投稿日:2022.10.24
歯を抜かないで矯正はできる?
札幌キュア矯正歯科です。
当院のブログを見つけてくださりありがとうございます!
歯列矯正をご検討中の皆さま、心配な点はありませんか?
自分の歯がちゃんと治るのか、どんな治療方針なのか、希望の装置で治療することは叶うのか、など、
お悩みや心配な点は人それぞれかと思います。
歯列矯正は始めてすぐに効果が出るというものではなく、
年単位の治療にご協力いただいて完了していくものになります。
長期に渡って取り組む治療は、できる限り心配事が少なく始められるのが一番ですよね。
ここからは初回の無料カウンセリング時にも質問の多い「歯を抜かないと矯正治療はできないのか?」
この点について詳しくご紹介していきます。
目次
歯を抜かずに矯正はできる?
結論からお伝えすると、歯を抜かずに歯列矯正を行うことは可能です。
ただし、どんな方でも「歯を抜かないということが最適」という訳でもありません。
この認識を間違えてしまうと、歯を抜かずに歯列矯正をしたことを後悔してしまったり、
理想とする歯並びを実現できない可能性が出てきてしまいます。
Ⅰ抜歯が必要になる理由
わざわざ健康な歯を抜いて歯列矯正を行うには理由があります。
⑴歯が並ぶスペースを確保したいから
歯列矯正は歯を動かしてキレイな歯並び、正しい噛み合わせにしていく治療方法です。
そのため、歯が適した場所へ動くための十分なスペースがなくてはいけません。
日本人の顎は欧米人に比べると小さいつくりの方が多いです。
並ぶスペースの大きさが違うのに、同じ本数の歯が並ぼうとしている為、
歯と歯が重なり合ってしまったり、歯列が大きく膨らんで口元が出っ張ったり…という状態になるのです。
歯が並び切るための十分なスペースがないのに、抜歯をせずに動かしてしまう(スペースを確保せずに押し込める)と、
凸凹は改善出来ても、歯列が膨らんで唇よりも前に出てしまったり(出っ歯のような印象)、
「(※)後戻り」のリスクを高めることになります。
(※)歯列矯正を始める前の元の悪い状態に戻ってしまうことのこと。
歯列矯正をやり直す方の最も多い理由がこの「後戻り」です。
一つの椅子に二人は座れないので、一人どいてもらうようなイメージで、
スペースを確保するために抜歯が必要になる方もいらっしゃいます。
⑵噛み合わせを合わせたいから
矯正治療は元々、「噛み合わせを合わせるために歯を並べたら結果的に見た目もきれいになった」というものなのです。
そのため、矯正治療において噛み合わせを合わせることはとても大切で、
ただ見た目を整えただけでは歯列矯正が完了したとは言えません。
では、噛み合わせが合っていない状態はどうして良くないのでしょうか?
それは身体全体への悪影響が多いからです。
顎や歯への負担が不均等な状態なため、
・歯がすり減ったり欠けてしまう
・顎関節症を引き起こすリスクが高まる
・歯並びを更に悪化させる
・食事がしにくい
・喋りにくい
・慢性的な肩こりや頭痛の原因に
など、歯への影響はもちろん、口の中だけにとどまらず体全体へ悪影響が広がる恐れもあるのです。
上記に当てはまる方はもしかすると噛み合わせが合っていないことが原因かもしれません…。
見た目は整っているように見えても、詳しく検査してみると噛み合わせが合っていない場合も十分にあるのです!
放っておくと歯並びが悪化することになりかねません。
矯正を始める前に「精密検査」を受け、自分の噛み合わせの状態をしっかり確認しましょう。
◎あわせて読みたい記事はこちら◎⇒【良い噛み合わせを保つためには】
Ⅱ必要な場合に抜歯をしないとどうなる?
冒頭でお伝えしたように、
「抜歯は誰でもしなくてはいけない」というものでは決してありません。
前述したように、”抜歯が必要になる理由”に当てはまる方は、抜歯をして歯列矯正を行うことが効果的ですが、
抜歯が必要にならない方は、もちろん歯を抜かずに歯列矯正を行うことが可能です。
それでは、抜歯が必要な場合に無理に非抜歯矯正を行ってしまうとどうなるのでしょうか?
⑴仕上がりが理想通りにならないことがある
必要な治療を行わず無理な方法を実行することになるため、
仕上がりが理想としているものにならない可能性があります。
例えば、
・出っ歯を下げたいのに下がらなかった
・凸凹はなくなっても治療する前より口元が膨らんだ
・噛み合わせが合わなかった
などが考えられます。
抜歯が必要な場合にも、適切な本数や最適な抜歯部位は人によって異なります。
見た目だけの問題に限らず、噛み合わせなど機能面も考慮して治療方針を決定していくことが大切です。
無理な非抜歯矯正は、治療終了後に納得できる仕上がりにならず、
仕上がりが不十分になるリスクがあります。
⑵噛み合わせが悪くなることがある
前述した⑴仕上がりが理想通りにならないにも繋がりますが、
無理に非抜歯矯正を行うと、凸凹はなくなっても歯列が膨らんでしまう方がいます。
いわゆる「出っ歯」の状態です。
「出っ歯」とは不正咬合の一種で、見た目が悪いのと同時に噛み合わせも悪い状態です。
噛み合わせが合っていない状態では、歯への負担が均等になりません。
そのため一部の歯ばかり酷使してしまい、歯が欠けたり脆くなったり、
場合によっては無くなってしまうこともあります。
歯の健康寿命を延ばすためにも、噛み合わせを合わせることはとても大切です。
無理な非抜歯矯正は見た目だけでなく、噛み合わせのズレを引き起こし、
歯の健康寿命を短くする恐れがあります。
健康な歯を抜くことに抵抗がある方へ
「虫歯でもないきれいな歯を抜くことに抵抗がある…」
「歯は少しでも多い方が良いのではないか…」
よく患者様からこのようなお声をいただきます。
歯列矯正では健康な歯を抜歯することがあり、その理由は前述したように
歯が並ぶスペース確保のため、噛み合わせを合わせるためといったものです。
噛み合わせが悪い状態で過ごしていくと、70代、80代になった時に残る健康な歯は
6本、7本程度と言われています。
ですが、抜歯をすることになったとしても
歯列矯正によって噛み合わせを正常にするができれば、
健康な歯は20本以上残すことができると言われているのです。
歯列矯正で抜く歯の本数は、患者様の状態によっても異なりますが、
親知らずを除いて1本~4本が目安です。
成人の場合、歯が全て生え揃うと28本、
噛み合わせが悪い状態で過ごす場合に失う本数よりも圧倒的に少ないことが予想されるのです!
非抜歯矯正の種類
では逆に、歯を抜かずに歯列矯正をする場合、どのような方法があるでしょうか?
1.歯を削る
歯の表面をわずかに削り、少量のスペースを作り出す方法です。
この処置は「IPR」と呼ばれます。
歯を削ることで虫歯ができやすくなったり、歯がしみるようなことがないよう、
歯の健康を考慮した範囲で行います。
2.奥歯を移動させる
非抜歯と言っても、この方法では「親知らず」の抜歯にご協力いただく必要があります。
親知らずの抜歯を行い、他の歯は抜歯しないという方法です。
親知らずを抜いてできたスペースに奥歯を移動させ、
他の歯がアーチ状におさまるようにしていきます。
3.歯列の幅を広げる
こちらの方法は、骨がまだ成長段階にある方、小児矯正で効果的な方法です。
拡大装置を歯の内側に装着し、歯を支える歯槽骨に拡張するよう働きかけます。
歯の内側に装着したプレートのネジを回すことで顎の拡張を促し、
抜歯をせずに歯を並べるスペースを確保する方法です。
最後に
歯列矯正での抜歯は誰でも必要になるという訳ではございません。
ですが、どんな方にも非抜歯矯正が最適であるという訳でもございません。
ご自身が求める仕上がりと、必要な治療方法をしっかり理解、確認したうえで
治療を進めていくことが、歯列矯正を成功させるコツです★
歯並び、噛み合わせでお悩みの方は
是非一度無料カウンセリングにてご相談くださいませ。
ご一読、ありがとうございました。