投稿日:2023.10.11
受け口が影響?睡眠時無呼吸症候群との関係
こんにちは。札幌キュア矯正歯科です。
「受け口」とは、下の歯が上の歯より前に出ている噛み合わせの状態で、「下顎前突」とも呼ばれます。
受け口は見た目の問題があるだけでなく、「睡眠時無呼吸症候群」のリスクがあることをご存知でしょうか?
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に繰り返し浅い呼吸や呼吸の停止が生じることで、睡眠の質が低下します。
この状態が続くと、日中の眠気や集中力の低下など、日常生活に支障がでるだけでなく、全身の健康リスクも高まるため、
早期の診断と治療が重要です。
今回は、受け口がどのように睡眠時無呼吸症候群と関連するのか、またその影響について詳しくご説明します。
目次
睡眠時無呼吸症候群ってどんな病気?発症しやすい人の特徴とは
睡眠中に呼吸の停止や浅い呼吸が繰り返されることで、体が低酸素になる状態が「睡眠時無呼吸症候群」です。
この症状が続くと心臓病や高血圧、糖尿病の合併症のリスクが高まるため、全身の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
発症しやすい人の特徴としては、肥満体系で首周りや舌に脂肪がついている方や、痩せている方でも、顎が小さい方や歯並びが
悪い方にも起こりやすいです。また、女性よりも男性に多い傾向があり、特に40〜50代に多く見られます。
他にも飲酒や喫煙などの生活習慣が原因になっていることや、鼻炎による口呼吸の習慣化などが影響することもあります。
睡眠時無呼吸症候群の症状とは
①いびきをかく
睡眠時のいびきは典型的な症状の一つで、特に大きないびきが継続的に見られる場合は要注意です。
いびきは気道の閉塞を示すサインとなることがあります。
②無呼吸と断続的な呼吸
睡眠中に10秒以上呼吸が止まる無呼吸が5回以上/時間に発生するのが特徴です。
また、断続的な呼吸や息が詰まるような動きが見られることもあります。
③日中の強い眠気や疲労感
睡眠が妨げられ、十分に休めていない感覚が残ります。
そのため、昼間の強い眠気、集中力の低下、倦怠感などが現れ、仕事や車の運転に支障をきたすことも少なくありません。
④起床時の頭痛や喉の渇き
酸素不足により血流や脳に影響が出やすく、起床時に頭痛を感じることがあります。
また、口呼吸が多くなるため、朝の起床時にのどが渇くことも特徴の一つです。
⑤頻尿
無呼吸や低呼吸によって血中の酸素濃度が不足すると血圧や心拍数が上昇して交感神経が優位になり、尿意を感じやすくなり、
睡眠中の無呼吸が原因で夜間に何度も目が覚め、トイレに行く回数が増えることがあります。
睡眠時無呼吸症候群・セルフチェック診断
普段からいびきがあると言われている方は、一度セルフチェック診断で確認してみましょう。
以下の項目にひとつでも当てはまる場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
早めに医療機関を受診することをおすすめします。
・いびきをかいている
・睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されることがある
・日中に疲労感や強い眠気がある
・全身疾患がある(糖尿病、高血圧、心臓病など)
・肥満体型
・夜中に何度も息苦しくて目が覚める
・夜中にトイレに起きる回数が多い
・寝起きに口が乾いている
上下の歯が反対になる「受け口」とは?
受け口とは、下の前歯が上の前歯より前に出た噛み合わせの状態を指し、「下顎前突」や「反対咬合」とも呼ばれます。
この状態では、しゃくれた口元が目立ちやすく、見た目にコンプレックスを抱える方も少なくありません。
噛み合わせがずれているため、発音や食事の際の咀嚼に影響が出ることがあり、奥歯や顎にも負担がかかりやすくなります。
また、口呼吸になりやすく、舌や顔周りの筋力の低下による舌の位置の異常や、顔のゆがみなども起こりやすくなります。
さらに、ドライマウスの影響で虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性もあります。
受け口になってしまう原因
①遺伝的要因
受け口は、親から遺伝することがあり、両親のどちらかが受け口の場合、骨格の発達や歯並びなどが似ることから、
子どももその噛み合わせを引き継ぐ可能性があります。
②習慣や癖による影響
歯は、外部から特定の方向に持続的な力が加わることで、たとえ一度の力が弱くても、少しずつ歯並びがずれることがあります。
日常的に以下のような習慣が続くと、顎の位置や歯並びに影響を及ぼし、受け口が起こりやすくなります。
- 指しゃぶり
- 舌で下の前歯を押し続ける
- 顎を前に突き出す癖
- 下唇をかむ癖
- 口呼吸
受け口と睡眠時無呼吸症候群の関係
歯並びと無呼吸には関係がないように思えるかもしれませんが、実は受け口が原因で「低位舌」や「口呼吸」が習慣化すると、
睡眠中の呼吸が妨げられることがあります。受け口の状態では、下顎が前に出ているため、空気の通り道が狭くなりやすく、
特に低位舌が伴うと、仰向けで眠った際に舌が奥へ下がって気道がふさがれ、さらに狭くなることがあります。
舌はどこにあるのが正解?
普段、舌の位置を意識したことはありますか?実は、舌の位置は歯並び、いびき、さらには睡眠時無呼吸症候群のリスクとも
深く関係しています。舌を正しい位置に保つことは、口腔内や全身の健康維持にとても大切です。
日常生活の中で、舌の位置を確認し、意識して適切な位置に戻す習慣を身につけることが大切です。
以下の項目を参考に、どこに舌があるのかを確認してみましょう。
◎舌の理想的な位置
舌全体が上顎に接していることが理想的とされ、特に舌先が「スポット」と呼ばれる前歯の少し後ろの膨らみに触れていることが
重要です。この位置を保つことで、舌が歯を押して歯並びに悪影響を与えたり、寝ている際に気道が狭くなるのを防ぐことができます。
◎間違った舌の位置
舌が下がりすぎたり、前方に出たりしているとさまざまな問題が発生する可能性があります。
この状態は「低位舌」と呼ばれ、下顎の発達が過剰になることや、下の前歯を押す力が加わるため、
受け口の状態になることがあります。さらに、低位舌は放置しておくと口呼吸が習慣化し、気道が狭くなるため、いびきや
無呼吸を引き起こすリスクが増加します。
低位舌の方は、舌の側面に歯の型が付いていることがあるため、舌の状態を鏡でチェックしてみましょう。
受け口と睡眠時無呼吸症候群の対策
①歯列矯正
受け口が原因で気道が狭くなっている場合、歯列矯正によって下顎の位置や噛み合わせを整えることで、
気道を広げることが可能です。歯列矯正では、マウスピース型矯正やワイヤー矯正で歯の並びや位置を少しずつ改善し、
噛み合わせのバランスをとることができます。
②口腔筋機能療法
口腔筋機能療法(MFT)は、口や舌の筋肉を鍛えるトレーニングで、噛み合わせや舌の位置、飲み込み方の改善を目指します。
舌の筋肉が緩むことで気道が塞がれるケースが多いため、舌や口周りの筋力を強化することで気道が確保しやすくなります。
MFTは矯正歯科の歯科医師の指導のもとで行うのが効果的です。
③生活習慣の見直し
睡眠時無呼吸症候群の症状を軽減するには、生活習慣の見直しも重要です。
特に、肥満はリスクを高めるため、適度な運動やバランスの取れた食事で体重管理を行う必要があります。
また、アルコールは筋肉を緩めて気道がふさがりやすくなるため、飲酒を控えることも効果的です。
まとめ
口呼吸や、舌が低い位置にある低位舌は、特に受け口の方に多くみられる特徴です。
これにより、いびきや睡眠時無呼吸症候群を誘発することがあります。
特に、正しい舌の位置を保つことは、歯並びやいびきの予防のために重要です。
受け口の方や睡眠中にいびきをかいている方は日常的に舌の位置を意識してみてください。
受け口などの噛み合わせが気になる場合には、矯正治療を検討することもおすすめです。
また、飲酒や喫煙の習慣がある方は生活習慣の見直しを心がけ、肥満のある方は適度な運動や体重管理を取り入れて、
健康意識を高めるようにしましょう。
受け口でお悩みの方は、当院のカウンセリングへお気軽にご相談ください。
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ご一読いただき、ありがとうございました。