menu
close

ブログ

投稿日:2023.7.24

キシリトールは虫歯にならない?歯列矯正中の虫歯予防対策

札幌キュア矯正歯科です。
当院のブログを見つけてくださりありがとうございます!

矯正治療中は歯磨きがしづらくなるため虫歯リスクが高まりますが、キシリトールで予防できるってご存知ですか?
キシリトールは、ガムやタブレットでおなじみの方も多いでしょう。
実は、虫歯菌の活動を抑制する効果が期待できるのです。

この記事ではキシリトールが虫歯予防に効果的な理由や歯列矯正中でも安心して使える製品、摂取方法を解説します。

矯正中は虫歯リスクが高い?

札幌 歯列矯正

虫歯は口の中に潜む虫歯菌が引き起こす病気です。
歯垢(プラーク)内の虫歯菌(ミュータンス)が糖分を分解して「酸」を作り出します。
その酸が、歯の表面を覆うエナメル質を溶かしてしまうことが虫歯の始まりです。

虫歯の原因はプラークだけではなく、どれくらい虫歯菌が多いか、歯の質はどうか、どれくらい甘いものを食べるかなど、さまざまな原因が重なって発生します。
そのうち、大きく関わっているのが菌と歯の質と甘いもの(糖質)です。
特に歯列矯正中は、歯の表面にブラケットやワイヤーなどの矯正装置が付くため食べカスが残りやすく、歯磨きも複雑になりがちです。
そのため、丁寧にケアをしていても、歯列矯正をしていない方と比べて虫歯になってしまうリスクは高くなってしまいます。

キシリトールとは

キシリトール 虫歯予防

キシリトールは糖アルコールの一種でイチゴやレタス、ほうれん草などの野菜や果物にも含まれている天然の甘味料です。
私たちの体の中でも作られているので安心して口にすることができます。

キシリトールは糖アルコールの中で最も甘く、砂糖と同じ甘味度になりますが、カロリーは4割ほど低いといわれています。
また、糖アルコールは水に溶けたときに周りの熱を吸収するため、摂取するとひんやりと感じるのが特徴です。

フィンランドにおけるキシリトール事情

虫歯予防先進国として知られるフィンランドでは、キシリトールは虫歯予防アイテムとして日常生活に深く浸透しています。
たとえば、保育園では食後の歯磨きが難しい場合にキシリトールガムやタブレットを積極的に活用する習慣があり、幼い頃から自然とキシリトールを取り入れています。

キシリトールが虫歯予防につながる理由は?

キシリトールは、虫歯の原因となる「ミュータンス菌」を弱体化させることで、虫歯を防いでくれます。
ミュータンス菌は、糖分をエネルギー源として酸を出します。
しかし、キシリトールは、ミュータンス菌にとって「ニセモノの糖分」のようなもの。
ミュータンス菌はキシリトールを喜んで食べますが、実はそこからエネルギーを得ることができません。
その結果、弱ってしまい増えることができなくなるのです。さらに、キシリトールには以下のような虫歯予防効果があります。

①唾液の分泌を促進する

キシリトールは甘味があるため唾液の分泌が促進します。
また、ガムとして摂取すると咀嚼(そしゃく)もするため、より唾液が分泌されます。
唾液がたくさん出ることで、口の中を清潔に保ち、虫歯菌の繁殖を抑える効果も期待できるでしょう。
また、歯の再石灰化を促し、歯を強くする働きもあります。
唾液については【
唾液の効用とは?歯列矯正中もお口の健康を守る 唾液の重要性について】をご覧ください。

②酸を作らない

虫歯の原因菌であるミュータンス菌はキシリトールを分解できないため、酸が発生しません。
また、キシリトールは糖を分解する酵素の活性を低下させ酸を作りにくくし、酸の中和を促進する働きもあります。

③再石灰化

矯正 歯列矯正 再石灰化 虫歯予防

歯の表面は、常に溶けたり修復されたりを繰り返しています。
キシリトールなどの糖アルコールは、歯垢(プラーク)の中にカルシウムを集め、歯に取り込まれやすくする働きがあります。
この働きを再石灰化といいます。
例えるなら、歯の表面にできた小さな傷を、カルシウムという栄養で補修してくれるようなイメージです。こうして、歯は少しずつ強く、硬くなっていきます。

④プラークがつきにくい

キシリトールはプラークが歯にくっつきにくくすると言われています。
歯磨きでプラークが落としやすく、お口の中を清潔に保ちやすいです。

日常生活でのキシリトールの効果的な取り入れ方

ここでは、毎日の生活にキシリトールを効果的に取り入れる方法を紹介します!

自分にぴったりのキシリトール製品を選ぼう

キシリトールはガムやタブレット、キャンディーなどさまざまな製品が販売されています。
歯列矯正中の場合は、ガムは装置についてしまうのでタブレットやキャンディーがおすすめです。

キシリトールは口の中に長く留めておくことでミュータンス菌と触れ合う時間が長くなり、より効果が期待できます。
ガムをゆっくりと噛んだり、タブレットをゆっくりと舐めたりするなど工夫してみましょう。

摂取するタイミング

キシリトールの効果を最大限に引き出すためには、摂取するタイミングも重要です。
たとえば、食後はお口の中が酸性に傾きやすい食後にキシリトールを摂取すると、唾液の分泌を促し、酸を中和してくれます。
また、歯磨き前にキシリトールを摂取すると歯垢(プラーク)がやわらかくなり、歯ブラシがより届きやすくなります。
歯磨き後の仕上げにキシリトールを摂取すれば虫歯菌の増殖を抑え、歯の再石灰化を促進する効果も期待できます。

特にオススメなのは、キシリトール100%の商品。
他の甘味料が含まれていると、せっかくのキシリトール効果が薄れてしまう可能性があります。成分表示をよく確認しましょう!

キシリトールを摂取する際の注意点

キシリトールは多量に摂取すると、お腹が緩くなる場合があるため1日の摂取量20~30gを守るようにしましょう。
ガムやタブレットなど、手軽に摂取できる製品が多く販売されています。
市販のキシリトール製品を試すのも良いですが、より効果を求めるなら歯科専売のキシリトール製品がおすすめです。
しかし、キシリトールを摂取していれば虫歯にならないというわけではありません。食後の歯磨きはしっかりと行う必要があります。

キシリトール以外の虫歯予防も忘れずに!

矯正治療中は装置に食べ物が挟まりやすくなったり、歯磨きがしにくくなったりするため虫歯のリスクが高まります。
キシリトールはそんなリスクを軽減してくれる心強い味方ですが、あくまでも補助的なものと捉え、以下の点にも注意し矯正治療中の虫歯リスクを減らしましょう。

丁寧な歯磨き

矯正装置が付いているため、歯磨きはいつも以上に時間をかけて丁寧に行いましょう。
・歯ブラシは毛先が開きにくいものを選び、小さめのヘッドで細かく動かす
・矯正装置の周りの汚れは、歯間ブラシやデンタルフロスを効果的に活用する

札幌 矯正歯科

毎食後だけでなく、間食後もできる限り歯磨きをするよう上記ポイントを心がけましょう。

食生活を見直す

虫歯菌は砂糖を栄養にして酸を作り出し、歯を溶かしていきます。
そのため、食生活の改善も虫歯予防には欠かせません。
砂糖を多く含む甘いお菓子やジュースは控えめにし、ダラダラ食べは避け、時間を決めて食べるようにしましょう。
食事の内容は、野菜やタンパク質など、バランスの取れたものを心がけましょう。

定期的な歯科検診

カウンセリング 問診

定期的に歯科医院を受診することも大切です。自分では落としきれない汚れや、歯石の除去は、歯科医院でのプロのケアが必要です。
定期的な検診を受けることで、虫歯の早期発見・治療にもつながります。目安は、3ヶ月に一度、歯のクリーニングを受けフッ素塗布もしてもらいましょう。

最後に

キシリトールは虫歯の原因菌を弱体化させたり唾液の分泌を促したりすることで、虫歯予防に効果を発揮します。
歯列矯正中は、装置の影響で歯磨きがしづらくなり、虫歯のリスクが高まりますが、キシリトールを上手に活用することでリスクを軽減できます。
ガムやタブレットなど手軽に摂取できる製品も多くありますが、矯正中は装置に付着しにくいタブレットがおすすめです。
毎日の歯磨きや定期的な歯科検診と合わせて、キシリトールも習慣化させていきましょう。

ご一読いただき、ありがとうございました☆彡

関連ページ