投稿日:2022.5.24
上下の歯並びがズレる原因とは?正中のズレと矯 正治療を解説
みなさんこんにちは。札幌キュア矯正歯科です。
いつも当院のブログをご覧いただきありがとうございます。
「鏡を見るたび、なんだか顔が左右対称じゃない気がする 」「笑顔になったとき、口元のバランスが気になる 」
もしあなたがこのようなお悩みを抱えているなら、その原因は歯並びの中心(正中線)のズレにあるのかもしれません。
顔の歪みは、自分ではどうしようもないと諦めてしまいがちですが、歯並びが原因であれば、矯正治療によって改善が期待できます。
今回は、前歯の中心が上下でズレる原因、放置するリスク、治療法について解説します。
目次
前歯の正中がズレているか確認してみよう

前歯(左右の中切歯)の中心部分にある縦のラインが「正中線(せいちゅうせん)」です。
この正中線は、歯列の対称性の指標として考えられています。
鏡を使って簡単に確認できますので、ぜひ一度チェックしてみてください。
【セルフチェック】
- まず、まっすぐ鏡の前に立ち、お顔の中心(眉間・鼻の頭・顎の先を結んだ線)を意識します。このラインに対して上の歯の正中線が大きくズレていないかを見てみましょう。
- 次に、「イー」と軽く歯を噛み合わせた状態で、上下の歯の正中線が一直線に並んでいるかを確認します。
上下の前歯のズレが1〜2㎜程度であれば問題がないことがほとんどですが、2㎜以上の大きなズレがある場合は、顔が左右で歪んでいたり、噛み合わせの機能的な問題が生じやすくなります。
上下の歯のズレが起きる原因
なぜ、歯の中心はズレてしまうのでしょうか。その原因は一つではなく、生まれつきの要因から日々の生活習慣まで、様々なものが考えられます。
1.歯の大きさ・本数の左右差
歯の数や歯の大きさが左右で異なる場合、歯並びが上下でズレる原因になります。
生まれつき歯の数が少ない「先天的欠如」がある場合は、乳歯から永久歯の生え変わりがうまくいかず、歯並びに影響があります。
また、歯の大きさは遺伝的な要因や、歯の形成異常で変わります。
歯の大きさが平均のサイズよりも小さい「矮小歯(わいしょうし)」は2番目の前歯(側切歯)に起こりやすく、片側だけ矮小歯があると、歯並びに左右差が生まれるため、正中のズレが生じやすくなります。
2.顎の骨格の歪み
歯が並んでいる土台、つまり顎の骨そのものが左右非対称に成長したり、歪んでいたりするケースです。
これは遺伝的な要因も考えられますが、実は後天的な癖が大きく影響していることも少なくありません。
後ほど詳しく解説しますが、頬杖や片側だけで噛むといった毎日の無意識な行動が、少しずつ顎の骨格を歪ませ、正中線のズレを引き起こします。
3.歯の生え方の乱れ
顎の骨格に問題がなくても、歯の生え方自体が乱れていると、正中線はズレてしまいます。
例えば、歯が重なり合ってガタガタに生えている「叢生(そうせい)」や、いわゆる「八重歯」が片側だけにあるような状態では、歯列が左右非対称になり、中心がズレやすくなります。
4.親知らずによる圧迫
多くの場合、親知らずは成人してから生えてきますが、現代人の顎は小さく、まっすぐ生えるスペースがないことがほとんどです。
斜めや横向きに生えてきた親知らずが、手前の奥歯をグイグイと押し続けると、その力はドミノ倒しのように前歯にまで伝わります。
この押される力が左右で均等でない場合、歯列全体が歪み、正中線のズレにつながることがあるのです。
5.抜けた歯を放置した場合
虫歯や歯周病、あるいは不慮の事故などで歯を失った後、「1本くらい大丈夫」とそのままにしていませんか?
歯が抜けたスペースがあると、両隣の歯はその空間に向かって倒れ込んできます。
また、噛み合う相手を失った向かいの歯は、空いたスペースに向かって伸びてきます。
このような歯の移動がドミノ式に起こり、全体の噛み合わせと正中線を大きく狂わせてしまうのです。
日常の癖が顔や歯列に与える影響

「原因」の項目でも少し触れましたが、日々の何気ない癖が、あなたの顔のバランスや歯並びをじわじわと歪ませている可能性があります。
もし下記の癖に心当たりがあれば、今日から意識してやめてみましょう。
- 頬杖をつく:片側の顎に継続的な圧力をかけ、骨格の歪みを助長します。
- うつ伏せ寝・片側だけを向く横向き寝:長時間にわたり、片側の顎や歯列に不必要な力がかかります。
- 片側ばかりで噛む:片側の筋肉ばかりが発達し、顔の左右差や顎のズレにつながります。食事の際は、左右均等に噛むことを意識してみてください。
- 口呼吸:唇が歯を押さえる力が弱まり、出っ歯の原因になります。
- 指しゃぶり・唇や爪を噛む癖:特定の歯に不必要な力を加え続け、歯並びを乱します。
これらの癖を改善するだけでも、歯並びの悪化を防ぐことにつながります。
しかし、すでにズレてしまった歯並びや顎を元に戻すには、専門的な治療が必要になるケースがほとんどです。
ズレによって起こる4つのリスク
「少し中心がズレているだけ」と軽く考えていると、見た目の問題にとどまらず、お口や身体全体の健康にまで思わぬ影響が及ぶ可能性があります。
ここでは、正中線のズレによって起こりうる主なリスクを解説します。
見た目のバランスが崩れる

やはり一番気になるのは、見た目への影響でしょう。
正中線がズレていると、お顔の真ん中にある鼻や唇のラインとの調和が取れず、顔全体が歪んでいるような印象を与えてしまいます。
「人前で思いきり笑えない」「写真を撮られるのが苦手」など、笑顔に自信が持てず、精神的なストレスにつながってしまう方は少なくありません。
奥歯の負担・顎関節症

前歯の噛み合わせが悪くなると、前歯が担うべき役割を果たせず、その分の負担が奥歯に集中しやすくなります。
過度な力がかかり続けると、歯がすり減る「咬耗(こうもう)」や、歯にひびが入ったり欠けたりする「破折(はせつ)」を引き起こしかねません。
結果として、健康な歯の寿命を縮めてしまうおそれがあります。
噛み合わせが悪いと、顎に負担がかかり、「顎関節症」を引き起こすことがあります。
顎関節症は顎の痛みやカクカクと音がする症状があり、症状が悪化すると口が開きづらくなってしまう「開口障害」が起こることもあります。
また、顎周りの筋肉に負担がかかり続けると、頭痛や肩こりといった症状を引き起こすことも珍しくありません。
虫歯や歯周病リスク増加
歯並びがズレて歯が重なり合っている部分は、どうしても歯ブラシの毛先が届きにくく、磨き残しが多くなりがちです。
結果として磨き残しが増え、虫歯や歯周病の原因となる歯垢(プラーク)や歯石が溜まりやすい不衛生な環境になってしまうのです。これは、口臭の原因にもつながります。
正中のズレは矯正治療で治せる?

多くの場合、歯列矯正によって正中線のズレを改善することが期待できます。
ただし、ズレの原因によってアプローチの方法が異なります。
歯の生え方が原因の場合
歯が正しい位置に生えていなかったり、傾いていたりすることが原因であれば、歯を動かす歯列矯正が基本的な治療法です。
外から装置が見えにくい裏側矯正(舌側矯正)や、ご自身で取り外しができるマウスピース型矯正などがあります。
顎の骨格が原因の場合
歯列矯正だけでは根本的な改善が難しいケースでは、顎の骨の位置を整える外科手術を併用した矯正治療をご提案することがあります。
歯の形や大きさが原因の場合
歯の大きさや形に左右差がある場合(例えば、生まれつき歯が小さい「矮小歯(わいしょうし)」など)も、ズレて見える原因になり得ます。
この場合、まず矯正治療で歯を理想的な位置に並べた後、セラミックなどの被せ物で歯の形や大きさを補う治療を組み合わせることで、全体のバランスを美しく仕上げることが可能です。
私たち札幌キュア矯正歯科のような矯正専門の歯科医院では、まず精密検査でその原因を正確に突き止めることから治療が始まります。当院の症例写真はこちら
正中のズレは必ず治療すべき?

ズレが大きく見た目に影響していたり、噛み合わせの不調につながっていたりする場合には、矯正治療を受けるメリットは大きいでしょう。
しかし、顔に多少の左右差があることや、前歯の正中が1〜2㎜程度ズレることは決して珍しいことではありません。
噛み合わせに問題がなく、ご自身も見た目を特に気にしていないのであれば無理に治さなくても良いと判断されるケースもあります。
もちろん、患者さんが治療したいという希望がある場合は、正中のズレが許容範囲内であったとしても、歯列矯正を受けることが可能です。
ただし、矯正治療が完了するまで数ヶ月〜数年の期間がかかり、自費治療になることがほとんどです。
納得がいく治療を受けるためにも、ご自身の正中がズレている原因を知り、治療内容を確認した上で矯正治療を検討する方が良いでしょう。
ズレが気になるなら専門医に相談を
正中のズレが大きく目立つ場合、見た目にコンプレックスを感じることがありますが、わずかな正中のズレの場合は噛み合わせにほとんど影響がないため、過度に心配する必要はありません。
歯並びが原因の不正咬合は歯列矯正で改善することができます。
しかし、遺伝的な骨格の問題がある場合は、歯列矯正だけでは改善が難しく、外科処置が必要になることがあるため、事前に矯正歯科で検査を受けて治療内容を確認する必要があります。
また、日常生活での悪い癖を改善することで歯並びの悪化を防ぐことができます。
食事の時には左右の歯でバランスよく噛むことを意識したり、頰杖や、口呼吸などの癖を改善するように心がけることが大切です。
私たち札幌キュア矯正歯科は、矯正治療を専門とする歯科医院です。
精密検査で原因を的確に診断し、一人ひとりのお悩みに合わせた治療計画をご提案します。
上下の前歯のズレが気になる方や、矯正治療をお考えの方はカウンセリングを行っております。お気軽にお問合せ下さい。
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