間中は計画通りに歯が動いているか、予期せぬ問題が起きていないかを矯正歯科医が定期的にチェックし、管理・調整します。
万が一トラブルが起きても、すぐに対応できる安心感は市販品には決してありません。

矯正治療を専門とする歯科医師が対応してくれる

歯列矯正は、歯科医療の中でも特に専門性が高い分野です。
矯正治療を専門とする歯科医師は、歯を動かす知識や技術はもちろん、
顎の関節や骨格、顔全体のバランスまでを考慮して治療を進めます。
また、日本矯正歯科学会には、一定の基準を満たした歯科医師に与えられる「認定医」制度もあり、
歯科医院を選ぶ際の一つの目安になります。
見た目の美しさだけでなく、正しい噛み合わせという機能面まで追求できるのは、専門医ならではと言えるでしょう。

なぜ矯正治療には費用がかかるの?

「市販品は数千円なのに、歯科医院の矯正は何十万円もするのはなぜ?」
という価格差に、疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、矯正治療の費用について紹介します。

矯正治療費の主な内訳

まず前提として、日本の歯科矯正は、機能改善だけでなく見た目を整える審美的な側面も大きいことから、
原則として公的医療保険が適用されない「自由診療」となります。
そのため、費用は歯科医院が独自に設定しており、一律ではありません。
一般的に、治療費には以下のような費用がかかります。

  • カウンセリング・相談料
  • 精密検査・診断料:レントゲンや3Dスキャン、治療計画の立案費用です。
  • 装置料:マウスピースやワイヤーなど、矯正装置そのものの費用です。
  • 処置料・調整料:通院ごとに発生する装置の調整や診察の費用です。

費用負担を軽減する支払い方法

高額に感じられる治療費ですが、すぐにまとまった費用を用意できなくても治療を始められるよう、
多くの歯科医院では様々な支払い方法に対応しています。

  • デンタルローン:歯科治療専門のローンを利用し、月々無理のない範囲で分割払いが可能です。
  • 院内分割:歯科医院が独自に設定している分割払いの制度です。金利の有無などは歯科医院によって異なります。
  • 医療費控除:1年間で支払った医療費が10万円を超えた場合、確定申告を行うことで所得税の一部が還付される制度です。
    噛み合わせの改善など、機能的な問題を解決することが目的の矯正治療は、医療費控除の対象となる可能性があります。

費用に関するご不安や疑問は、誰にでもあるものです。カウンセリングで遠慮なくご相談ください。

自己判断での矯正は危険!

NG ダメ 危険

ここまでお読みいただき、自己判断での矯正がいかに危険かお分かりいただけたかと思います。
それでも、マウスピースが市販されていると、自分で手軽に矯正することも可能なのではないかと
思ってしまう方もいるかもしれません。
しかし、見た目は少しのガタガタでも、その原因は奥歯の噛み合わせや、顎の骨格にあるかもしれません。
歯は、親知らずを除いて上下28本が互いに支え合い、精巧なバランスで「咬合(こうごう)」という噛み合わせを形作っています。
前歯だけを自己流で動かすと、全体の噛み合わせが崩れてしまう危険性が非常に高いです。
どんなに小さなズレに見えても、自己判断は絶対に避けてください。
そもそも矯正治療は、専門的な知識や技術が必要で、歯科医師であっても誰でもできるわけではないのです。

また、矯正治療は決して安価な治療ではありません。しかしそれにはきちんと理由があるのです。
理想の歯並びがあるのであれば、ぜひ歯科医院での「マウスピース型矯正」を検討してみてください。
多くの歯科医院では、治療を始める前に専門家へ相談できる機会を設けています。
ご自身の歯の状態を知り、治療方法や期間、費用について詳しい説明を聞くこともできます。

安全に矯正したいなら専門医院へ相談を

今回は、市販されているマウスピースに歯列矯正の効果があるのかについてお話しました。
歯列矯正は専門的な知識や技術が必要な治療のため、市販のものを用いて独自の判断で矯正しようとすることは大変危険です。
費用を抑えたいというお気持ちは痛いほど分かります。
しかし、間違った方法であなたの大切な歯と健康を失ってしまっては、治療費以上の大きな代償を払うことになりかねません。
もし費用面でのご心配や「私も歯並びをキレイにできる?」「矯正するとしたら、私の場合はどうなるの?」など
気になることがございましたら、ぜひ一度、札幌キュア矯正歯科のカウンセリングにお越しください。
カウンセリングのご予約はこちらから。

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