投稿日:2023.11.27
歯列矯正に伴う不調って何があるの?
札幌キュア矯正歯科です。
みなさん矯正治療を頑張っていますでしょうか?
歯列矯正中、口内乾燥や口内炎など、さまざまな不調に悩まされている方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、矯正中の不調の原因と対策方法を解説します。
目次
矯正装置をつけることによる口腔内環境の変化
矯正装置を装着すると口腔内環境に以下のような変化が生じることがあります。
口が閉じにくくくなる
矯正装置を付けたとき一番最初に感じられるのは「口が閉じにくい」ということではないでしょうか。
歯の表面にブラケットとワイヤーを付けるため、何かが付いているといった独特な違和感はもちろん、装置によって唇が持ち上がっているようになり、口が閉じにくいと感じやすくなるようです。
中でも審美性に優れた白いプラスチック製のブラケットは、他の材質と比べ厚みが出てしまうためくちびるが閉じにくく感じる傾向があります。
ただし、装置に慣れるにつれて口が閉じにくくなる状態は軽減していきます。口を大きく開けたり閉じたり、唇を突き出したりするなどの簡単なストレッチをすることで、口周りの筋肉の緊張をほぐし、閉じやすくすることができます。
しかし、どうしても気になる場合は、歯科医師に相談した上で装置の調整や矯正用ワックスなどを使用しましょう。
口内炎ができやすい
装置が粘膜に擦れて傷ができ、炎症を起こすことで口内炎が発生しやすくなります。
口内炎ができた場合は、矯正用ワックスをブラケットに覆うことで直接粘膜に触れるのを予防できます。
また、市販の口内炎用軟膏やスプレーを使用するか、歯科医院で処方された薬を使用することで症状を緩和できますよ。
歯磨きがしにくい
装置が邪魔になり、歯磨き残しが増えると虫歯や歯周病のリスクが高まります。
ヘッドが小さく、毛先が特殊な形状をした矯正用歯ブラシや、歯間ブラシ、フロスなどを活用し、丁寧に歯磨きを行うことが重要です。
特に、ブラケットと歯の間、ワイヤーの下、歯と歯の間は汚れが溜まりやすいので意識して磨きましょう。
一時的に噛みにくくなる
歯が動くことで、一時的に噛み合わせが悪くなることがあります。
また、装置の装着直後やワイヤーの調整後などは、痛みによって一時的に噛みにくくなることも。
調整後数日間は、硬い食べ物を避け、柔らかい食事を摂ることをおすすめします。
痛みが強い場合は、痛み止めを服用することもできますが、歯科医師に相談するようにしましょう。
その他の不調
上記の他に、矯正治療中に以下の症状が現れることがあります。
これらの症状は、噛み合わせの変化や治療によるストレス、あるいはもともと持っている体質などが影響していると考えられます。
● 吐き気・めまい
● 睡眠不足・不眠
● 肩こり・首こり
● 精神的な不調(イライラ、不安、憂鬱など)
● 消化不良
これらの症状が長引く場合や日常生活に支障をきたす場合は、自己判断せずに歯科医師に相談することが大切です。
歯列矯正に伴う不調の原因
上記で紹介した通り、歯列矯正中はさまざまな不調を感じることがあります。
これは、歯並びを整えるために必要な過程で起こる反応であり、一時的なものがほとんどです。
ただし、原因を理解しておくことで、適切な対処につなげられます
矯正装置による物理的な刺激
矯正装置(ブラケット、ワイヤー、マウスピースなど)は、口の中に異物が装着された状態になるため、粘膜や歯肉に物理的な刺激を与えます。
これが痛みや口内炎、違和感などの不調を引き起こす主な原因の一つです。
噛み合わせの変化
矯正治療によって歯が移動することで、一時的に噛み合わせが変化します。
そのため、噛み合わせが不安定になり、食べ物が噛みにくくなることも。
また、顎関節に痛みや違和感が生じ、顎関節症の症状を引き起こすこともあります。
歯の移動に伴う痛み
歯が移動する際には、歯根周囲の神経や組織にも影響が及びます。
そのため、歯を動かす際に痛みを感じることも。
また、歯が動くことによって今まで歯茎によって隠れていた、歯の根元が露出し、冷たいものや熱いものがしみる症状が出ることもあります。
矯正治療中のストレス
矯正治療は、期間や費用、痛みなど、さまざまな要因からストレスを感じやすい治療です。
特にストレスは、免疫力の低下や自律神経の乱れにつながり、口内炎ができやすくなったり、体調不良を引き起こしたりすることがあります。
生活習慣の変化
矯正治療中は、食事の制限や歯磨きの方法など、生活習慣に変化が生じることがあります。
その結果、体調に影響を与えることがあります。
口が閉じにくくなることのリスク
上記では、矯正装置をつけることで起こる口腔環境の変化について紹介しました。
その中でも、唇が閉じにくくなることは、以下のようにさまざまな問題を引き起こします。
①口腔内が乾燥しやすく口臭の原因になる
唇が閉じにくい状態が続くと、無意識のうちに口が開いたままになりやすく、いわゆる「ポカン口」になりがちです。
口が開いている時間が長くなると唾液の分泌量が減少し、口の中が乾燥してしまいます。
唾液には口の中の細菌の繁殖を抑える殺菌作用がありますが、乾燥によってその作用が弱まり、細菌が増殖しやすくなります。これが口臭の原因となるのです。
②粘膜が傷つきやすくなる
ワイヤー矯正ではブラケット装置やワイヤーと頬粘膜が擦れてしまうことにより傷付いてしまうことが多くあります。
その傷口から細菌が侵入すると、口内炎を引き起こす原因に。口内炎が悪化すると痛みだけでなく、出血や排膿といった症状が現れることもあります。
③風邪をひきやすくなる
口呼吸になることで、空気中のウイルスや細菌が直接喉に侵入しやすくなり、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
矯正治療中の口腔内乾燥を減らすためにできること
矯正治療中、お口の乾燥を防ぐには以下の方法があります。
①こまめな水分補給
口腔内の乾燥が気になったらこまめに水分補給をしましょう!
その際、コーヒーやジュースではなく、砂糖が入っていない水やお茶がおすすめです。
外出時には水筒を持ち歩くなど、常に水分補給ができるように工夫しましょう。
②唾液腺マッサージ
唾液腺を刺激することで唾液の分泌を促進することができます。
唾液腺には、耳下腺、顎下腺、舌下腺と呼ばれる3つの主要な唾液腺があります。
それぞれのマッサージ方法は以下の通りです。
耳下腺マッサージ:耳たぶの前、上の奥歯あたり(頬骨の下)に人差し指から小指の4本の指を当て、円を描くように優しくマッサージします。
顎下腺マッサージ:顎の骨の内側の柔らかい部分(顎の下のくぼみ)に、親指の腹を当て、骨に沿って優しく押します。
舌下腺マッサージ:両手の親指を揃え、顎の真下から舌を押し上げるように優しく押します。
マッサージは力を入れすぎず、優しく行うことが大切です。
リラックスした状態で行うとより効果的です。食前や就寝前など、習慣にして行うと良いでしょう。
唾液腺マッサージについてはこちらのページで詳しくご紹介していますので、併せてお読みください。
まとめ
歯列矯正中の不調は、矯正装置による物理的な刺激や歯の移動に伴う痛み、ストレスなど、さまざまな要因が考えられます。
口内乾燥や口内炎、痛みといった不調を感じた場合は、自己判断せず歯科医師に相談することが大切です。
こまめな口腔ケアや生活習慣の見直し、歯科医師からのアドバイスを参考に半年に1回を目安に一般歯科でのクリーニングを受けると口腔内を清潔な状態に保てますので、定期的にプロフェッショナルケアも行いましょう。