投稿日:2023.8.18
歯列矯正がたらこ唇改善に効く?
「歯列矯正でたらこ唇は治せるの?」と気になっていませんか?
結論から申し上げると、歯に原因がある場合にのみ歯列矯正で治療できます。
放置するとさまざまなトラブルにつながる可能性があるので、できるだけ早めの対処を心がけましょう。
こちらのページでは、たらこ唇の原因や治療法、放置するリスクについて分かりやすくまとめました。
現在たらこ唇でお悩みの方や、ご家族にたらこ唇の方がいる方はぜひご参考ください。
目次
歯列矯正で唇の厚みを変えることはできない
歯列矯正で治せるのは原因が「歯」にある場合のみです。
唇の厚みがたらこ唇の原因である場合は、美容整形外科など別のクリニックで対処する必要があります。
自己判断が難しい方は一度当院までご相談ください。
たらこ唇に見える唇の厚み以外の原因
歯並びが原因でたらこ唇に見えるケースも少なくありません。
どのような歯並びがたらこ唇を引き起こすのかについて以下で詳しくご説明いたします。
上顎前突
上顎の前歯が前方に傾斜している、または上顎全体が前方に突出している状態を指し、
唇が前に押し出される形になることでたらこ唇に見える場合があります。
前歯が前方に傾斜しているケースは歯列矯正のみで治療が可能ですが、
上顎全体が前方に突出しているケースでは骨格に問題がみられるため、外科手術が必要になる可能性があります。
口ゴボ
上下顎の前歯が前方に傾斜している、または上下顎全体が前方に突出している状態を指します。
上顎前突と下顎前突が同時に起こっており、原因が歯にある場合は歯列矯正で治療が可能です。
骨格に原因がある場合は外科手術が必要になる可能性があります。
過蓋咬合
上顎の歯列が下顎の歯列を過度に覆っている状態を指します。
奥歯で噛んだ状態を正面から見たときに下顎の前歯がほとんど見えないのが特徴です。
下顎が小さいことで上顎が前に出ているように見えたり、上唇が目立って見えたりすることがあります。
下顎全体が後退している場合もそのように見えやすいため注意が必要です。
たらこ唇を引き起こす歯並びの要因について
上顎前突や口ゴボ、過蓋咬合は、先天的または後天的な問題によって引き起こされます。
主な要因を以下でくわしく見ていきましょう。
先天的要因
先天的要因は「遺伝」です。
骨格や歯並びは遺伝しやすく、軽度の骨格の問題は顎骨の成長期に小児矯正を行うことで改善できます。
成人矯正は顎骨の成長期が過ぎた時期に行うため、装置を使っても顎骨の位置や大きさを変えることはできません。
後天的要因
上顎前突や口ゴボの場合、先天的要因として
「長期の指しゃぶり」「舌で前歯を押す癖」「唇を噛む癖」「口呼吸」「唇の筋力の弱さ」などが考えられます。
過蓋咬合の場合は、下顎骨の成長不足または上顎骨の過度な成長が挙げられ、人によって程度が異なるのが特徴です。
口周りの癖が残っている場合は、歯列矯正を行っても後戻りしやすいため注意しなくてはいけません。
たらこ唇を歯列矯正で治す場合の最適な治療法は?
歯列矯正でたらこ唇を治す場合、以下の治療法が選択可能です。
メリットだけでなくデメリットや注意点も正しく理解して納得のいく治療につなげましょう。
ワイヤー矯正(表側矯正)
歯の表面にブラケットとよばれる装置を貼り付けて、そこにワイヤーを通して歯を動かす方法です。
昔ながらのやり方ですが歯を1本1本固定できるため重度の症例でも対応でき、仕上がりが理想どおりになりやすいので現在でも多くの方が行っています。
装置が歯の表面につくため人目につきやすく、装置の感覚に慣れるまでに時間がかかる点がデメリットとして挙げられます。
唇の裏側に外傷性の口内炎ができることもありますが、専用のワックスで装置で覆うと接触する刺激が和らぐのでご安心ください。
上顎前突や口ゴボなど前歯が前方に出ているケースでは、装置の厚み分さらに唇が前に出て見える可能性があるため、程度によっては別の治療法をおすすめします。
裏側矯正(舌側矯正)
歯の裏面にブラケットを貼り付けて、そこにワイヤーを通して歯を動かす方法です。
装置が正面から見えないため審美性が高く、かつワイヤーの強みを活かすことができます。
装置が舌にあたる感覚に慣れるまで時間がかかる傾向にあり、舌に外傷性の口内炎ができたり、
滑舌が一時的に悪くなったりすることがあるため、その点は注意が必要です。
装置の厚みで唇が盛り上がる心配はありませんが、発音や滑舌に支障をきたす可能性があります。
講演や電話対応など喋ることがメインのお仕事をされてる方は別の治療法が良いでしょう。
表側矯正よりも高い技術が求められる裏側矯正(舌側矯正)は、歯科医院によっては取り扱っていない場合もあります。
気になる方は事前にご確認ください。
ハーフリンガル矯正
上顎を裏側矯正で、下顎を表側矯正で行う方法です。
表側矯正と裏側矯正(舌側矯正)のデメリットを抑えた治療法で、人目につきやすい上顎を裏側矯正にすることで笑ったときの印象が変わりにくく、
下顎を表側矯正にすることで発音や滑舌に影響する心配がありません。
上下顎裏側矯正(舌側矯正)で行うよりも費用を抑えられるのもメリットの一つです。
裏側矯正(舌側矯正)と同じく、歯科医院によっては取り扱っていない場合がありますので注意しましょう。
マウスピース型矯正
マウスピース型の装置で歯列全体を覆って歯を動かす方法です。定期的に装置を変えることで歯が動く仕組みになっています。
装置が透明で目立ちにくく、取り外しが可能なため食事やお手入れが今までどおり行えるのが特徴です。
歯が動く範囲が毎回ほとんど同じで、歯科医師の力の入れ具合によって範囲が左右されるワイヤー矯正にくらべると強い痛みを感じにくい傾向にあります。
しかし、微調整がしにくく、追加で装置が必要になったり治療期間が予定よりも長くなったりすることがありますので、その点は注意しましょう。
また、患者様自身で定期的に装置を交換していただく必要があり、かつお口のなかと装置を毎回別々に洗って管理しなくてはいけません。
自己管理が苦手な方は別の治療法がおすすめです。
「歯」が原因のたらこ唇を放置するリスク
歯が原因のたらこ唇の場合、放置することで以下のトラブルにつながる可能性があります。
全身の健康に悪影響を及ぼすこともありますので、早めの治療をご検討ください。
見た目への影響
周囲の視線が唇に向けられやすいことで、精神的ストレスを感じる可能性があります。
自信を持って過ごすためにも、早めの改善がおすすめです。
虫歯や歯周病になりやすくなる
歯並びが崩れていると歯ブラシの毛先が歯面にあたりにくくなるため、磨き残しがおこります。
その結果虫歯や歯周病のリスクが上がり、お口全体の環境が悪くなる可能性がありますので注意しましょう。
噛み合わせの崩れ
歯並びの崩れは噛み合わせにも影響します。
噛み合わせの崩れを放置すると、一部の歯のヒビや破折、顎関節症を引き起こすことがあるので注意が必要です。
歯並びの悪化
歯並びが崩れた原因が口周りの癖である場合は、今後悪化する可能性があります。
癖は矯正治療では改善することができないため、意識して直したりMFTという特殊なトレーニングをして口周りの筋力を強くする必要があります。
たらこ唇の原因をはっきりさせたい方は一度当院までご相談を
たらこ唇の原因は複数存在し、歯に問題があれば矯正治療で改善が可能です。
見た目の問題はもちろん、虫歯や歯周病のリスク増加、噛み合わせの崩れ、歯並びの悪化などにつながる可能性がありますので放置するのはおすすめできません。
たらこ唇が気になる方は一度当院までご相談ください。
原因を明確にして患者様に合った最適な治療法をご提案いたします。