投稿日:2023.11.15
歯科矯正でポジショナーを使う意味や効果とは?
目次
歯科矯正でポジショナーを使う意味や効果とは?
札幌キュア矯正歯科です。
当院のブログを見つけてくださり、ありがとうございます。
整えた歯並びは、できるだけ長く維持したいですよね。
実は、矯正装置を外した後こそが、美しい歯並びをキープするための正念場。
そこで必要なのが「ポジショナー」と呼ばれる装置です。
今回は、矯正治療後のアフターケアに欠かせない、頼れる相棒「ポジショナー」の効果と正しい使い方を徹底解説します。
ポジショナーとは
ポジショナーは、歯列矯正で整えた歯並びを固定させるために使用する、取り外し可能なマウスピース型の装置です。
柔らかく弾力のあるシリコン素材でできており、上下の歯列全体を優しく包み込むようにフィットします。
ポジショナーの役割
ワイヤー矯正などの装置を外した直後の歯は、まだ不安定な状態です。
時間をかけて動かした歯は、元の位置に戻ろうとする性質があり、これを「後戻り」と呼びます。
せっかくの矯正治療の効果が失われないよう、ポジショナーを用いて歯をしっかりと固定し、安定させる必要があるのです。
また、ポジショナーは、歯を細かく動かす役割もあります。
ワイヤー矯正などで歯を大きく動かした後、微妙に残ってしまった凹凸を細やかに調整し、噛み合わせを理想的な状態に仕上げることができるのです。
ポジショナーは、歯型を元に精密に作製されるため、患者さん一人ひとりの歯並びや噛み合わせにぴったりと適合します。
加えて舌で前歯を押すなどの「舌癖(ぜつへき)」を改善する効果も期待できます。
舌癖は、歯並びを悪化させたり、後戻りを引き起こしたりする原因の一つです。
ポジショナーを装着することで、舌が正しい位置に収まるようにトレーニングされ、無意識のうちに歯を押し出す力が抑制され、後戻りのリスクを軽減することができます。
ポジショナーはできるだけ長く装着する
ポジショナーは、できるだけ食事と歯磨きの時以外は使用するのが望ましいです。
特に就寝中は、無意識のうちに歯ぎしりなどをしてしまうこともあり、後戻りしてしまうことがあります。
装着する時間が長いほど効果がありますが、上下の歯全体を覆うため、装着したまま会話をすることは難しいことがあります。
日中の装着が難しい場合は、就寝時やご自宅でリラックスしている時間など、生活スタイルに合わせて無理なく装着時間を確保しましょう。
装着期間の目安は個人差があり
装着期間は、一般的に数ヶ月から半年が目安です。ただし、これはあくまでも目安。
積極的に歯を動かすことを目的として使用する場合は、その期間は症例によってさまざまであるため、一律に期間を定めることは難しいのです。
「ずっと着けていないといけないの?」と不安に感じるかもしれませんが、ご安心ください。ポジショナーは取り外し可能な装置です。
食事の時や大切なプレゼン、会話を多くする場面では、外して過ごしていただけます。
ライフスタイルに合わせて、無理なく続けられるのがメリットの一つです。
ポジショナーの洗浄方法
ポジショナーは、毎日お口の中に装着するものであるため、清潔に保つことが重要です。
基本は「水洗い」と「柔らかい歯ブラシ」
ポジショナーのお手入れの基本は、毎日の「水洗い」です。
外した際は、流水下で優しく洗い流しましょう。
この際、一緒に柔らかい歯ブラシを使って、優しくブラッシングすると効果的です。
力を入れすぎると傷がついてしまう可能性があるため、注意が必要です。
また、歯磨き粉には研磨剤が含まれていることが多く、ポジショナーの表面を傷つけ、雑菌の温床となる恐れがあります。
そのため、歯磨き粉の使用は避けましょう。
「マウスピース用洗浄剤」で、気になる匂いや汚れをスッキリ!
毎日の水洗いとブラッシングに加えて、週に数回、市販のマウスピース用洗浄剤を使用することで、より清潔に保つことができます。
洗浄剤は、水洗いだけでは落としきれない、目に見えない細菌や気になる匂いの元となる汚れを効果的に除去してくれます。
使用する際は、各製品に記載されている使用方法をよく確認し、指示に従って使用してください。
熱湯消毒はNG!変形の原因になります。
ポジショナーの素材は、熱に弱い性質を持っています。
そのため、熱湯で洗浄したり、煮沸消毒をしたりすると、変形してしまう恐れがあります。
変形したポジショナーは、歯に適切な力をかけることができなくなり、矯正効果を十分に得られません。
必ず、水かぬるま湯で洗うようにしましょう。
また、高温になる場所に放置することも避け、直射日光の当たらない、涼しい場所で保管してください。
当院ではマウスピース矯正で微調整を行います
ポジショナーは、その構造上、装着中の会話が難しく、日中の使用に抵抗を感じる方もいらっしゃいます。
特に、お仕事をされている方や学生さんにとっては、日常生活への影響が大きいというデメリットがありました。
当院では、矯正治療の最終段階における微調整に、「マウスピース矯正」を積極的に採用しています。
透明で目立ちにくいマウスピース矯正なら、日中も気にせずに装着することができ、周囲の目を気にせず、理想の歯並びを目指せます。
マウスピース矯正のメリット
マウスピース矯正の大きなメリットは、薄くて透明な素材を使用しているため、装着していてもほとんど目立たないことです。
さらに、ポジショナーとは異なり、上下の歯が独立した構造になっているため、装着したままでも比較的スムーズに会話をすることができます。
もちろん、マウスピース矯正もポジショナーと同様、装着時間が長ければ長いほど、効果を実感しやすくなります。
マウスピースの装着期間は、1日20時間以上です。
歯磨きと食事以外は装着する必要があるため、患者さんのご協力が非常に重要であることは変わりません。
マウスピース矯正へ移行
ワイヤー矯正による歯の移動が完了したら、マウスピース矯正へと移行します。
まずは、ワイヤー矯正の装置を外すタイミングで、レントゲン撮影、お口の中の3Dスキャン、お顔やお口の写真撮影など、詳細な資料を採取いたします。
これらの資料を基に、患者さん一人ひとりに最適なマウスピースを、専門の技工所にオーダーメイドで発注します。
マウスピースが出来上がるまでには、通常1ヶ月から1ヶ月半ほどかかります。
完成したマウスピースは、患者さんにお渡しし、装着方法などを丁寧に説明いたします。
マウスピースは、複数のセットを順番に使用し、段階的に歯並びを微調整していく方法が一般的です。
個人差はありますが、10セット前後のマウスピースを使用するケースが多く見られます。
まとめ
ポジショナーは、矯正治療後の歯並びを固定させ、後戻りを防ぐための重要な装置です。
また、噛み合わせの微調整や舌癖の改善にも効果が期待できます。
装着時間はできるだけ長く、特に就寝中の使用が推奨されます。
洗浄は水洗いが基本でマウスピース用洗浄剤の使用も効果的です。
熱湯消毒は変形の原因となるため避けましょう。
当院では、ポジショナーに加えてマウスピース矯正を行っており、より快適に微調整や後戻りを防ぐことが可能です。
ワイヤーでの矯正が終わったら矯正は終わりではなく、微調整を行うことで理想的な歯並びに近づけます。
当院では、矯正相談を随時行っています。歯並びが気になる方、自分に合った矯正方法を知りたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。