投稿日:2023.12.27
う蝕活動性試験って何?!
札幌キュア矯正歯科です。
矯正治療を行うにあたり、装置がついて歯磨きがしにくくなったり、
虫歯になりやすくなるのではないかと心配する方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本質は虫歯になりやすいかどうかが簡単にわかる「う蝕活動性試験」についてご紹介したいと思います!
目次
う蝕活動性試験とは
う蝕とは、歯科専門用語で虫歯のことを指し、
う蝕活動性検査は自分のお口の中が虫歯にやりやすいかどうかを簡単に知ることができるものです。
「毎日頑張って歯磨きをしているのに虫歯になりやすい…」
「定期的に歯科医院へ通っているのに…」という方は他の人に比べて
お口の中が虫歯になりやすい可能性があります!
虫歯になる原因
「細菌(ミュータンス菌)」、「糖質」、「歯の質」
上記の3つの要素が重なり、時間の経過とともに虫歯が発生すると言われています。
・ミュータンス菌
ミュータンス菌は約1μm(1/1000mm)の球状の菌です。
プラーク(歯垢)となり歯の表面に付着し、糖質をエサにし酸を作り出します。
ミュータンス菌が作り出した酸が、歯の成分であるカルシウムやリンを
溶かしていくことで歯をもろくなっていきます。
・糖質
食べ物に含まれている砂糖などの糖質は、ミュータンス菌が酸を作る材料となります。
間食が多い人や、ジュースやお菓子など甘いものをよく食べる習慣のある方は、
歯の表面が酸にさらされる時間が長くなるため、むし歯になりやすくなるため注意が必要です。
・歯の質
歯の強さには個人差がありますが、エナメル質や象牙質によって、むし歯になりやすい人もいます。
中でも、乳歯や永久歯が生えたばかりの子どもは特に注意が必要です。
丈夫で健康な歯を育てるためには、歯の土台となるタンパク質、
歯の再石灰化のために必要なカルシウムやリン、
また、これらがうまく働くためのビタミン(A、C、D)などの栄養素が必要不可欠となるため、
できるだけバランスの良い食事を心がけましょう!
虫歯が作られる仕組み
虫歯は「脱灰」と「再石灰化」のバランスによって決まります。
脱灰とは、歯の中のにあるミネラルが外へ出てしまうこと、
簡単に言うと歯が溶けていってしまうことです。
再石灰化とは、唾液中に含まれるミネラル成分が溶けだした部分に戻ることを言います。
私たちの口腔内では食事をするたびにこの脱灰と再石灰化が繰り返し行われています。
しかし、食後の歯磨きを怠ったり、だらだら食べや間食が多く食事と食事の時間が短いと
細菌の量が増えてしまい、再石灰化が追い付かなくなってしまいます。
この脱灰と再石灰化のバランスが崩れることによって虫歯ができてしまうのです。
う蝕活動性試験の種類
う蝕活動性試験は主に2つに分けることができます。
○微生物因子に関する試験
1つ目はプラーク(歯垢)などに含まれる細菌の数や酸の酸性能を測定します。
◎細菌数を検査する試験
ハードレーテスト、ミューカウント、RDテスト
◎酸の酸性能を測定する試験
カリオスタット、スナイダーテスト
もうひとつは宿主因子に関する試験です。
○宿主因子に関する試験
エナメル質生検法、唾液分泌量の測定、ドライゼンテスト(唾液緩衝能のテスト)などがあります。
う蝕活動性試験でわかること
カリエスリスク検査(唾液検査)では以下のことがわかります!
・唾液緩衝能
唾液緩衝能とは、お口の中の酸性を中性に戻す働きのことを言います。
緩衝能が低いと再石灰化に時間がかかり、脱灰の(歯が溶けていく)
時間のほうが長くなってしまうということになります。
・唾液分泌量
唾液には口腔内の酸を中性にする働きがあります。
唾液の分泌量が多ければ多いほど細菌を洗い流す自浄作用が高まり、
より唾液緩衝能の効果も高まるということになります
・細菌の酸産性能
細菌の酸産性能とは、個々の細菌が出す酸の強さを表します。
・細菌量
口腔内には様々な細菌が存在しています。
その中でもミュータンスレンサ球菌とラクトバチラス菌が
虫歯の発生・進行に大きく関与しています。
これらの細菌数が多ければ多いほど、虫歯の発生進行のリスクが高いということがわかります。
また、細菌量が多いとそれだけ多くの酸が生成されることになるため
脱灰(歯が溶け出す力)も強くなってしまうということになります。
最後に
う蝕活動性試験を行うことによって、自分が虫歯になりやすい体質かどうかが分かることはもちろん、
何が原因で虫歯になりやすいかということも知ることができます。
この結果から虫歯にならないための予防プログラムを組むことができるため、
無駄の少ないご自身の口腔内環境に合わせたケアを行うことができるようになります。
ご一読ありがとうございました☆