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投稿日:2023.7.10

リテーナーはいつまで使えばいいの?

「リテーナーを使うのをやめたい」「リテーナーを使わなくても問題ないのでは?」と感じていませんか?

リテーナーは矯正治療の仕上げとして使用される装置のことを指しますが、使用期間や注意点などを十分に把握できていない方が少なくありません。
せっかく整えた歯並びや噛み合わせをまた悪くしないためにも、正しく理解しておくことをおすすめします。

こちらのページでは、リテーナーを使用する大切さや使用期間、種類、起こり得るトラブルについて分かりやすくまとめました。
現在リテーナーをご使用中の方だけでなく、矯正治療をご検討中の方にも有益な情報ですのでぜひご参考ください。

リテーナーとは?役割と適切な使用期間について

歯が移動した先で安定するには、歯根膜や顎骨といった周囲の組織がしっかりと作られるまで待つ必要があります。
その期間を「保定期間」といい、使用する装置がリテーナー(保定装置)です。
歯根膜があることで歯はもとの位置に戻ろうと動きますが、リテーナーを使用することで回避できます。

保定期間はメインで行った治療とほぼ同じです。使用を怠るとそのぶん期間が延びるため注意しましょう。
メインの治療後は、歯並びが整ったことで治療に対するモチベーションが低下しやすい傾向にありますが、トラブルを避けるためにもリテーナーは正しくご使用ください。

リテーナーの種類について

リテーナーにはいくつか種類があり、メリットやデメリットが異なります。
当院ではマウスピースタイプのものを使用しておりますが、ここでは一般的な種類についてご説明いたします。

プレートタイプ

札幌 歯列矯正

歯の表面をワイヤーで覆うタイプで、取り外しが可能です。
プラスチック素材の床があることで、歯が内側に移動するのを回避できます。

デメリットとしては、凹凸が多いため慣れるまでに時間がかかる傾向にあり、歯の表面にワイヤーがあることで審美性は高いとはいえません。

お手入れ方法は、普段お使いの歯ブラシを使って流水下で汚れを落とす必要があります。
表面に傷がつく恐れがあるので研磨剤は使用しないでください。
硬めの歯ブラシを使用したり強い力で磨いたりすることもおすすめできません。
プラスチック部分に傷がつくと、その溝に入り込んだ細菌が増殖して不快感や臭いの原因になります。

マウスピースタイプ

札幌 歯列矯正

透明なマウスピースタイプで、取り外しが可能です。
審美性が高く、装着中も人目が気にならないのが特徴です。

お手入れ方法はプレートタイプと同じで、普段お使いの歯ブラシを使って流水下で汚れを落としていただきます。
研磨剤や硬めの歯ブラシの使用を控え、優しい力で磨くようにしてください。
また、装置がお湯やぬるま湯に触れると変形する可能性があります。かならず水を使って洗いましょう。

マウスピースタイプは、装置が透明なため紛失しやすい傾向にあります。
使用しない間は専用のケースに入れて保管するようにしてください。

ワイヤー固定タイプ

札幌 歯列矯正

歯の裏側にワイヤーを接着し固定するタイプです。
固定部位は主に前歯から小臼歯にかけてで、着脱の必要がないため通常のお手入れだけで済みます。
装置が正面から見えないことで審美性が高いのもメリットといえるでしょう。

デメリットとして、ワイヤーの周囲に汚れがつきやすいため虫歯や歯周病のリスクは高いことが挙げられます。
もともと臼歯が内側に倒れていたり大きくずれていたりした場合は、別のタイプのほうが後戻りがおこりにくいためおすすめです。

リテーナーを正しく使用しないとどんなトラブルにつながる?

保定期間はメインの治療をしているときよりもモチベーションが下がりやすく、装置の着脱を怠るケースが少なくありません。
正しく使用しないと以下のトラブルにつながる恐れがありますので注意しましょう。

歯が後戻りする

歯は、移動した先で安定するまでもとの位置に戻ろうと動きます。
固定しないと徐々に歯並びが崩れていき、場合によっては装置がはまらなくなる可能性もあるので、リテーナーの装着は忘れないようにしましょう。

噛み合わせが悪くなる

歯並びが崩れると噛み合わせにも影響がでます。
噛み合わせが悪くなると、特定の歯や顎関節への負担が大きくなり、歯のヒビや破折、顎関節症のリスクが高まるので注意しましょう。
お顔の歪みにつながる恐れもあります。

再治療が必要になる

後戻りがおきて装置が使用できなくなると、メインの治療が再度必要になります。
余計な時間や費用をかけないためにも、リテーナーは正しくご使用ください。

札幌 歯列矯正

リテーナーの使用時におこりやすいトラブル

リテーナーのトラブルは、痛みや後戻り、歯並び・噛み合わせの崩れの原因です。
事前に把握しておくことで落ち着いて対処できるでしょう。

装置の凹凸で粘膜に傷ができる

装置に触れる粘膜に傷ができると、外傷性の口内炎につながることがあります。
強い痛みを感じるのが特徴で、装置が当たり続けることで治りも遅い傾向にあるため注意が必要です。
基本的に口内炎は1週間程度で治りますが、常に刺激があったりお口のなかが不衛生だと治癒までに時間がかかります。
口内炎に歯ブラシの毛先があたらないよう気をつけながら、丁寧にお手入れをしましょう。
また、専用の軟膏を使用することで治りを早めることが可能です。

お手入れに気をつけて、かつ軟膏を使用しても何週間も治らない場合は、粘膜の癌である可能性も考えられます。
痛みが強かったり治りが悪かったりする場合は、早めに歯科医院へご相談ください。

装置の変形や破損

装置の管理方法が不適切な場合や睡眠時の歯ぎしりなどが原因で、装置の変形や破損がおこることがあります。
形の崩れた装置の使用は歯並びや噛み合わせの崩れにつながりますので、気づいたらできるだけ早くご連絡ください。

装置の紛失

リテーナーのなかでも取り外し式のものは紛失のリスクがあります。
とくに外食時は装置をティッシュにくるんで保管する方が多いですが、間違って捨ててしまう可能性があるため注意が必要です。
専用のケースに入れて保管することで紛失は回避できますので、できるだけ持ち歩くようにしましょう。
紛失した場合、装置の作り直しには別途費用がかかります。

「リテーナーはずっと使用した方がいい」って本当?

患者様のなかにはリテーナーを2~3年すぎても使い続ける方もいます。
歯科医院でお伝えする保定期間は目安であり、歯は安定しても常に動き続けているためリテーナーを使い続けたほうがきれいな状態を維持しやすいのは確かです。
しかし、リテーナーによって虫歯や歯周病といったトラブルが発症すると、それが原因で歯を失い、せっかく並んだ歯並びが崩れる可能性があるため注意しなくてはいけません。
また、リテーナー自体に問題が発生していたら使い続けていても逆効果です。

整った歯並びを維持するため、またリテーナーのトラブルにすぐに気づけるようリテーナーをしている間も定期メンテナンスは忘れずに受けるようにしましょう。

札幌 リテーナー

リテーナーを正しく使用して美しい歯並びを手に入れよう

リテーナーは、歯が移動した先で安定するまでの間キープしておく役割があります。
メインの治療とは違って歯並びがきれいな状態で使用するため、モチベーションの維持が難しい傾向にありますが、正しく使用しないと後戻りや歯並び・噛み合わせの崩れにつながり、再治療が必要になる可能性もあります。
余計な負担を増やさないためにも、使い方や管理方法などは事前に正しく把握し、継続してご使用ください。

当院では、リテーナーの大切さをご理解いただくために事前の説明には十分時間をかけております。装置について分からないことや気になることがあればお気軽にご相談ください。

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