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投稿日:2023.11.6

矯正で使用する「リンガルボタン」ってなに?

こんにちは!札幌キュア矯正歯科です。
矯正治療と聞くとブラケットとワイヤーを使った矯正装置やマウスピース矯正を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし、矯正治療には、他にも様々な装置が使われています。その一つが、「リンガルボタン」です。
これは、歯の表面に取り付ける小さなボタン型の装置で、歯を動かすサポートをしてくれます。
本記事では、リンガルボタンの役割、種類、注意点、よくある質問をまとめました。

リンガルボタンって?

リンガルボタンとは歯の表面に取り付ける小さなボタン型の装置のことです。

「リンガル」は「舌側」という意味なので基本的には歯の裏側に付けられますが、表側に付ける場合もあります。
当院では、患者さんの状況や治療方針に合わせてさまざまな種類のものを使い分けています。
たとえば、前歯など目立つ部分には、審美性を重視して透明な「クリアボタン」を使用しています。
一方、奥歯など見えにくい部分には、耐久性が高い金属製の「メタルボタン」を使用する場合が多いです。
ブラケットと比べて非常に小さく、簡単に取り付けることができるという特徴があります。

リンガルボタン

リンガルボタンの活用法

リンガルボタンは、表側矯正、裏側矯正、マウスピース矯正など、さまざまな矯正治療において活用されます。
その中でも代表的な活用法をいくつかご紹介します。

前歯を下げる

出っ歯気味で前歯を下げたい場合、効果を発揮します。
当院では、特に下の前歯を下げる際にリンガルボタンを使用することが多いです。
後ろから2番目の歯(第一大臼歯)と犬歯にリンガルボタンを取り付け、パワーチェーンと呼ばれる鎖状のゴムで連結します。
このパワーチェーンの弾性を利用して、前歯を徐々に後方へ移動させていくのです。
ちなみに上の前歯を下げる場合は、上顎にアンカースクリューと呼ばれる小さなネジを埋め込み、それを固定源として使用することがあります。

アンカースクリュー

顎間ゴムを引っ掛ける

上下の顎の位置関係や噛み合わせを調整するために使用する「顎間ゴム」。
この顎間ゴムをかけるための固定源としても活躍し、以下のような目的で活用されます。

● 上あごの歯を後方に動かす
● 歯を垂直に動かす
● 歯が斜めに動くのを防止する
● 噛み合わせのズレを改善する

顎間ゴムは衛生面と効果維持のため、1日1回以上新しいものに交換することをおすすめします。
表側矯正の場合は、ブラケット装置に直接顎間ゴムをかけますが、裏側矯正の場合は、歯の裏側に付けたリンガルボタンに顎間ゴムをかけます。
また、マウスピース矯正の場合でも顎間ゴムを使用する際に取り付けることがあります。

札幌 歯列矯正

歯茎に埋まっている歯を引き出す

歯が完全に歯茎から出てきていない状態を「埋伏歯」と言います。
埋伏歯は、そのまま放置すると周囲の歯の歯並びに悪影響を与えてしまう可能性があります。
リンガルボタンは埋伏歯を歯茎から引き出す際にも活用します。
まず、歯茎を少し切開し、埋伏歯の一部を露出させます。そして、露出した部分にリンガルボタンを接着します。
そこにワイヤーやゴムをかけ、力を加えることで埋伏歯をゆっくりと歯茎の外へ導き出すのです。

中には、接着面を柔軟に変形できるタイプのものも存在します。これにより、埋伏歯のように露出面積が少ない場合でも、しっかりと固定することが可能になります。

リンガルボタンを装着したときの注意点

リンガルボタンの装着時にはいくつか注意点があります。
事前に注意点を知っておくことで、治療中のトラブルを未然に防ぎ、スムーズに治療を進めることができます。

札幌 歯列矯正

慣れるまで舌への違和感がある

リンガルボタンを歯の裏側に装着した場合、最初は舌に違和感を感じることがあります。
特に、舌で触ってしまう癖がある方は、強い異物感を感じることがあります。
しかし、ほとんどの場合、数日から数週間で慣れてきますので、あまり心配する必要はありません。
もし、どうしても気になる場合は、担当の歯科医師に相談してみましょう。

発音しづらいことがある

リンガルボタンを装着すると、舌の動きが制限されるため、発音に影響が出ることがあります。
「サ行」「タ行」「ナ行」などの音が発音しづらくなる場合がありますが、これも舌が慣れてくると自然に改善されます。
発音の練習をしたり、ゆっくり話すことを意識することで早く慣れるでしょう。

丁寧なケアが必要になる

リンガルボタンはブラケットやワイヤーに比べて小さいため、歯ブラシが届きにくく、清掃が難しい場合があります。
そのため、丁寧にブラッシングするだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを併用して、歯垢や食べかすをしっかり除去することが大切です。

装置の破損に注意する

リンガルボタンは、強い力が加わると破損してしまう可能性があります。硬いものを噛んだり、粘着性の強い食べ物を食べるときは注意が必要です。
また、舌で触る癖がある方は、無意識のうちに装置に力を加えてしまい、破損の原因となることがあります。

リンガルボタンに関するよくある質問

ここでは、リンガルボタンに関するよくある質問について紹介します。

リンガルボタンはいつ使う?

使用時期は、患者さん一人ひとりの歯並びや治療計画によって異なります。
矯正治療の初期段階で使用するケースもあれば、歯並びが整ってきた治療後半で使用するケースもあります。
そのため、いつから使うのかは、担当の歯科医師に確認するのが一番確実です。

リンガルボタンはどれくらいの期間装着しますか?

装着期間も患者さんの状態や治療計画によって異なります。数ヶ月で外れる場合もあれば、治療期間を通してずっと装着し続ける場合もあります。

リンガルボタンは目立つ?

せっかく目立ちにくい裏側矯正やマウスピース矯正を選んだのに、目立ってしまうのは嫌ですよね。
当院では、前歯など人目につきやすい部分には、透明なクリアボタンを使用しています。そのため、ほとんど目立ちません。
奥歯など見えにくい部分には耐久性が高いメタルボタンを使用しますが、非常に小さいので、まず目立つことはありません。

リンガルボタン

リンガルボタンが外れた場合はどうしたらいいですか?

リンガルボタンは小さいので、残念ながら外れてしまうこともあります。
もし外れてしまった場合は、無理に自分で付け直そうとせず、すぐに歯科医院に連絡してください。
外れたまま放置しておくと治療計画に影響が出て、治療期間が長引いてしまう可能性があります。
なるべく早めに歯科医院を受診し、付け直してもらいましょう。

まとめ

リンガルボタンは、矯正治療で歯を動かすための補助装置です。
歯を動かすサポート役として前歯を下げたり、顎間ゴムをかけたり、埋伏歯を引き出す際に活用されます。
クリアボタンやメタルボタンなど種類もさまざまで、患者さんの状況に合わせて使い分けられます。リンガルボタンを使用することで矯正治療をより効率的に進めることが可能です。
装着時には、舌への違和感や発音しづらさ、清掃の難しさといった注意点もありますが、これらは一時的なもの。
疑問や不安があれば、気軽に歯科医師に相談してみましょう。
当院は、随時矯正相談を行っています。「私の歯並びは矯正できるの?」「治療期間はどれくらい?」「費用はどのくらいかかるの?」など、どんな些細な疑問でもお気軽にご相談ください。
また、「私の歯並びの場合、リンガルボタンは必要ですか?」といった、治療方法に関する具体的な質問も大歓迎です。ご予約お待ちしております。

札幌 歯列矯正

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