投稿日:2023.5.26
すきっ歯の悪化を予防するために知っておきたいこと
札幌キュア矯正歯科です♬ 当院のブログを見つけてくださりありがとうございます。
本来、歯列はすき間や重なりが無く、均一に歯同士が接触しています。すきっ歯は、歯と歯の間隔があいて、歯列にすき間ができている不正咬合を指します。すきっ歯がある方は、見た目を気にする方が多くいらっしゃいます。今回は、すきっ歯の原因と、その予防法と改善のメリットについてお伝えします。
すきっ歯ってどんな状態?
すきっ歯は、歯と歯の間の接触がなく間隔が広がっている歯並びをすきっ歯と呼びます。歯科ではこれを「空隙歯列(くうげきしれつ)」とも呼びます。また、すきっ歯の中でも、中央の前歯(上顎中切歯)の間にすき間が広がっている状態を「正中離開(せいちゅうりかい)」と呼びます。フランスでは、この状態を「幸運の歯」として良いイメージが持たれ、「幸せが入ってくる」と考えられています。しかし、日本では逆にすき間から幸せが逃げていくと捉えられ、見た目を気にする方が多くいらっしゃいます。
すきっ歯の原因
すきっ歯の原因は、遺伝による先天的なものと、舌癖などの悪習慣による後天的なものがあります。
以下にそれぞれの原因についてご説明します。
◎先天的な原因
①歯の大きさが小さい
先天的な原因として歯の特徴が遺伝することが挙げられます。顎のスペースに対して歯のサイズが小さい場合に、歯列にすき間が生じます。両親のどちらかにすきっ歯が生じている場合、3割程度の確率で子どもに引き継がれるといわれています。
②歯の本数が少ない
本来生えてくる歯の本数よりも足りない歯のことを「先天性欠如歯」と呼びます。歯の本数が不足すると、歯並びのバランスが崩れ、すき間が発生します。永久歯に起こることが多く、歯科医院でレントゲンを撮ることで確認することができます。
③上唇小帯の付着異常
上唇と歯ぐきをつなぐ中央のスジのことを「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」と呼びます。このスジが長く、歯と歯の間まで付着している場合、前歯のすき間が開いて正中離開の原因になることがあります。成長する過程で自然と気にならなくなることも多いですが、必要に応じて外科手術で切除する場合もあります。
④歯の数が多い
歯の数が多いことを「過剰歯(かじょうし)」と呼びます。歯ぐきの中に埋伏するものもあり、前歯の中央の位置に埋まっていることが多く、周りの前歯が離れた状態で生えてくるため、正中離開の原因となることがあります。
◎後天的な原因
①舌癖・指しゃぶり
幼い頃からの指しゃぶりの習慣は、前歯を押し上げ、すきっ歯の原因となることがあります。また、舌で前歯を内側から押し上げる癖もすきっ歯の一因となります。このような悪習慣が続くと、持続的な力が歯を望まない方向に動かし、歯並びが悪化するため、早期に改善することが望ましいです。矯正歯科で専門的なトレーニングや矯正治療を受けることで、舌癖や、舌の位置を正しい位置に戻し、歯と歯の間のすき間があくことを予防できます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。→MFTトレーニング(口腔筋機能療法)って?
②歯周病
歯周病は歯ぐきの中に細菌が繁殖して炎症を起こします。歯周病が進行すると、歯を支えている歯槽骨が吸収し、歯ぐきが一緒に下がるため、歯と歯の間にすき間が生じてしまいます。
③歯の欠損部を放置していた
歯の欠損や抜歯後にそのまま放置すると、隣の歯がそのスペースに向かって傾いたり動いたりすることがあります。治療を最後まで完了せずに期間があいてしまうと、歯と歯の間が広がる可能性があります。
すきっ歯の治療
すきっ歯は矯正治療で治すことができます。矯正治療にはさまざまな種類があり、それぞれの特徴や、メリットとデメリットがあります。歯科医師と相談し、患者様の要望やライフスタイル、予算に合わせて、患者様に合った歯列矯正の種類を見つけることが大切です。
①ワイヤー矯正
ブラケット装置を歯に取り付け、そこにワイヤーを通して力をかけ、正常な位置に歯を移動します。すきっ歯の開いているすき間を閉じる治療にも適用できます。ワイヤー矯正では基本的に金属製のメタルブラケットが使われます。前歯にすきっ歯がある場合には金属の装置が目立つため、見た目が気になる方は、目立たない装置を選ぶか、裏側矯正がおすすめです。
②マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明のプラスチック素材を使ったマウスピースを装着して歯並びを改善させる治療方法です。ワイヤー矯正よりも痛みが少なく、装着していても目立ちません。固定式ではないため、取り外してお手入れするなどの自己管理が必要です。
③セラミック矯正
歯を土台としてセラミックの被せ物を装着し、歯並びを整える治療方法です。主に前歯の治療に適用され、透明感のある自然な歯の色に近づけることができ、金属アレルギーの方にも適しています。この治療では、歯を土台とするために、削る必要があり、場合によっては歯の神経を抜かなければいけないこともあります。削った歯や抜いた神経は元には戻せないため、治療内容を納得した上で選ぶことが重要です。
④口腔筋機能療法(MFT)
強い舌癖、舌の位置が正常でない、口がぽかんと開いて唇を閉じる筋肉が衰えているなどの状態は、歯並びを乱す原因となります。
これらの状態は、口腔筋機能療法(MFT)と呼ばれる筋機能を回復させるトレーニングを受けることで、効果的に改善できます。
矯正によって歯並びを綺麗にすることはできますが、歯並びを悪くする癖が残っていると、歯が後戻りを起こすリスクがあるため、矯正と一緒に組み合わせることで矯正後の綺麗な仕上がりをキープすることができます。
すきっ歯を改善することのメリット
①コンプレックスの解消
すきっ歯を改善すると、歯の隙間が閉じ、歯並びがきれいに整います。これによって口元のコンプレックスが解消し、自信が持てるようになります。
②口腔衛生の向上
歯のすき間を閉じてすきっ歯を改善することで、食べ物が、歯と歯の間に挟まりにくくなり、歯磨きがしやすくなります。
③噛み合わせの改善
全体的なすきっ歯を改善することで、噛み合わせが改善され、咀嚼しやすくなり、噛み合わせの負担を均等にすることが可能です。
④発音の改善
すきっ歯の隙間が閉じることで、息が漏れることがなくなり、発音が明瞭になります。これにより、話にくさが解消し、人とのコミュニケーションが取りやすくなります。
すきっ歯を悪化させないために気をつけること
①定期的な歯科検診を受ける
定期的に歯科検診を受けることで、歯並びや歯間の状態を確認できます。必要に応じて歯科医師から適切なアドバイスや治療を受けることが可能です。
②抜歯後の治療をする
虫歯や歯周病で抜けた歯や、抜歯した箇所は放置しておくと、周りの歯が動き、歯と歯の間隔が拡大することがあります。早めに被せ物やインプラント、入れ歯を入れるなど、スペースを補う治療が必要です。
③ 毎日の口腔ケアと定期クリーニング
口の中の衛生状態が悪化すると、虫歯や歯周病のリスクが高まり、歯間のすき間が大きくなるリスクも高くなります。トラブルのない健康な口腔内を保つためには、毎日の口腔ケアが重要です。歯ブラシが届きにくい箇所の清掃はデンタルフロスやタフトブラシ などの補助用具を活用して汚れを落とすようにしましょう。また、歯科医院のクリーニングは、セルフケアでは取り除けない歯石や歯垢を除去することができます。
④矯正治療を検討する
すきっ歯や正中離開があると見た目だけでなく、噛み合わせにも問題が生じることがあります。噛み合わせが悪いと、長期的には歯の寿命が短くなる可能性があります。そのため、矯正治療を検討されることをお勧めします。
最後に
「すきっ歯」は不正咬合の一種であり、単にすき間があるだけでなく、歯並びの乱れが進行し、噛み合わせが悪化することもあります。すき間の影響で虫歯や歯周病のリスクが高まることや、発音がしにくいと感じる方も多くいらっしゃいます。早期にすきっ歯を改善することで、将来的な歯の喪失を予防することが可能です。当院では、患者様に合わせた治療を提案しております。
すきっ歯が気になる方は、無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。
ご一読いただき、ありがとうございました。