投稿日:2023.11.20
老化でガミースマイルになるって本当?
札幌キュア矯正歯科です。
いつも当院のブログをご覧いただきありがとうございます。
「笑うと歯茎が目立つのが気になる」
「最近、以前より歯茎が目立つようになった気がする」
そんな悩みをお持ちの方は、もしかしたらガミースマイルかもしれません。
ガミースマイルとは、口角を上げる笑い方をしたときに、歯茎が過剰に露出してしまう状態のこと。
若い頃は気にならなかったのに、年齢を重ねるにつれてガミースマイルが目立つようになってきた、と感じている方も
いるのではないでしょうか?実は、加齢とガミースマイルには、深い関係があるのです。
当院にもガミースマイルを気にされて矯正相談に来られる患者さまもいます。
そこで本記事では、年齢を重ねることでガミースマイルになってしまうのか、ということについてご紹介したいと思います。
目次
ガミースマイルとは
ガミースマイルとは、笑った時に歯茎が見えすぎている状態のことを言います。
歯茎が3mm以上見えると診断されることが多いようです。
原因はいくつか考えられます。ひとつは、顎の骨格が原因で歯茎が過剰に露出してしまうケース。
ふたつめは、唇の筋肉が強く、笑った時に唇が上がりすぎて歯茎が見えてしまうケースです。
また、骨格や筋肉のつき方などは遺伝的な影響を受けやすく、親や兄弟にガミースマイルの人がいる場合は、引き継がれやすい傾向があります。
年齢を重ねるにつれてガミースマイルになるってホント?
年齢を重ねるにつれて、笑ったときに歯茎が目立つようになった気がする……そんな悩みをお持ちの方もいるかもしれません。
しかし、加齢とガミースマイルは直接的な関係はないと言われています。
むしろ、加齢とともに減少するという研究結果があります。
これは、50歳60歳を過ぎると、筋肉の衰えなどによって上下の唇が下がって、結果、上の前歯の歯茎の露出が減り、
下の歯の歯肉の露出が増えてしまう、というわけです。とはいえ、年齢とともに歯周病が悪化するとガミースマイルを誘発する恐れがあります。
歯周病とガミースマイル
歯周病とは、歯を支えている歯茎や骨などに細菌が感染し、炎症を起こす病気です。
歯周病の初期段階では、歯茎に炎症が起こり、赤く腫れ上がります(歯肉炎)。
この腫れによって歯茎のボリュームが増し、笑った時に歯茎が通常よりも多く露出してしまうため、ガミースマイルが強調されて
見えるようになるのです。
さらに、放っておくと歯茎が腫れたり出血したりするだけでなく、歯茎や歯槽骨(歯を支えている骨)が破壊されてしまいます。
すると、健康な歯茎は歯の根元を覆っていますが、歯周病になると歯茎が下がり、歯の根元が露出してしまいます。
歯と歯茎のバランスが崩れ、笑った時に歯茎が目立ちやすくなることもあるのです。
また、歯周病によって歯を支える骨が溶けると、歯がグラグラと動揺し、歯並びが変わってしまうことがあります。
歯茎が目立ってしまうとガミースマイルになると言われています。
さらに、歯周病は口臭など、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があるのです。
ガミースマイルが気になる方も、そうでない方も、歯周病予防をしっかり行い、健康な歯茎を保つことが大切です。
歯周病によるガミースマイルを予防するためにできること
まず、基本となるのは丁寧な口腔ケアです。毎日の歯磨きは、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを併用し、
歯と歯の間や歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)の汚れをしっかり落とすように心がけましょう。
特に、歯周ポケットは歯周病菌が繁殖しやすい場所なので、意識して清掃することが大切です。
また、定期的な歯科検診も欠かせません。早期発見・早期治療のためにも定期的な受診をおすすめします。
次に、口元の筋力トレーニングも効果的です。口輪筋をはじめとする口周りの筋肉を鍛えることで加齢による唇のたるみを予防し、
結果的にガミースマイルの悪化を防ぐことが期待できます。
ただし、ガミースマイルの原因は歯周病だけでなく、骨格や歯並び、唇の筋肉の発達など、様々な要因が考えられます。
自己判断でケアを行うのではなく、歯科医師に相談した上で、適切な予防策を検討しましょう。
ガミースマイルの治療方法
ガミースマイルを改善するには、いくつかの方法があります。
歯列矯正
ガミースマイルの原因が歯並びにある場合、歯列矯正で改善できる可能性があります。
たとえば、上顎の歯の位置が上すぎている、上顎前突(出っ歯)、骨格的に上顎骨が縦に長いといったケースです。
ガミースマイルの治療に用いられる矯正治療には、
ワイヤー矯正・マウスピース矯正(インビザライン)・歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正などがあります。
特に、アンカースクリューを用いたインプラント矯正は、歯を効率よく上方へ移動(圧下)させることができるため、
ガミースマイルの改善に高い効果が期待できます。
歯列矯正によって歯の位置や角度を調整することで、笑った時に歯茎が目立ちにくくなることがあります。
歯列矯正でガミースマイルを治すと同時に歯並びや噛み合わせも改善できます。
お口全体の健康を促進できるのは、歯列矯正の大きなメリットと言えるでしょう。
外科手術
骨格的な要因が原因でガミースマイルになっている場合は、外科手術で改善が期待できます。
主に、上顎の骨にアプローチする上顎骨切り術(ルフォーI型骨切り術など)が行われます。
この手術では、上顎の骨を部分的に切除し、適切な位置に移動させる方法。上顎の骨が過剰に発達している場合や、
上下の顎の位置関係に問題がある場合に適応となります。
全身麻酔下で行われ、入院が必要となる大掛かりな手術ですが、その分、大きな変化が期待できるでしょう。
歯肉整形
メスやレーザー、電気メスなどを用いて余分な歯茎を切除し、歯茎のラインを整えることでガミースマイルの改善を
目指すことができます。
歯茎が過剰に発達し、歯が短く見えるようなケースは「歯肉切除術」が適応となります。
歯肉切除のメリットは、比較的短時間で治療が完了し、見た目の改善が期待できることです。
しかし、デメリットとしては、歯が長く見えるようになることで知覚過敏が生じるリスクや、
歯茎が元の状態に戻ろうとするため後戻りのリスクもあることが挙げられます。
筋肉の緊張をやわらげる注射
唇を持ち上げる筋肉が過剰に発達している方は、笑った時に上唇が強く引き上げられ、歯茎が過剰に露出してしまうことがあります。
このような筋肉の過剰な緊張による場合は、筋肉の緊張をやわらげる注射が効果的な場合があります。
この治療法では、ボツリヌス菌から抽出された有効成分を上唇挙筋などの筋肉に注射します。
神経の伝達をブロックすることで筋肉の動きを弱め、唇の動きを抑制し、歯茎の露出を抑えることができます。
外科手術と比較して、注射のみで施術が完了するため、身体への負担が少なく、比較的簡単に治療を受けることができるのが
メリット。ただし、効果が永久的ではないため、定期的な注射(3~6ヶ月程度)が必要になります。
また、表情が不自然になる場合があることも考慮しなければなりません。
自分に合った治療法を見つけるには?
ガミースマイルの治療法は、原因や症状の程度、患者様のご希望によって、最適な方法が異なります。
選択肢は一つではなく、歯列矯正や筋肉の緊張をやわらげる注射以外にも、外科手術や歯肉整形など、様々な治療法があります。
どの治療法が自分に合っているのか、一人で悩む必要はありません。
まずは、歯科医師に相談することをおすすめします。
まとめ
加齢とガミースマイルは直接的な関係がないものの、口腔ケアを怠ると歯周病を通じてガミースマイルのリスクを高める可能性
があります。日々のセルフケアをしっかりと行い、気になる場合は早めに歯科医師に相談することをおすすめします。
札幌キュア矯正歯科では、ガミースマイルに関するご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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