投稿日:2023.12.20
マウスピースにも歯石が付く?
札幌キュア矯正歯科です。
当院のブログを見つけてくださりありがとうございます。
皆さんは、歯に歯石が付着してしまった経験はありますか?
歯石は非常に硬いため、通常の歯ブラシではなかなか取り除くことができませんよね。
そして、多くの方が意外に思われるかもしれませんが、実はマウスピースにも付着することがあるのです。
歯に付着する歯石と同様に放置すると様々なトラブルの原因となります。
そこで今回は、「なぜマウスピースに歯石が付着するのか?」「歯石を放置するとどんなリスクがあるのか?」「どのように対策すれば良いのか?」
と、いったマウスピースと歯石の関係について解説していきます。
目次
歯石とは
歯石とは、歯磨きで取り除けなかった歯垢(プラーク)が唾液に含まれるミネラル成分と結合し、硬く石のように固まってしまったものです。
歯垢は、食べかすや細菌の塊であり、粘着性が高いため歯の表面に付着します。
この歯垢が長期間歯面にこびりついたまま除去されずに放置されると唾液中のカルシウムやリン酸と結合し、石灰化して硬い歯石へと変化してしまうのです。
歯石が付きやすい場所は、唾液腺の開口部付近が挙げられます。
特に上の奥歯の外側や下の前歯の裏側は唾液が常に供給されているため、他の部位と比べて石灰化が進みやすく、歯石がつきやすい箇所です。
また、これらの場所は、歯ブラシが届きにくく磨き残しが発生しやすいため、注意が必要になります。
一度形成されてしまった歯石は非常に硬く、通常の歯ブラシでは除去できません。
そのため、歯科医院で専用の器具を用いたクリーニングを受ける必要があります。
歯石を放置すると歯周病などの原因にもなるため、定期的な歯科検診とクリーニングが重要なのです。
マウスピースに歯石が付着する原因
冒頭でも触れましたが、マウスピースにも歯石は付着します。
特に、装着方法や使用方法が適切でない場合、歯と同じように歯石が付着するリスクが高まります。
では、どのような使用方法が問題となるのでしょうか?
装着したままの食事
装着したまま食事をすると、食べ物の圧力によって破損したり、変形したりする可能性があります。
さらに、食べかすが間に入り込み、長時間にわたって密閉されることで、歯とマウスピースの両方に歯垢や歯石が付着しやすい環境を作り出してしまうのです。
特に、糖分を多く含む食べ物は要注意です。
また、水以外の飲み物、例えばジュースやコーヒー、スポーツドリンクなども同様のリスクがあります。
マウスピースによって密閉された空間は、細菌が繁殖しやすい環境です。
そのため、虫歯や歯周病のリスクも高まります。
装着前に歯磨きを行わない
基本的に装着前は、しっかり歯磨きをする必要があります。
これも上記と同様、歯磨きをせずに汚れや食べかすが残った状態で装着してしまうと、それらがマウスピースと歯の間に閉じ込められ、虫歯や歯周病の温床となってしまうからです。
朝昼晩しっかり磨くのが理想ですが、仕事や学校などで毎回歯を磨くことが難しい場合もあるでしょう。
そのような場合でも最低限、朝と夜の1日2回は丁寧に歯を磨いてから装着するように心がけましょう。
特に夜の歯磨きは重要です。就寝中は唾液の分泌量が減り、お口の中が乾燥しやすくなります。
そのため、夜に歯磨きを怠ると虫歯や歯周病のリスクが格段に高まるため注意が必要なのです。
また、お昼に歯を磨くことが難しい場合は、せめてお口を水でしっかりとゆすぐだけでも効果的です。
ゆすぐことで食べかすや細菌をある程度洗い流すことができますよ。
マウスピースに歯石がついたまま放置するリスク
歯石を放置した場合、最も懸念されるのは歯石によってマウスピースが歯から浮いてしまうことです。
浮いてしまうと歯に矯正力が伝わらず、治療が計画通りに進まなくなる可能性があります。
最悪の場合、治療期間が延びてしまい、追加費用が発生してしまうことも。
また、マウスピースと歯の間に隙間ができると、その部分にさらに汚れが溜まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクも高まります。
歯石がついてしまった場合は放置せず、まずは正しい洗浄方法で落とし、除去できない場合は歯科医院で落としてもらいましょう。
マウスピースに歯石がついた場合の対処法
歯石が付着した場合は、まずはご自身で洗浄剤などを使って対応してみましょう。
しかし、歯石が硬く固まっている場合や付着量が多い場合は、無理に自分で取ろうとすると傷つける可能性があります。
このような場合は、無理をせずに歯科医師に相談してください。
歯科医院では、専用の機器や薬剤を使用して、歯石を除去することができます。
マウスピースの洗浄方法
マウスピースは毎日お口に入れるものですから清潔に保ちたいですよね。
しかし、間違った方法で洗浄してしまうと、かえって傷つけてしまったり、汚れが落ちにくくなったりする可能性があります。
ここではマウスピースの正しい洗浄方法を3つのステップでご紹介します。
①柔らかい毛の歯ブラシで磨く
まずは、柔らかい毛の歯ブラシを使って、流水下で優しく磨きましょう。
この際、歯磨き粉の使用は厳禁です。
歯磨き粉に含まれる研磨剤は、表面に細かい傷をつけてしまい、その傷に汚れが入り込んでかえって汚れが付着しやすくなる原因となります。
「どうしても洗剤を使いたい」という場合は、食器用中性洗剤など、研磨剤が含まれていない洗剤を少量使用するようにしてください。
ただし、洗剤の成分が残らないよう、しっかりとすすぐことを忘れないようにしましょう。
洗浄後は、清潔な布やキッチンペーパーで水気をよく拭き取ります。
②専用の洗浄剤を使用する
歯ブラシで汚れを落とした後は、市販されているマウスピース専用の洗浄剤の使用をおすすめします。
使用頻度は、週に1~2回、もしくは毎日、製品の指示に従って使いましょう。
洗浄剤は、歯ブラシでは落としきれない汚れや細菌を除去し、清潔に保つ効果が期待できます。
洗浄剤は、粉末タイプと錠剤タイプがあり、どちらも水に溶かして使用します。
この際、熱湯の使用は絶対に避けましょう。熱湯を使用すると変形してしまう恐れがあります。必ず水かぬるま湯(40℃以下が目安)を使用してください。
また、洗浄剤を使用した後はしっかりと水ですすぎ、洗浄剤の成分が残らないように注意しましょう。
③超音波洗浄をする
マウスピースのお手入れ方法として、超音波洗浄機を使う方法もおすすめです。
①と②で説明した毎日の洗浄と定期的な洗浄ができていれば基本的に問題ありませんが、超音波洗浄機なら、目に見えない細かい汚れまでしっかり落とせます。
超音波の振動が細部に入り込んだ汚れを効果的にかき出してくれるからです。
ただし、長時間使用するとマウスピースが傷む危険があるため、注意が必要です。
まとめ
マウスピースにも歯と同じように歯石が付着します。
歯石は、マウスピース装着したままの食事や歯磨き不足が主な原因です。
放置するとマウスピースが浮いて矯正効果が薄れるだけでなく、虫歯や歯周病のリスクも高まります。
マウスピースの洗浄は、柔らかい歯ブラシで優しく磨き、専用の洗浄剤や超音波洗浄機を併用すると効果的です。
万が一、自分では落とせないほど歯石が付着してしまった場合は、無理をせずに歯科医師に相談することが大切です。
使用方法でわからないことがあれば、当院にご気軽にご相談ください。虫歯や歯周病のリスクを回避しつつ気持ちよく使用していきましょう。