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投稿日:2025.5.28

受け口だとなぜ口臭が発生しやすいの?

みなさんこんにちは、札幌キュア矯正歯科です。

受け口(反対咬合)は見た目の問題だけでなく、口臭の原因にもなり得ます。
噛み合わせの異常によって唾液の流れが悪くなり、口内の自浄作用や再石灰化作用が弱まりがちです。
また、口呼吸や歯垢の蓄積、歯周病リスクの増加なども口臭を悪化させる要因です。

この記事では、受け口が引き起こす口臭のメカニズムと、予防・改善のための矯正治療について解説します。
また、日常生活でできる口臭への対策法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

受け口とは

受け口 反対咬合
受け口は「下顎前突」とも呼ばれ、下の歯が上の歯よりも前に出ている噛み合わせの状態を指します。
通常の歯並びでは、上の歯が下の歯を覆うように並んでおり、笑った際に下の歯が大きく見えることはありません。

受け口には、主に以下の2つのタイプがあります。

受け口の種類 特徴
歯槽性下顎前突 歯が原因で起こり、下の歯が外に傾いたり上の歯がうちに傾いたりする
骨格性下顎前突 骨格に起因していて下顎の骨が上顎よりも前に出ている

 

歯の噛み合わせが少し逆になっている程度であれば目立ちにくいですが、
歯槽性と骨格性の両方がある場合、受け口の状態がはっきりとわかるかもしれません。

受け口が口臭を発生させる理由

受け口は見た目や発音への影響だけでなく、口臭の原因にもなりやすい噛み合わせです。
その背景には、口腔内の環境が悪化しやすい複数の要因が関係しています。
ここからは、受け口が口臭を引き起こす具体的な理由を詳しく解説します。

①唾液がお口の中で行き渡りにくくなるため

受け口が口臭を発生させる理由の1つ目は、唾液が行き渡りにくくなることです。
唾液には、口内を健康に保つための以下のようなさまざまな役割があります。

  • 自浄作用
  • 再石灰化作用
  • 湿潤作用

特に唾液の自浄作用は、口臭と密接に関係しています。
自浄作用は唾液が常に口内を潤し、汚れを排除する機能のことです。

口臭の主な原因は、口内に残った食べかすや歯垢(プラーク)、それらを分解する細菌が放つガス(硫化水素・メチルメルカプタンなど)です。
唾液がしっかり分泌されていれば、これらの汚れや細菌が口腔内に長くとどまるのを防ぐため、口臭の原因そのものを洗い流してくれます。


受け口では下あごの歯並びが前方に出ているため、口腔内のスペースが狭くなりやすい傾向にあります。
こうした限られた空間だと唾液の流れが悪くなりがちで、自浄作用が弱まって細菌が繁殖しやすくなります。

このような細菌の増加が、口臭の原因となることがあります。

②歯垢(プラーク)が溜まりやすくなるため


受け口の方は歯垢が溜まりやすいため、口臭が発生しやすい傾向にあります。
受け口は叢生(そうせい)と呼ばれる歯並びの乱れを伴いやすく、
歯が重なり合っていたり、デコボコしていたりすると、歯と歯のすき間に歯垢が残りやすくなります。

歯垢は細菌のかたまりであるバイオフィルムの一種で、強い口臭の原因となることもあります。
このような環境では、ていねいに歯を磨いていても汚れが残りやすく、結果的に口臭が生じやすくなるのです。

③口呼吸になりやすくなるため

受け口と口呼吸
受け口は口呼吸になりやすく、口臭を発生させることがあります。
通常、舌は上あごにぴったりとくっついているのが理想的ですが、受け口の方は舌が下にたれ下がりやすい傾向にあります。
この低位舌は舌が下あご側に低く位置しているため、口の中の空間が狭くなり、口呼吸になりやすいです。
口呼吸は口内を乾燥させ、細菌が増えやすい環境を作るため、口臭の一因となります。

④歯周病のリスクが高くなるため

 歯周病
受け口の方は歯周病のリスクが高く、口臭が悪化しやすくなります。
唾液の流れが悪いために細菌が繁殖しやすく、歯垢が溜まりやすい口内環境が原因です。
このような状態が続くと、歯と歯ぐきの間にプラークが停滞し、歯周病が発症します。

初期は歯ぐきの炎症にとどまりますが、進行すると「歯周ポケット」が深くなり、内部で細菌が増殖し続け、やがて骨を溶かしてしまいます。
特にP.g菌という細菌は、食べかすを分解して強いにおいのあるガス(メチルメルカプタン)を発生させ、腐った玉ねぎのような口臭を引き起こすのです。

受け口による口臭を予防するための矯正治療とは

受け口による口臭を予防するための矯正方法には、以下の種類があります。

  • ワイヤー矯正
  • マウスピース型矯正
  • 裏側矯正(舌側矯正)

ワイヤー矯正 歯列模型 
ワイヤー矯正は、 歯の表側に金属装置をつける一般的な方法で、矯正治療の中で歴史が深く、さまざまな症例に対応できるのも特徴です。
マウスピース型矯正は、透明なマウスピースで歯を動かす治療法です。装置が目立ちにくく、ご自身で取り外しができます。

そして裏側矯正(舌側矯正)は装置を歯の裏側につけるため、ほとんど目立ちません。
ただし特殊な技術が必要になる矯正方法のため、実績のあるドクターを選び、費用が高くなりやすいことを考慮しておく必要があります。
特に受け口の場合は骨格から改善していくケースもあり、その場合はワイヤー矯正に加えて外科手術が必要になることも覚えておきましょう。

矯正以外の口臭への対策法

矯正治療は受け口による口臭の根本的な改善に効果的ですが、それだけでは十分とはいえません。
日常生活の中でも口臭を予防するために意識したいポイントがあります。
ここからは、矯正以外でできる口臭対策についてご紹介します。

①定期検診を受ける

定期クリーニング
受け口による口臭予防のためには、歯科医院での定期検診を受けることが大切です。
ご自身では落としきれないプラークを除去したり、正しいケア方法の指導を受けたりすることで、
口臭の原因となる歯周病などのリスクを減らすことができます。
検診の頻度は個人差がありますが、一般的には3〜6ヶ月に1回の受診が理想とされています。

②セルフケアをていねいに行う

歯ブラシ
口臭を防ぐためには、毎日のセルフケアをていねいに行うことが欠かせません。
歯の表面だけでなく、プラークや食べかすをしっかり除去することで、口内の清潔が保たれます。
また、舌の表面にある舌苔(ぜったい)も口臭の原因となるため、舌の掃除も重要です。
舌ブラシややわらかい歯ブラシを使って、優しく舌の表面をなでるように掃除しましょう。
強くこすりすぎると舌を傷つけてしまうため、力加減には注意が必要です。
そして磨き残しの傾向や正しい磨き方を知るためにも、歯科医院で歯科衛生士からブラッシング指導を受けるのも効果的です。

③歯間部の清掃もしっかり行う


フロス 歯間ブラシ口臭を防ぐうえで歯間部の清掃も行えるように、デンタルフロスや歯間ブラシを取り入れることも大切です。
とくにデンタルフロスは、隣接する歯と歯の接触面(コンタクトポイント)を掃除する唯一の道具です。
通常の歯ブラシでは届かない部分の汚れをしっかり取り除くことができます。
また、歯と歯の間のすき間が大きい場合は、歯間ブラシの併用も効果的です。
サイズの合ったものを選び、無理なく通すように使いましょう。
歯間部のケアが習慣になっていない場合は、まずは1日1回から始め、少しずつ日々のケアに取り入れていくのがおすすめです。

④口呼吸に注意する

口呼吸に注意することも、受け口への口臭対策としてとても大切なことです。
口呼吸の習慣は口臭の原因になるだけでなく、虫歯や歯周病といったお口のトラブルも引き起こしやすくなります。
特に睡眠中は無意識のうちに口が開いてしまうことがありますが、起きている間はできるだけ鼻で呼吸し、口を閉じて過ごすよう意識しましょう。
また、舌の位置を正しく保つことも重要です。舌が正しい場所にあることで、口の周りの筋肉がうまく働き、自然と口が閉じやすくなります。
日常の中で、舌が上あごに軽く触れている状態をキープするように心がけるとよいでしょう。

まとめ

受け口は見た目や噛み合わせだけでなく、唾液の流れや歯の清掃状態を悪化させることで口臭の原因にもなります。
口呼吸や歯垢の蓄積、歯周病リスクの増加などが関係しているため、日常のセルフケアや定期検診、歯間のケアが大切です。
根本的な改善を目指すなら、矯正治療を検討しましょう。

札幌キュア矯正歯科では、患者さまお一人おひとりのお悩みやご希望を丁寧にお伺いし、
患者様のライフスタイルに合わせた最適なオーダーメイド治療プランをご提案しています。

些細なことでも気軽に相談できる環境を大切にしておりますので、受け口と口臭でお悩みの方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
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