投稿日:2023.6.30
口の乾燥と歯並びは関係がある?ドライマウスの原因と改善方法
こんにちは^^札幌キュア矯正歯科です♪
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皆さんは、「口の中が乾きやすい」「食べ物が飲み込みづらい」「朝起きた時に唾液がネバネバする」などの症状を感じたことがありますか?このような症状は、口腔乾燥症(ドライマウス)である可能性が高いです。今回は、口の中の乾燥の原因と症状別の対策について詳しくご説明します。
口腔乾燥症(ドライマウス)とは
口の中の唾液が減り、乾燥が続く症状を口腔乾燥症(ドライマウス)と呼びます。唾液の分泌量が減少し、循環が悪くなることで引き起こされます。乾燥に伴い、食事の飲み込みづらさや、口の中がヒリヒリ痛むなどの不快な症状が起こります。
口の中の乾燥が起こる5つの原因
①生活習慣
● 口呼吸
鼻炎などの鼻の疾患や習慣で口呼吸をしている方は、唾液が蒸発しやすく口の中が乾燥しやすくなります。また、出っ歯や受け口などの歯並びの影響で唇が閉じにくい方は、安静時に口が開いたままになることが多く、口呼吸になりやすい傾向があります。
● 飲酒・喫煙
日常的な飲酒や喫煙が口の中の乾燥を招くことがあります。アルコールを飲むと利尿作用により、体から水分が排出され脱水を起こしやすくなります。コーヒーなどのカフェインにも利尿作用があるため摂りすぎには注意しましょう。喫煙はニコチンにより血管が収縮し血の巡りが悪くなります。これによって唾液の分泌が悪くなります。
②ストレス
唾液腺は自律神経の影響を受けやすく、大きなストレスにさらされると、緊張により交感神経が刺激されて唾液の分泌が抑制されます。また、緊張状態で分泌される唾液は粘液性が高く、ネバネバとしており、口の中の乾燥を感じやすくなります。
③水分の摂取不足
水分の摂取量が減ることで口の中が乾燥するリスクが高くなります。成人が1日に摂取する水分は約2〜2.5リットルです。適切な水分補給を心がけましょう。
④老化
加齢によって唾液腺が収縮し、唾液の分泌が減少します。また、歯の本数が減少してしっかり噛めなくなることや、咀嚼筋力の低下も唾液の分泌量を減少させます。加齢に伴う基礎疾患や薬の服用、水分摂取の不足もドライマウスの原因となります。
⑤薬の副作用
抗うつ薬、精神安定剤、抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)、抗てんかん薬、降圧剤、鎮痛剤、睡眠導入剤など、700種類以上の薬が口腔乾燥を引き起こす可能性があるとされています。
⑥疾患がある場合
口腔乾燥症が起こりやすい疾患は、糖尿病、高血圧、脱水症、シェーグレン症候群などが挙げられます。特にシェーグレン症候群は、ドライマウスが主な症状として挙げられます。
唾液の働きや効果
1日の唾液の分泌量は約1〜1.5リットルで、常に唾液が流れて循環していることで口腔内の健康維持に重要な役割を果たしています。唾液は、口の中の食べかすを洗い流し、細菌の増殖を防ぎ、歯周病や虫歯の発生を抑制する働きがあります。また、食事や細菌が酸を出すことで口の中が酸性に傾いたときに中性に戻す働きがあり、この作用によって口の中のpH(イオン濃度)バランスを一定に保っています。さらに、歯の小さな傷や溶け始めたエナメル質の再石灰化を促し、口の中を潤わせることで乾燥による舌や粘膜の痛みから守ります。
唾液が減少することで起こる症状
口腔乾燥症の軽度な症状には、口の中のネバネバ感や、歯垢の残りやすさからくる口臭の悪化があります。口の中の乾燥が続くと、口内や舌に痛みを感じたり、会話がしづらくなったり、口臭がきつくなるなど、不快な症状が増えてきます。さらに、食事が飲み込みにくくなることで栄養不足や不眠を引き起こし、全身の健康に影響を及ぼすこともあります。
口内が乾燥した時に起こりやすい症状
● 舌の痛みやひび割れ
● 口の中がネバネバする
● 食べ物の味を感じにくい
● 会話がしにくい
● 息が臭くなる
● 睡眠時に喉が渇いて目が覚める
● 食べ物が飲み込みにくい
● 口の中がヒリヒリしたり赤くなる
口腔乾燥症によるリスク
唾液は口腔内の健康を維持するために重要な役割を果たしています。唾液が減少し、口の中が乾いてしまうと以下のようなリスクがあります。
● 虫歯や歯周病
● 口の中の傷や口内炎が起こりやすく治りにくい
● 舌や粘膜の痛み
● 口臭の悪化
● 味覚障害
● 嚥下障害
● 口腔内の感染症(口腔カンジダ症など)
歯並びの悪さで口の中が乾燥することも出っ歯や受け口などの不正咬合は、口呼吸になりやすく口の中の乾燥に悩む方も少なくありません。歯の傾きや突出により、唇が閉じにくいため、頑張って口を閉じていても疲れてしまい、口がぽかんと開いている状態が続いてしまうからです。また、逆に口呼吸をしていることで、口の周りの筋肉が衰えて歯並びが悪化してしまうこともあります。このような原因がある場合には、口呼吸と歯並びを改善することで、口の中の乾燥を改善できることがあります。
口の中の乾燥を改善する方法
生活習慣を見直す
喫煙や飲酒など、口呼吸の原因となる生活習慣に心当たりがある場合には、その頻度や量を見直し、日常生活を改善することが重要です。また、口で呼吸していることに気づいたら、鼻呼吸に切り替えるように意識しましょう。アレルギーや鼻炎で鼻が詰まり、呼吸がしづらい場合には耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。また、食事の際に咀嚼回数が少ない場合は、咀嚼回数を増やすことで唾液腺が刺激され、唾液の分泌量が増えます。理想としては一口に30回程度噛むように意識しましょう。
唾液腺マッサージ
唾液腺マッサージとは、耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つの主要な唾液腺を顔の外側から刺激し、唾液の分泌を促す方法です。数回繰り返すことで、唾液の分泌を実感することができます。食事前に行うと、舌の痛みや飲み込みづらさを和らげる効果あるため、特におすすめです。簡単にできるので、口の中の乾燥が気になるときにぜひ取り入れてみてください。
● 耳下腺:耳の付け根に指をあてて、後ろから前へ円を描くようにほぐす。
● 顎下腺:耳の下から顎先まで、下顎の骨の内側をずらしながら5カ所程親指で押す。
● 舌下腺:下顎の中央、舌の付け根あたりの柔らかい部分を両手の親指で押し上げる。
矯正治療を受ける
矯正治療によって口呼吸の原因となる歯の傾きや突出を改善することで唇を閉じやすくなり、口呼吸を改善させることができます。また、噛み合わせが改善すると、咀嚼機能も改善され食べ物をしっかりかめるようになり、唾液が分泌しやすくなります。
口腔内を保湿する
水分を定期的に意識して取り、口の中を保湿することも大切です。また、口腔内専用の保湿剤や、マウスウォッシュ等を使うことで保湿する方法も効果的です。ドラックストアやインターネットでも購入することができます。保湿剤にはジェルやスプレー、リキッドタイプなどさまざまな種類があるため、自
分に合ったものを選ぶようにしましょう。
薬の服用
唾液の分泌を促す内服薬や漢方を処方してもらい、服用することもできます。症状がある場合は一般内科や歯科に相談しましょう。
その他
口呼吸の原因となっている病気の治療をすることで症状が軽快する場合があります。その場合は病気の治療を優先した方が良いです。また、内服している薬の副作用によって乾燥が生じている場合には、一度かかりつけ医と相談してみても良いでしょう。
最後に
口腔乾燥症は、多くの方が経験する不快な症状です。口腔乾燥症の原因は人によって異なり、さまざまです。飲酒や喫煙などの習慣に心当たりがある場合、生活習慣を見直すことが大切です。また、唾液腺マッサージや水分補給、薬の使用など、症状を軽減する方法を実践しましょう。それでもなかなか改善がみられない場合は、歯科や一般内科を受診し、相談することをおすすめします。日常の口呼吸が、出っ歯や受け口などの歯並びの乱れによるものであれば、矯正治療を受けることで改善できる場合があります。歯並びの乱れがお困りの際は、当院へお気軽にご相談ください。
ご一読いただき、ありがとうございました☆