投稿日:2025.7.2
歯科矯正のワイヤー交換は何回くらい必要ですか?
ワイヤー矯正は、歯並びや噛み合わせを整えるために広く行われている治療法です。
しかし、実際に治療を始めるにあたり「ワイヤーは何回交換するの?」「トラブルが起きたらどうすれば?」と疑問や不安が出てくるかもしれません。この記事では、ワイヤー矯正の基本的な仕組みから、何回交換が必要なのかを解説します。
また、ワイヤー交換の必要性、万が一のトラブル時の対処法、さらには交換時にかかる費用も紹介しています。ワイヤー矯正をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ワイヤー矯正の特徴と仕組み
ワイヤー矯正とは、歯の表面に装着したブラケットにワイヤーを通し、歯を少しずつ理想的な位置へと動かしていく治療法です。
歯の根元には「歯根膜」と呼ばれる薄い膜があり、歯にかかる力を吸収して分散させるクッションのような役割を果たしています。
この歯根膜にワイヤーの力が加わると、歯根膜が圧迫されて厚みを保とうとする働きが起こり、骨が吸収されていきます。
一方、逆側では歯根膜が引き伸ばされ、厚みを戻す過程で新たな骨が作られるのです。
このように、骨の吸収と再生を繰り返すことで歯は少しずつ移動していきます。
ワイヤーは歯に力を伝えるための重要なパーツであり、矯正治療において欠かせない存在です。
ワイヤーの交換は何回必要?
ワイヤーの交換回数は、治療内容や歯の動き方によって大きく変わるため、「〇回で終わります」とは一概に言えません。
一般的には4〜6週間ごとの通院時に、その都度ワイヤーを調整・交換しながら治療を進めていく流れになることが多いです。
ただし上記はあくまで目安で、使うワイヤーの種類や歯並びの状態、歯の動くスピードなどによって回数は変わってきます。
歯の動かす距離が短い場合は、交換の回数が少なめで済むことがあります。
一方で歯を大きく動かす必要がある場合は、その分ワイヤーを交換する回数も多くなる傾向です。
治療は歯並びや骨格の状態によって一人ひとり異なるため、自分に合ったペースで進んでいく流れになるのです。
なぜワイヤーの交換が必要なのか?
治療の過程でワイヤーを交換するのには、以下の理由があります。
- 長く同じワイヤーを使い続けると、だんだん矯正力が弱くなってしまう
- ワイヤーの形や太さを変えることで、歯の動きをより細かくコントロールできるようになる
最初は細くて柔らかいワイヤーを使ってガタついた歯並びを少しずつ整え、その後に太くてしっかりしたワイヤーに切り替えていく流れが一般的です。段階に応じて適切なワイヤーに交換していくことで、スムーズに歯を動かすことができ、より理想的な歯並びへと近づいていきます。ワイヤー交換は、治療をスムーズに進めるために欠かせない大切なプロセスです。
ワイヤー矯正中に来院が必要なトラブルとは
ワイヤー矯正中は、基本的に定期的な通院で治療が進められますが、まれに予定外のトラブルが起こることもあります。
ここからは、ワイヤー矯正中によくあるトラブルと、それぞれの対処の目安について紹介します。
ワイヤーがブラケットから外れた
ワイヤーは通常、ブラケットにしっかりとはめ込まれていますが、まれに外れてしまうことがあります。
このようなとき、ワイヤーの先が歯ぐきに刺さったり、口の中を傷つけたりして痛みを感じるかもしれません。
ワイヤーが外れたらそのままにせず、早めに歯科医院で診てもらいましょう。
ワイヤーが折れた
ワイヤーが折れることはまれですが、万が一折れてしまった場合は、その断面で歯ぐきや口の中を傷つけないよう注意が必要する必要があります。折れたワイヤーは再利用できないため、できるだけ早めに歯科医院に連絡を取り、診察を受けるようにしましょう。
ブラケットが外れた
ブラケットが外れてしまった場合は保存して、次回の通院時に持参すると治療の再開がスムーズになります。
痛みや違和感がある場合は、歯科矯正用のワックスを使って周囲をカバーし、口の中が傷つかないようにしましょう。
できるだけ早く歯科医院に連絡し、状況を伝えて受診の予約を取ることをおすすめします。
自己判断で無理に戻そうとせず、専門家に対応してもらうのが安心です。
各治療ごとのワイヤーの役割
ワイヤー矯正はただ歯を動かすだけでなく、噛み合わせや口全体のバランスも整えていくことが大切です。
治療の段階や目的によって、ワイヤーが果たす役割も少しずつ変わっていきます。
ここからは、矯正治療の中でワイヤーがどのように使われ、どんな役割を持っているのかを詳しく見ていきましょう。
1.歯を調整する
歯並びにガタつきがある場合は、まず歯列のラインに沿って歯を少しずつ整える調整からスタートします。
この初期段階では、比較的柔らかいワイヤーを使用し、歯にやさしい力をかけて移動させていくのが一般的です。
最初のうちは歯の重なりやねじれが大きく、違和感を覚えることもありますが、歯並びが整ってくるにつれて、徐々にその感覚も軽減していきます。
2.噛み合わせを調整する
歯列がある程度整ってくると、次のステップとして噛み合わせのバランスも考慮しながら歯の位置を調整していきます。
噛み合わせは見た目だけでなく、口全体の機能に深く関わってくる重要な要素です。
正しく噛めるようになることで、顎や歯に均等に力が加わり、口元の筋肉や骨格のバランスが自然と整っていきます。
逆に噛み合わせが乱れたままだと、口まわりの不調から首や肩のこり、さらには顎関節症の原因になることもあります。
こちらの段階では、矯正治療においてとても大切な工程であり、健康的な噛み合わせを維持するためにも丁寧に進めることが必要です。
3.全体的なバランスの微調整
矯正治療の終盤に入ると、仕上げとして細かな微調整が行われる段階に入ります。
主に細めのワイヤーを使って、整えた歯列や噛み合わせがきちんと安定するように、わずかなズレや傾きを調整していきます。
見た目の大きな変化は少ないですが、きれいに並んだ歯を長く維持するためにはとても大切なプロセスです。
ワイヤーの種類
ワイヤー矯正で使用されるワイヤーには、見た目や素材の違いによっていくつかの種類があります。
ここでは、代表的な「金属製ワイヤー」と「ホワイトワイヤー」の特徴についてご紹介します。
金属製のワイヤー
金属製のワイヤーは、矯正治療で最も一般的に使用されているワイヤーです。
主にステンレススチールやニッケルチタンなどの合金で作られており、強度と弾力性に優れ、長期間にわたって安定した矯正力を発揮します。初期段階から仕上げの段階まで幅広く使われており、歯を効率的に動かしたい場面に適しています。
また耐久性があるため折れにくく、変形しにくいのも特徴です。
ただし銀色の金属が目立つため、見た目が気になる方にとってはやや不向きと感じられるかもしれません。
ホワイトワイヤー
ホワイトワイヤーは、金属製のワイヤーに白や乳白色のコーティングを施したもので、目立ちにくさを重視した矯正装置として人気があります。見た目が歯やブラケットの色と自然になじむため、「矯正中の見た目が気になる」という方に特におすすめです。
基本的な素材は金属製ワイヤーと同じなので、ある程度の強度や弾性も備えています。
ただし、コーティングが剥がれてしまうと金属が見えてしまうこともあるため、食事や歯磨きの際には丁寧なケアが求められます。
審美性を保ちながら治療を進めたい方にとって、ホワイトワイヤーは矯正のハードルを下げてくれる選択肢のひとつです。
ワイヤー交換時にかかる費用
ワイヤー調整や交換にかかる料金は、1回あたりおおよそ3,000円から5,000円程度が目安です。
ワイヤー矯正を行っている期間中は、通常月に一度のペースで通院し、装置の調整を受ける必要があります。
ただしクリニックによっては、この費用が矯正装置の総額に含まれており、別途の支払いが不要な場合もあります。
当院ではトータルフィー制度を導入しており、毎月に必要なワイヤー交換費用はすべて治療費に含まれているため、調整時のお支払いが不要です。当院のトータルフィー制度についてはこちらをご覧ください。→トータルフィー制度
まとめ
ワイヤー矯正は、ブラケットとワイヤーの力を利用して、歯並びや噛み合わせを段階的に整える治療法です。
治療中にはワイヤーの交換や微調整が行われ、トラブルが起きた場合には早めに対応する必要があります。
また、ワイヤーには金属製やホワイトワイヤーなどもあり、見た目や目的に応じた選択ができます。
歯並びで気になる症状やお悩みがある方は、まずはお気軽に札幌キュア矯正歯科へご相談ください。
専門の矯正医が、あなたの理想に寄り添いながらオーダーメイドの矯正プランをご提案いたします。
歯列矯正にご興味のある方は、まずカウンセリングへお越しください。お待ちしております!