投稿日:2023.6.28
「口呼吸は歯並びを悪くする!?口呼吸が噛み合わせに与える影響とは」
こんにちは!札幌キュア矯正歯科です。
当院のブログを見つけてくださりありがとうございます!
「鼻で息がしづらく、気づけば口が開いている」「口の中がよく乾いている」と感じる方は、口呼吸をしているかもしれません。
口呼吸は口腔内の環境を悪化させ、体の健康にも影響を及ぼすことがあります。
今回は「口呼吸と噛み合わせの関係」についてご説明します。
目次
鼻呼吸と口呼吸はどう違う?
ふとした時にお口が「ぽかん」と開いていることはありませんか?
日常的に口が開いたままになっている方は、無意識に口呼吸が習慣になっている可能性が高いです。
本来、呼吸は口を閉じて鼻呼吸するのが理想とされています。
「呼吸ができれば問題ないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、口呼吸を続けていると、歯並びの乱れや、虫歯、歯周病のリスクが高くなるなどの口腔環境の問題を引き起こすだけでなく、睡眠時無呼吸症候群などの全身の健康リスクも高まる可能性があります。
口呼吸と歯並びの関係性
口呼吸と歯並びは、密接な関係があります。
口呼吸が原因で歯並びが悪くなることもありますし、歯並びが悪いことで口呼吸が習慣化されてしまうこともあります。
そのため、口呼吸をしないことで歯並びの悪化を防ぐことができ、歯並びを改善することで口呼吸も改善させることができる場合があります。
例えば、幼少期の指しゃぶりなど、口呼吸が習慣化してしまった原因と、歯並びを悪化させた原因が同じである場合もあります。
口呼吸が歯並びを悪くする理由
口周りの筋肉のバランスは歯並びに大きく影響します。
口呼吸により口が長時間開いた状態が続くと、口周りの筋肉が衰えてしまいます。
頬や舌、唇の筋肉の圧力を保つことで、歯は正常な位置を維持できますが、口呼吸の習慣が筋肉のバランスを崩し、歯並びを悪くすることがあります。
舌が裏側から歯を押す力と頬や唇で外側から押さえる力が働き、歯列が綺麗なアーチ型に並ぶ一助になっています。
口をポカンと開けていたり、舌が筋力不足でだらんと下がっていると、筋肉のバランスが崩れてしまうことで出っ歯、すきっ歯、受け口、歯並びの凸凹とした乱れなどの歯列不正を引き起こしてしまいます。
さらに、歯並びの悪化だけでなく、成長期の子どもにとって口呼吸は正しい発育を妨げる原因にもなります。
口呼吸がもたらす口腔トラブル
①虫歯や歯周病のリスクが高くなる
口呼吸により、唾液が減少することで、汚れを洗い流す自浄作用や細菌の増殖を抑える抗菌作用、口の中のPhバランスを中和する緩衝作用などの、虫歯や歯周病を予防してくれる唾液の作用が低下してしまいます。
②口臭が悪化する
唾液の循環が悪くなると、口の中の細菌が増殖しやすくなるため、口臭が悪化しやすくなります。
③ドライマウスになってしまう
口の中が常に乾いていることでドライマウスの状態になり、唾液の量が減ってしまいます。
口の中のネバネバとした状態は不快感があり、舌の痛みや食べ物を飲み込みづらくなるなどの症状が生じます。
④顔のゆがみや口元のたるみ
口呼吸が習慣になることで、唇周辺の口輪筋が衰えて頬や顎まわりがたるみ、顔の輪郭がゆがんでしまうことがあります。
また、口輪筋の衰えで下がった口角になり、口元の表情が不自然になってしまうことがあります。
口呼吸と全身への健康リスク
①感染症にかかりやすくなる
鼻呼吸は、外気を体内に取り入れる際に、鼻を通して加湿され、異物やウイルスを除去するフィルターのような役割を果たします。
一方、口呼吸は口からダイレクトに外気が取り込まれるため、ウイルスや細菌などが侵入しやすくなります。
その結果、感染症にかかりやすくなります。
②集中力の低下
口呼吸は鼻呼吸に比べて体内に取り込む酸素の量が少なくなるため、酸素の供給が悪くなり、集中力の低下を招くと言われています。
③睡眠の質の低下
口呼吸は、いびきをかきやすくなる傾向があります。
いびきが悪化すると、睡眠時無呼吸症候群を引き起こし、睡眠の質が低下します。
その結果、日中の眠気や生活習慣病のリスクが高まる可能性があります。
舌のポジションと口呼吸の関係性
◎口呼吸は「低位舌」になりやすい
口呼吸を続けていると、舌の筋力が低下して安静時に舌が下顎に落ちてしまうことがあり、この状態を低位舌(ていいぜつ)と呼びます。
低位舌は、本来あるべき舌の位置ではないため、舌が前歯を押してしまったり、上顎の劣成長の原因となるため、歯並びが乱れやすくなります。
また、睡眠時のいびきの発生にも繋がるため、注意が必要です。
◎舌があるべき理想的な位置は?
舌の理想的な位置は、上顎の口蓋(こうがい)にくっついている状態です。
さらに、舌の先が上の前歯のわずかに後ろに位置する「スポット」と呼ばれる場所に当たっている状態が良いとされています(下図参照)。
口呼吸を改善する対処法
①歯並びを矯正治療で改善する
歯並びの乱れによって唇が閉じにくくなっていることで口呼吸が発生してる場合は、矯正治療で歯並びを整えることで口呼吸が改善することがあります。
固定式のワイヤー矯正や、取り外しができるマウスピース型矯正などがあります。
歯科医師と相談し、精密検査の診断のもと、ご自身の症状や日常生活に合った治療方法を選ぶことが重要です。
②口周りのトレーニングをする
口周りの筋肉を鍛えて、筋力の衰えを改善することでしっかり口を閉じられるようになります。
いつでも簡単に実践できる「あいうべ体操」を以下に紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
また、矯正歯科でも、専門的な口周りのトレーニングを受けることができます。
どうしても改善が難しい場合にはいつでもご相談ください。
③長引く鼻炎がある場合は治療する
長引くアレルギー性鼻炎や鼻の疾患が原因で鼻詰まりを起こし、口呼吸をしている場合は、耳鼻科の受診が必要となることもあります。
自宅でもできる「あいうべ体操」で口呼吸を改善
口周りの筋肉を鍛え、自宅で簡単にできる口呼吸の改善トレーニングとして、「あいうべ体操」というトレーニングがあります。
以下の4つのステップで始めてみましょう。
①「あ~」と大きく口を開く
②「い~」と横方向に口を広げる
③「う~」と前方へ唇を突き出す
④「べ~」と舌を顎先に向かって下方向に伸ばす
この①〜④の動きを1セットとして、1日に30回程度繰り返すというものです。
「あいうべ体操」を続けることで、自然に口を閉じる習慣が身につき、舌の位置も改善されるため、口呼吸を鼻呼吸に変えることができます。
家事をしている時、通勤時間、お風呂のリラックスタイムなど、気がついた時にぜひ試してみてください。
最後に
口呼吸は歯並びや口内環境の悪化を招くだけでなく、風邪をひきやすくなることや、いびきをかきやすくなるなど、全身の健康にも影響があります。
口呼吸の習慣は、口周りの筋肉の筋力を低下させ、舌の位置が悪くなることや、口を閉じる筋力が衰えることで歯並びの悪化を招きます。
また、歯列不正は矯正治療で改善することができますが、矯正治療後も、口呼吸の習慣が続いてしまうと、時間をかけて整えた歯並びが後戻りする原因になることもあります。
口呼吸をしているかもと自覚することがあれば、意識して鼻呼吸に切り替えるようにしましょう。
口呼吸になりやすい出っ歯や受け口が気になっている方は、お気軽に初回カウンセリングへお越しください。
ご一読いただき、ありがとうございました。