投稿日:2025.4.18
歯並びが悪くなった理由は歯が大きくなったため!?
札幌キュア矯正歯科です。
「自分の歯並びが良くないのは、もしかして歯が大きいから?」
「歯の大きさが原因で歯並びが悪くなることってあるの?」
鏡を見て、ご自身の歯の大きさが気になり、それが歯並びの乱れにつながっているのではないかと疑問に思ったことはありませんか?
確かに、歯列に対して歯が大きい場合、歯がきれいに並びきらず、歯並びが悪くなる原因の一つとなり得ます。
しかし、歯並びが悪くなる理由は、必ずしも「歯が大きいこと」だけがとは限りません。
そこで本記事では、歯の大きさと歯並びの関係性、歯が大きいことによって起こりうる歯並びの問題、歯並びを整えるための対処法について解説します。
目次
歯が大きいと歯並びが悪くなる?
私たちの歯は、顎の骨の上にきれいなアーチを描くように並ぶのが理想的な状態です。
すべての歯がこのアーチの中にきちんと収まっていると、見た目も機能も整った歯並びといえるでしょう。
スペース不足が歯並びを乱す
しかし、歯の大きさに対して歯が並ぶための顎のスペース(専門的には「歯列弓(しれつきゅう)」といいます)が足りないと、どうなるでしょうか。
限られたスペースに大きな歯が収まろうとするため、歯が並ぶ場所が足りなくなり、結果として歯並びが乱れてしまうことがあります。
歯の大きさだけじゃない?顎の成長も要因に
ここで考えたいのは、「歯が大きい」ことだけが歯並びが悪くなる原因とは限らないという点です。
歯を受け止める土台となる顎の骨が十分に成長していない場合も、相対的にスペースが足りなくなってしまいます。
顎の大きさや形には、もちろん遺伝的な要因も関わっています。しかし、それ以上に影響すると考えられているのが毎日の食生活です。
現代の食事は、柔らかい食べ物が増え、硬いものをよく噛む機会が減っている傾向があります。
噛むという行為は顎の骨や周りの筋肉に適度な刺激を与え、成長を促す大切な役割を担っています。
しかし、噛む回数が減ると成長のポテンシャルを十分に発揮できない可能性があるのです。
そのため、歯の大きさ自体は標準的であっても顎が小さいとスペース不足となり、歯並びが整わないケースも少なくありません。
歯が大きいことによって引き起こされる歯並びの問題
歯のサイズが顎の大きさに比べて相対的に大きい場合、以下のような歯並びの問題を引き起こす可能性があります。
歯が収まらず重なり合う「叢生(そうせい)」
歯の幅の合計が大きいと全ての歯が歯列にきれいに収まりきりません。
行き場を失った歯は互いに重なり合ったり、捻じれて生えたりすることが多く、「叢生」や「八重歯」を引き起こします。
前歯が前方に押し出される「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」
特に上の前歯が大きい場合、歯列に収まりきらずに前方に押し出され、「上顎前突」、いわゆる「出っ歯」の状態になることがあります。
歯が大きいことに加え、幼少期の指しゃぶりや舌で前歯を押す癖などがあると、症状がより顕著になることも考えられます。
歯並びが悪いとどうなる?
歯が大きいことによる歯並びの乱れは、見た目だけの問題にとどまりません。
上下の歯が正しく噛み合わない「不正咬合(ふせいこうごう)」の状態は、私たちの体や心に次のような影響を及ぼすことが考えられます。
お口の健康トラブルを招きやすい
歯が重なっていたり、デコボコしていたりすると歯ブラシが届きにくい箇所ができてしまいます。
そのため、食べかすや歯垢が残りやすく、虫歯や歯周病になるリスクが高まる傾向があります。
食べ物が噛みにくくなる
歯並びが悪いと、食べ物を効率よく噛み砕くのが難しくなることがあります。
よく噛めないことは、食べ物の消化を助ける唾液の分泌を妨げたり、そのまま飲み込むことで胃腸に負担をかけたりする可能性があります。
歯や顎、全身への負担がかかる
噛み合わせがずれていると、特定の歯にだけ強い力がかかり、その歯がすり減ったり、欠けたり、割れたりする原因となることもあります。
また、顎の関節に無理な負担がかかり、「カクカク音がする」「口が開けにくい」といった顎関節症(がくかんせつしょう)の症状を引き起こすことも考えられます。
さらに頭痛や肩こりといった全身の不調につながるケースも見られます。
発音しにくい言葉がある
歯と歯の隙間が大きい、あるいは舌の動きが歯並びによって制限されるなどの理由からサ行、タ行、ラ行などが発音しにくくなることがあります。
心理的な影響も
見た目を気にするあまり、人前で口を開けて笑うことに抵抗を感じたり、話すときに口元を手で隠す癖がついたりするなど、コンプレックスにつながることも少なくありません。
歯が大きい場合の歯並びの治し方
歯並びを整えるためには、歯列矯正が必要です。
しかし、まず歯がきちんと並ぶためのスペースを作り出す必要があります。ここでは、そのための代表的な治療法をいくつか紹介します。
1. 歯を抜いてスペースを作る(抜歯矯正)
歯がきれいに並ぶためのスペースが不足している場合や、口元が前に出ている感じ(突出感)を改善したい場合に検討されることが多い方法です。
一般的には、機能的な影響が比較的少ないとされる小臼歯(前から数えて4番目または5番目の歯)などを左右上下で抜歯することがあります。
そして、その空いたスペースを利用して、前歯を後ろに下げたり、デコボコになっている歯をきれいに並べたりします。
歯を動かすための十分なスペースを確保できるため、歯の重なりが大きい場合や、口元の印象を大きく変えたい場合に効果を発揮しやすいです。
2. 歯の側面を少しだけ削ってスペースを作る(IPRなど)
歯と歯が接している側面の部分(隣接面)を、ごくわずかに削ってスペースを生み出す方法です。
「ディスキング」や「ストリッピング」と呼ばれることもあります。
歯の一番外側にある硬い層(エナメル質)の範囲内で、専用の器具を使って慎重に削ります。
削る量は、1つの歯につき最大でも0.5mm程度と、ごくわずかです。痛みを感じることはほとんどありません。
比較的軽い歯の重なり具合などに対応しやすい方法で、スペースを作れる可能性があります。
ただし、この方法だけで確保できるスペースの量には限りがあります。
3. 顎の骨格を広げてスペースを作る(歯列弓拡大)
まだ成長段階にあるお子さんの場合に有効な方法です。
歯が並ぶ土台となる顎の骨(歯列弓)自体を広げることで、歯が並ぶためのスペースを確保します。
取り外し式または固定式の拡大装置をお口の中に装着し、少しずつ力をかけて顎の幅を広げていきます。
顎の骨格的なバランスが整い、歯を抜かずにスペースを確保できる可能性があります。
ただし、大人の場合は骨の成長が完了しているため、この方法単独での効果は限定的で、場合によっては外科的な処置を併用することもあります。
歯が大きいことに関するよくある質問(Q&A)
歯の大きさに関して、多くの方が抱える疑問についてQ&A形式でお答えします。
Q1. 歯が大きいのは遺伝ですか?
A1. 歯の大きさには、遺伝的な要素が大きく関わっていると考えられています。
ご両親や近親者に歯が大きい方がいる場合、お子さんの歯も大きくなる傾向があります。ただし、遺伝だけが全てではありません。
Q2. 歯が大きい場合、何かできることはありますか?
A4. 生まれ持った歯の大きさ自体を変えることはできません。しかし、歯が大きいことが原因で歯並びに問題がある場合は、歯科矯正で改善できます。
Q.3 抜歯は必ず必要ですか?
結論から言うと、抜歯は必ずしも必要ではありません。
歯並びが悪くなる原因の一つに、顎の大きさと歯の大きさのアンバランスがあります。
「歯が大きくなった」と感じる場合も、実際には顎のスペースに対して歯が相対的に大きく、並びきらない状態と考えられます。
このようなスペース不足を解消するために、抜歯が選択肢の一つとなるのです。
当院で治療した非抜歯矯正の症例はこちらから
まとめ
歯の大きさは歯並びに影響を与える要因の一つですが、それだけが原因とは限りません。
顎が小さい場合は、標準的な大きさの歯でもスペースが足りずに歯並びが乱れることがあります。
また、遺伝的な要因や指しゃぶり・舌癖などの後天的な習癖も歯並びに影響を与えてしまうことも。
もし「歯が大きいせいかも」と歯並びにお悩みなら、自己判断せずにまずは歯科医師に相談することが大切です。
当院ではカウンセリングを受け付けています。歯並びにお悩みがある方はお気軽にご相談ください。
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ご一読いただき、ありがとうございました☆