投稿日:2023.12.18
受け口で見た目が悪いのは矯正で治る?
こんにちは!札幌キュア矯正歯科です^^
当院のブログを見つけてくださり、ありがとうございます。
お顔のパーツの中で口元が気になる方は、「歯列矯正したら見た目が良くなるのでは?」と一度は気にした事があるのではないでしょうか?口元が気になると人前でうまく笑えなかったり、せっかくの笑顔を手で隠してしまったり・・・。口元で悩まれる方は多いです。口元が気になる方には出っ歯(上顎前突症)、受け口(反対咬合・下顎前突症)、口ゴボ(上下額前突症)など、色々な原因で気になる方が多いかと思います。これらは歯列矯正で見た目を改善できる可能性があります。今回はその中で受け口(反対咬合・下顎前突症)の場合をご紹介していきます。
目次
受け口(反対咬合・下顎前突症)とは
受け口(反対咬合・下顎前突症)とは、本来上の歯が下の歯より前で噛む状態に対して、下の歯の方が前で咬んでいる状態であることをいいます。他にも下顎前突症(かがくぜんとつしょう)などとも呼ばれています。受け口は歯性と骨格性に分かれており歯並びによるものか、骨格によるものかに分かれます。歯性によるものは歯列矯正で歯並びや嚙み合わせを治すことで受け口が改善されます。一方、骨格性のものは上顎が小さく下顎が大きいなど骨格のバランスが原因の為、歯列矯正に加えて外科的手術が必要になる場合があります。
受け口になる原因
受け口になる原因は先天性と後天性に分かれます。
先天性
親の歯並びや骨格は遺伝します。特に骨格性の受け口は親が受け口だと子供も同じ症状を発症する確率が高いです。歯性は歯の奇形や先天欠如など下顎より上顎の歯の本数が少なかったり、歯の大きさが小さかったりすると受け口になります。
後天性
幼少期に行っていた癖などで受け口になってしまう場合があります。特に成長発育の過程に行っていた癖は大きく関係します。
- 低位舌:舌は安静にしているとき、上顎の前歯の後ろ、スポットと呼ばれるところに置いてあるのが通常ですが、そこから舌が離れてしまい下顎方向に舌が下がっている状態を指します。その状態だと、下の前歯を舌が押してしまい受け口の原因になります。
- 舌突出癖:会話や食事中に舌を前方に出してしまう癖のことをいいます。上下の前歯を押す状態になり上下の前歯が嚙み合わない開咬という症状や上より下の前歯に力がかかると、これも低位舌と同様に受け口の原因となります。
- 唇を嚙む癖:特に上唇を噛む癖があると上の前歯が後ろに傾き、下の前歯は前側に傾き、受け口の原因になります。
- 口呼吸:口で呼吸をすると舌が下に下がり低位舌と同じ状況になるのと、舌により気道が圧迫され下顎を前に出して呼吸をする状態が長く続くと受け口の原因になります。
治療方法は大きく分けて2つ
歯列矯正
上の歯が下の歯より前で咬む状態に対して下の歯の方が前で咬んでいる状態など、歯並びが原因の受け口の場合は歯列矯正で治すことができます。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正には表側矯正・裏側矯正・ハーフリンガル矯正の3種類があります。表側矯正は歯の表面に装置とワイヤーを装着するもので、裏側矯正は歯の裏側に装置とワイヤーを装着します。ハーフリンガル矯正は、上が裏側、下が表側に装置とワイヤーを装着します。ワイヤー矯正は基本的に適応症例が幅広く、たくさんの悩みを改善することができます。表側矯正は歯の表側に装置を装着するので目立ちますが、費用が3種類の中で最も抑えることができます。裏側矯正は装置を歯の裏側に装着するので目立ちにくいですが、装置に慣れるまで発音がしにくいところと費用が1番高くなります。発音障害は一時的なものなのであまり心配する必要はありません。以前は裏側矯正より表側矯正の方が、治療期間が早く終わるとされていましたが、医療技術も進歩していて現在では治療期間に差はほとんどありません。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は1週間か10日間ごとに少しずつ形の異なるマウスピースを交換していきながら歯を動かしていく矯正方法になります。マウスピースが透明なので目立ちにくく取り外しができるので歯磨きもしやすいです。ただ、適応症例が限られているのと、取り外しができるのでマウスピースの装着時間等、自己管理を徹底しないと効果がありません。少しでもマウスピース装着時間をサボってしまうと計画通りに歯が動かず、結果的に最初に予定していた治療期間よりも延長してしまうことがあります。ワイヤー矯正よりも費用は安いです。
歯列矯正と外科矯正の併用
歯の位置異常だけでなく上顎が小さい、もしくは下顎が大きいことによってかみ合わせが上下逆になっている骨格性の受け口の場合だと歯列矯正の治療だけでの改善は難しく外科手術を併用することが多いです。顎の骨を削合し下顎を後方へズラしたり、上顎を前方にズラしたりして噛み合わせを整えていきます。顎を大きく動かして噛み合わせを整えることができるので横顔などわかりやすく変化します。術前矯正➡外科手術➡術後矯正といった流れで行われるのが一般的ですが、当院ではサージェリーファースト(自由診療)といい、外科手術を先に行い、その後に歯列矯正を行うやり方を行っております。術前矯正の期間が省けるのでトータル的に一般的な外科手術を伴う歯列矯正よりも治療期間が短くなる場合があります。サージェリーファーストについてはこちら受け口などで、顎変形症といった病気として診断が出ると保険で歯列矯正と外科手術を行える場合があります。
子どもの受け口の治療
受け口の治療方法は大人と子どもでは異なります。子どもの場合はまだ顎の成長段階にあるので成長を抑えたり促したりすることでバランスを整えていきます。また、指しゃぶりや口呼吸といった悪習癖の改善も重要になっていきます。
チンキャップ
チンキャップは顎に装着するチンキャップと頭に装着するヘッドキャップ・ゴムバンドで構成されていて、下顎の成長を抑制するはたらきがあります。基本的に家にいる間は使用してもらいます。1日12時間から14時間の使用が効果的です。非侵襲的で手術の必要はないですが、見た目の問題で子どもは抵抗感を持ちやすく、継続が難しい場合もあるので親のサポートが必須になります。顎の成長は個人差がありますので、チンキャップを使用したからといって必ず受け口が改善されるとは限りません。
上顎前方牽引装置
下顎の成長を抑制し上顎の成長を促す装置になります。上顎の成長は10歳頃までこれは下顎よりも上顎が小さいことによる受け口の症例の場合に使用します。フェイシャルマスクについているフックと口腔内装置のフックにゴムをかけて牽引します。チンキャップと同様に基本的に家にいる間は使用してもらいます。使用時間が長ければ長いほど効果が出るので、こちらも子どもの協力が必要となる装置です。
最後に
受け口は子どもと大人とでは治療方法が異なります。大人は歯列矯正のみで改善する場合と歯列矯正+外科矯正が必要な場合に分かれます。サージェリーファーストは当院でも行うことができ、装置も表側と裏側、ハーフリンガルなど様々を取り扱っています。受け口は見た目はもちろん噛み合わせによる機能障害などで、お困りの方は多いと思います。もし受け口で悩まれているのであれば、まずはカウンセリングへお越しください。当日に空きがあれば精密検査も行い、より最適な治療方法をご提案することができます。