投稿日:2023.3.22
矯正治療はいつ始まった?古代から続く歴史ある治療
札幌キュア矯正歯科です。
当院のブログを見つけてくださりありがとうございます。
現代では歯列矯正をする方は多く、一般的に広く行われるようになっています。
矯正治療の方法も「ワイヤー矯正」「裏側矯正」「マウスピース矯正」など様々です。
実は矯正治療は、とても長い歴史を持つ治療だということを知っていますか?
今回は、矯正治療はいつから行われるようになったかやその歴史についてお話していきたいと思います。
目次
矯正治療ってどんな治療?
矯正治療は、装置を用いて「歯並びや噛み合わせを整える」治療です。
歯科では「矯正治療学」という分野で、顎や顔の正常な発育や機能の獲得のために行われます。
矯正治療の始まりについてお話する前に、現在行われている治療について簡単にご説明いたします。
現代の矯正治療
現在歯並びを整えるために行われている治療方法は、以下のようなものです。
①ワイヤー矯正(表側矯正)
歯の表側にブラケットという装置をつけ、そこにワイヤーを通して引っ張り歯を動かします。適応できる歯並びの範囲が広いのが特徴です。
見た目に配慮された色の装置も出ていますが、見える部分に装置をつけるため見た目が気になりやすいというデメリットもあります。
②裏側矯正
装置が目立たないように、歯の裏側に装着して矯正治療を行っていきます。
表側矯正(ワイヤー矯正)に比べて難易度が高いため、歯科医師の技術力や経験が求められます。
③マウスピース矯正
透明の複数枚のマウスピース装置を順番に装着することで、少しずつ歯を動かす方法です。
装置が目立ちにくく、取り外し式のため食事や歯磨きに支障がないというメリットがあります。
ただし装置を指示通りに自分でつける必要があるため、自己管理が非常に大切です。
これらを押さえた上で、矯正治療がどのように始まったのか順を追ってお話していきます。
長い年月をかけて研究されてきたものだということがおわかりいただけると思いますので、ぜひご覧になってみてくださいね。
矯正治療の始まりは2000年以上前!?
紀元前800年頃の古代イタリアのエトリルア遺跡から「矯正治療をしていたのではないか?」と思われる少女の頭蓋骨が発見されているそうです。
なんと「下の前歯から小臼歯にかけてバンドが装着されていた」といいます。
また古代ローマの遺跡から発見された文献には、子供の歯並びについて言及された記述があり、
ローマの医師は「歯が生えてきたら、正しい位置に指で押すように」とも教えていたそうです。
現代の「歯科矯正学」が誕生するよりずっと前から、歯は動かすことができることを知っていたのですね。
こんなにも以前に現代も行っている治療に繋がる考え方がされていたとは、とても興味深いことではないでしょうか。
近代の矯正治療の始まりはいつ?
近代の始まりは、西暦1700年代のフランスの歯科医師ピエール・フォシャールがきっかけだといわれています。
彼は「歯科外科医 あるいは歯の概論」という著書を出していましたが、その装置は理論的ではあるものの実用的ではなかったようです。
その後何年何百年とかけて色々な方法が発明されていきましたが、その中で現在に繋がっているとされる治療方法があります。
ここではそのうちのいくつかをご紹介いたします。
現在の矯正治療の基礎!エッジワイズ法
こちらはとても有名で、1903年にアメリカの歯科医師であるエドワード・アングレイ氏が発明した方法です。
彼の名前から名付けられ、別名「アングル法」ともいわれています。
彼は19世紀末頃から20世紀ころに活躍し「歯科矯正学の父」と呼ばれるほど大きな功績を残した人物です。
エッジワイズ法はブラケット装置のついたバンドを歯に装着し、そこにワイヤーを通して力をかけることで歯を動かしていきます。
お気づきになられた方もいらっしゃるかもしれませんが、現在行われている「ワイヤー矯正」と似ていますよね。
お察しの通り、この方法が元となっているそうです。
現代の矯正治療に影響を与えたベッグ法
1954年には、オーストラリアの矯正歯科医レイモンド・ベッグが「ベッグ法」を提案しました。
これは現在のワイヤー矯正やマウスピース矯正にも影響を与えた方法で、エッジワイズ法との違いは「かける力の大きさ」です。
ベッグ法は継続的に弱い力をかけることで歯を動かしていく方法で、現在のワイヤー矯正やマウスピース矯正に大きく影響したといわれています。
裏側矯正は日本で誕生!日本の矯正治療はどうやって始まった?
日本で本格的に矯正治療が普及し始めたのは、戦後の1950年代だとされています。
それ以前はまだ実用的ではなく、実験的に行われているようなものだったようです。
そのため、アメリカに学びに行く先生方も多くいたといわれています。
1971年に東京医科歯科大学の三浦不二夫教授が、歯に直接ブラケット装置を接着する「ダイレクトボンディング法」を開発しました。
その後、1978年に藤田欣也先生によって「裏側矯正」が発表されます。
藤田先生の発表した「フジタメソッド」は、当時歯列矯正が多く行われていたアメリカでも開発が進みましたが、
専門性が高いために徐々に衰退してしまったようです。
しかし日本を含むアジアやヨーロッパでは、装置が目立つことに抵抗のある方々へのニーズに合った治療方法として、現在も広まっています。
当院にも「できるだけ目立たないように歯列矯正をしたい」と裏側矯正のご相談をされる方が多くいらっしゃいますよ。
ただし裏側矯正は専門的な技術や経験が必要で、裏側矯正を行っている歯科医院は限られています。
もし裏側矯正を検討されているのであれば、より多くのケースを経験している歯科医院を選ぶと良いでしょう。
マウスピース矯正が登場!
恐らく皆さんご存じだと思いますが、マウスピース矯正は比較的新しい治療方法です。
1999年にアメリカでマウスピース矯正「インビザライン」がスタートしてから現在にかけて、同様にマウスピースを用いた様々な方法が生まれてきました。
開始された当初は、まだまだ「矯正治療といえばワイヤー矯正」「マウスピースではワイヤーほど歯を動かせない」という認識でしたが、
現在は対応できる幅が広がり多くの方に認知されています。
デジタル化によりマウスピース矯正はさらに身近に
ここ20年で歯科治療はデジタル化が進み、同じく歯列矯正も今までとは違う方法でできるようになりました。
今までは歯が動いて歯並びが変わるたびに歯の型取りをしなければなりませんでしたが、それも必要ありません。
口腔内スキャナーが登場し、お口の中を小型のカメラのような機械でスキャンするだけで歯型をデジタル化して取り込むことができるからです。
通院回数も少なく済むため、患者様のご負担を小さくしながら治療を受けていただけるようになりました。
また、デジタル化することで最終的な歯並びの仕上がりをシミュレーションすることも可能です。
治療を始める前にどのような歯並びになるのかイメージを把握できることは、患者様にとっても嬉しいことではないでしょうか。
このように矯正治療は、古代からたくさんの方に研究されて開発が繰り返されてきました。
想像していたよりもずっと長い歴史があるのだと、驚いた方もいらっしゃると思います。
これだけ研究されてきたというしっかりとした土台がある治療だということは「歯並びを整えようかな」と
思った際の1つの安心材料にもなるのではないでしょうか。
患者様一人ひとりに合った矯正治療をご提案いたします
今回は、矯正治療がどのように発展してきたのか歴史をたどってお話しました。
紀元前に行われていた矯正治療は「指で歯を押す」という装置を用いることのない方法でしたが、
現在は「ブラケット装置」や「マウスピース型装置」などを使った機械的な治療が主流になっています。
食生活や生活習慣の変化で、私達の歯並びやお口の環境も変わってると思います。それに合わせて、
矯正治療の方法も複雑に変化しているといえるのではないでしょうか。
札幌キュア矯正歯科では「ワイヤー矯正」「裏側矯正」「マウスピース矯正」など複数の治療方法を取り扱っております。
それぞれに特徴やメリット・デメリットがあり、患者様のご希望や歯並びの状態によって適した方法も異なります。
もし気になる治療方法がございましたら、ぜひ一度ご相談にいらしてくださいね。わからないことやご不安なことなど、何でもお話いただけたらと思います。
ご一読いただき、ありがとうございました。