投稿日:2023.10.16
「歯茎の色が示すサイン・歯並びとの関連性」
こんにちは。札幌キュア矯正歯科です。
当院のブログを見つけてくださりありがとうございます。
皆さんは「歯茎の色」を意識してチェックしたことはありますでしょうか?健康な歯茎は歯と調和した外観を保っています。
これにより、矯正治療で整えた歯並びもさらに美しい状態にすることができます。
歯茎の色に、赤みや黒ずみなどの異常が見られる際には注意が必要です。
今回は、歯茎の健康状態によって変化がある「歯茎の色」について解説します。
目次
健康的な歯茎の状態について
歯茎(歯肉)は、歯の周りを取り囲む軟らかい組織で、口腔粘膜の一部です。この組織は歯を支える役割を果たします。
また、歯を安定させるだけでなく、口腔内の健康を守るために重要な役割を担っています。
歯茎は歯とピッタリ付着していることで食べカスや細菌などの侵入を防いだり、歯茎の中にある神経や血管を保護しています。
健康な歯茎は、淡いピンク色で歯をしっかりと包み込んでおり、引き締まっていて、腫れや出血がなく、表面は滑らかで
歯に密着していることが健康な状態の特徴です。
気になる歯茎の赤や黒の変色・その原因とは
歯茎の色が変わってしまう原因としては、いくつかの要素が考えられます。適切な診断を受け、原因を突き止めることが大切です。
①歯周病
歯周病は、歯茎の健康に深刻な影響を及ぼす最も一般的な原因です。
歯茎が赤く腫れ、出血を伴うことが多く、放置すると歯を支える骨が徐々に溶け、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあります。
歯周病に罹患すると歯茎に赤い炎症が生じます。また、進行した場合には歯茎の下に蓄積した縁下歯石が透け、赤黒く見えることが
あります。
②メタルタトゥー
メタルタトゥーは、金属製の歯科材料が原因で歯茎に黒ずみが生じる現象です。
銀歯などの金属から金属イオンが歯茎に移ることで、歯茎が黒ずんでしまうことがあります。
③喫煙
喫煙によって歯茎の毛細血管が収縮し、血行不良が起こると、歯茎が通常よりも黒ずむことがあります。
さらに、タバコの有害物質はメラニン色素を増加させ、体内のビタミンCも多く消費されるため、メラニンの沈着が進み、
これが歯茎の黒ずみの原因となります。また、喫煙は歯周病を悪化させるリスクも高める恐れもあります。
⑤遺伝
歯茎の色や形、健康状態に遺伝的な要素が影響を与えることがあります。
例えば、歯茎の色味を決めるメラニン色素の量は遺伝によって異なります。
また、歯周病にかかりやすい体質も遺伝によることがあります。
白くなる歯茎の原因
通常よりも白色の歯茎は、生活習慣による口腔内の異常や、病気のサインである可能性もあります。
異常を感じた際には、早めの検査を考慮するようにしましょう。
栄養不足や体調に関する原因
● 貧血や栄養不足:鉄分やビタミンCが不足すると血流が悪くなり、歯茎の色が薄くなることがあります。
生活習慣による影響
● 過度なブラッシング:歯茎を傷つけることで、部分的に白い歯茎になってしまうことがあります。
歯や口内の癖による影響
● 骨隆起:歯ぎしりや食いしばりなどの癖によって歯茎内の骨が盛り上がり、白っぽく見えることがあります。
口腔内の感染症や異常
● 口腔カンジダ症:免疫力の低下により、口内のカンジダ菌が異常に増えることで発症し、歯茎や口の中の粘膜が白くなることが
あります。
● フィステル:虫歯や外傷で神経が死んだり、治療した根の先で細菌が繁殖すると、膿が溜まり、歯茎に貫通し膿の出口となって
白いニキビのような膨らみが生じる場合があります。
口腔がん・悪性腫瘍
● 歯肉がん
歯茎に異常な色や腫れが見られる場合、歯肉がんの可能性も考慮する必要があります。
歯肉がんは早期発見であれば治療が可能ですが、進行すると治療が難しくなるケースがあります。
歯肉がんがある場合には、歯茎が赤や白っぽくなることがあり、他の歯茎の炎症や口内炎などと区別がつきにくいため、
症状が長引く場合は早めに専門医を受診し、適切な検査を受けることが大切です。
歯並びと歯茎の色の関係
歯並びの悪さが原因で、歯周病や虫歯が起こりやすくなることがあります。
歯並びが悪いと、歯ブラシが届きにくい場所ができ、細菌が繁殖しやすくなります。
その結果、歯茎に炎症が起こり、赤くなることがあります。歯並びを整えることで、これらの問題を予防できますが、
矯正治療を受ける際には適切なセルフケアを怠らず、プラークコントロールに十分な配慮をすることが大切です。
歯茎の色を改善する方法
①歯周病の予防・治療
歯茎に炎症が起こることで歯茎に炎症が起こり、赤い部分が広がることがあります。
軽度の歯周病は歯科医院での歯石除去やお家でのプラークコントロールを意識したセルフケアによって改善させることが可能です。
これにより、健康的な歯茎の色を取り戻すことができます。歯周病が進行すると、歯茎が退縮したり、歯がぐらついたりするため、
異常がない時期から定期検診やクリーニングを受けて予防することや、早期に治療を受けることが重要です。
②ガムピーリング
ガムピーリングは、歯茎の黒ずみがある部分に薬剤を塗布し、表面をわずかに剥がすことで歯茎の色を改善させます。
薬剤の他にもレーザーで治療する方法もあります。この方法はメラニン色素やメタルタトゥーによる黒ずみの改善に効果的です。
③金属を使わない補綴物を選ぶ
メタルタトゥーが黒ずみの原因になっている場合、ガムピーリングで一度改善しても、被せ物に使われている金属によって
黒ずみが再発してしまうことがあります。そのため、被せ物(補綴物)や土台の種類を金属を使用していないセラミックやジルコニア
などの素材に選ぶことで予防することができます。
健康的な歯茎を維持する習慣
健康的な歯茎を維持するためには、以下の習慣を心がけましょう。
①プラークコントロールを意識したセルフケア
プラーク(歯垢)は、歯の表面に蓄積される細菌の塊で、虫歯や歯周病の主な原因となります。
プラークを放置すると、やがて歯石に変わり、歯茎の炎症や口臭、さらに歯周病のリスクを高めることになります。
そのため、日々のセルフケアにおいてプラークコントロールを意識することが重要です。
歯と歯の間には歯間ブラシやデンタルフロスなどのアイテムを活用することで、より効果的にプラークを除去できます。
②禁煙
喫煙のニコチンなどの有害物質は歯茎の血管を収縮させ、免疫機能を低下させます。
歯周病の悪化も招くため、様々な面から歯茎の色を悪くさせる要因となります。
この、喫煙による歯茎の血行不良は、禁煙をすることで回復させることができます。
また、禁煙と歯周病治療を組み合わせることで、歯茎の炎症が減少し、口腔内の乾燥も防ぐことができるため、
歯周病の改善も結果が出やすくなります。
③定期的な歯科検診・メンテナンス
歯科健診をしている際に見えにくい箇所の歯茎の変色が発見されることもあります。
かかりつけ医での定期検診は、歯だけでなく、口腔内全体の状況も確認できるため、定期的にメンテナンスや
歯科検診を受けることもおすすめです。
まとめ
健康な歯茎は淡いピンク色で、歯並びの美しさも引き立てます。
一方、赤色や黒色、白色などの異常な色が見られる場合、歯周病や喫煙、金属素材の影響、口腔疾患の可能性など、
さまざまな原因が考えられます。特に家族に歯周病の方がいる場合は、予防に積極的に取り組むことが重要です。
適切な治療やセルフケアを取り入れることで、歯茎の健康を保ち、矯正治療の効果をより長持ちさせることができます。
また、歯並びが悪いと歯周病が進行しやすくなるため、矯正治療によって歯並びを整えることも、虫歯や歯周病の予防に効果的です。
美しい歯並びと健康で清潔な歯茎を保つことで、口元が一層魅力的になります。
この機会に歯だけでなく歯茎にも注目し、口腔全体の健康に目を向けてみましょう。
歯並びの乱れにお悩みの方は、当院のカウンセリングへぜひお気軽にご相談ください。→カウンセリングのご予約
ご一読いただき、ありがとうございました。